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囚われの金魚姫は夏祭りでイケメンに掬(救)われる

王女サーラは強い魔力とカリスマ性で、動乱により荒れ果ててしまったその国を立て直せるところだった。しかし、あと少しの所で反乱軍に捕らえられ、殺されそうになってしまった。

サーラは自分に残された魔力をありったけ使って、姿を変え他の世界への転移に成功し、この窮地を逃れたのだった。

そして、気が付いた彼女はとある夏祭りの金魚すくいの水槽の中で可愛らしい金魚として泳いでいた。

ーえ、えっと、ここはどのかしら…

異世界転移は初めてで、今までいた世界とまるで違う風景と自分の今の姿にサーラは動揺した。

まあ、この姿なら追手に見つけられることもないだろうし、魔力が回復するまで静かにしていよう

そう思った。その矢先…

バシャっと、音がしてサーラの身体は水から掬い上げられた。そして、あっという間に小さな袋の中に入れられてしまったのだ。慌てて袋の外を見てみると、袋の外からもまじまじとサーラを見つめる目と目が合った。こうして、サーラと大騎は出会った。

帰宅して金魚鉢に入れられサーラは動揺したが、どうやら敵の追手では無さそうだ。ほっとして大騎を観察し始めた。とりあえず、分かったのは彼が超絶イケメン…サーラの好みだと言うことだ。しかし今は金魚の姿、どうこうなる訳もないのだが彼女の胸は高鳴るばかり。

顔以外、大騎は基本的に寡黙でせっせとサーラの世話はするが、得体の分からない存在だった。

不安を感じながらもイケメンにときめく日々は、サーラの体力と魔力を普通以上の速度で回復させた。そして、数か月後にはすっかり回復したのだった。

大騎に自分の本当の姿を見せることも出来ずひっそり去るのは後ろ髪をひかれる思いだったが「私には救うべき国がある」そう言い聞かせ、寝静まった深夜「大騎、私を掬ってくれてありがとう」と念を送り旅立とうとした。すると大騎が目を覚まし「サーラ様、回復されたのですね!」そう言った。サーラは驚いたが、聞けばサーラが魔法を使った時に護衛の騎士が一緒に転移していたのだ。しかもイケメンの姿となって…そしてサーラが回復するまで彼女を匿っていたのだ。

そうして二人は元の世界に戻り、あっという間に反乱軍を制圧し、サーラは国を統一した。ひとえに元の世界に戻っても姿が変わらない大騎にサーラが今まで以上のパワーを出したことが要因だ。サーラもこの国もイケメンに救われたのだった。

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