表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に探偵は必要ですか?  作者: アイザック・ゴーマ
14/81

3-4:タンテイⅣ

   3-4:タンテイⅣ




 ミゴは付け足すように言った。



「オータロにかかっている魔法。

 説明したことをふまえて言うと基本のそれではなく、応用。

 しかし、分類すると基本の【変化】なんですね。

 基本しか習ってない人に説明するのに便宜上の分類わけがされています。

 応用でも【支配】に分類されますが、原則の合成なので合成で分類を作るべきではあるのですが」



「そもそも、言葉上であれば基本で説明する必要はないような?」



「ああ、うーん。

 魔法は学問として習うのは簡単なんですよ。

 ただ、使えるようになるにはいくらか大変で。

 例えば、転移の魔法。

 その存在も、学問上の位置も【知る】のは容易い。

 ただ、使えるようになるために【識る】のは難い。

 認識上での説明なんですが。

 伝わりますか?」



「なんとなくは」



「基本の魔法だって使えるだけですごいことでね。

 ただ、実用の話をするといくつか例外があって、それがオータロの手のソレです。

 【世界魔法】。

 儀式を行う等の条件を満たすと行える魔法というのもある。

 今、こうやって言語が違っても通じるのもそこに分類されます。

 あ、基本では【変化】で分類ですね。

 ……ふぅ、少し話し過ぎました。

 オータロ、今までの話を含めて何かオータロの世界の話をお願いできますか?」



「そうですね。

 勉強になりました、ありがとうございます。

 では、私の世界のことを……」



 凹太郎は、自分の世界の話をした。

 この異世界との社会の構造や制度の違い。

 娯楽についても。

 話していると、この世界に漫画はないものの劇であったりドラマであったりそういったものはあるらしいことが分かった。

 アニメの話をするとミゴは、



「マンガ……ふむ。

 アニメーションというのはわかります。

 違う絵を一枚一枚並べて、動くように見せるという。

 それとは少し違いますが、3DのCG画像を動かしたりして表現することはよくあります。

 さっき見せたような地図みたいなものとか、人体モデルで事故を再現したりと……。

 え?

 その一枚一枚を手で書く。

 1秒を8枚とかで……それを30分ぶん?!

 それを13個分!!

 そういったものを毎年量産!!!?

 何を考えてるんだ、オータロの世界は」

 


 その反応に面白みを感じつつ、アニメや漫画のより詳細を(と言っても、にわかの凹太郎がわかる程度に)説明した。

 ミゴは漫画についても驚いた様子を見せ(表情は変化しないが)、凹太郎は満足した。

 そうしているとガタンと研究室の扉が開いた。

 勢いよく入ってきたのはデカいトカゲ人間。

 モンディである。

 ミゴは立ち上がり、出迎えるように話した。



「これは珍しい!

 モン王子!!

 お久しぶりですね。

 いや、ルラ少女の公開尋問のときに目は会いましたが」



「ミゴ、久しいな。

 ふん、元気なようだな。

 その調子でいろ。

 それより用件はわかっているだろう。

 そこのオータロウと話をさせろ。

 ここでいい。

 アルには話はつけてある」



 モンディは言動や所作がどこか他者を威圧するように見えるも、案外、神経質なようだ。

 ドアもきちんと手で閉じ、丁寧な様子で凹太郎の正面に腰を下ろした。

 モンディには大きな尻尾があるが、体に巻き付けるようにしてうまい具合に座った。

 ミゴは信頼を置いているのか、そのモンディを無理に帰すこともしなければ、むしろ迎え入れた形だ。

 凹太郎は警戒するようにそういった動作を観察した。

 モンディが口を開く。



「昨日ぶりだな。

 改めて、俺はモンディ・ベルレウン。

 第5王子にして、今回の王殺しの捜査担当の一人。

 オータロウだったな。

 今からいくつか質問する。

 これには、真実であれ嘘であれ答えてもらう。

 この部屋では証言に有効性はないからな。

 今日は仕方ないが、後日、きちんとした証言をしてもらう。

 では、いいか」



 正直、モンディのその爬虫類の顔で見られると凹太郎は委縮してしまう。

 凹太郎は目をつむる。

 モンディはその様子に怪訝そうな表情をした。

 ミゴは知っていた。

 凹太郎はこうやって自分の認識を改める。

 次の瞬間、凹太郎はパッと目を開き、爬虫類のような人間の存在に適応した。



「失礼しました。

 どうぞ、なんでも聞いてください」



 よくわからない様子でいたモンディだが、気を取り直した様子で、



「ふん……。

 いいか。

 では、オータロウ。

 貴様と、ルラ・ペンテミニアムの関係は?」



「全く知らない。

 話したこともない。

 これは嘘でないが、証拠は提示できない。

 ……そうだな。

 できるようなら直接ルラさんと会う機会を設けてもらえばわかる」



「……そうか。

 考えておこう。

 次だ。

 ……ん?

 ミゴ、楽しそうだな」



 ミゴは顔には出ないものの、凹太郎の子供じみた誘導に面白みを感じたらしい。

 ミゴはどうやらそういうとき不思議と体がソワソワするようだった。



「まぁ、いいか。

 次……。

 オータロウ。

 仮に、だ。

 事件現場、その他資料、すべてのものを貴様が調査すれば真実にたどり着けるか?」



 それは、凹太郎もミゴも思ってもない質問だった。

 凹太郎は目の前の餌に飛びつきたい衝動に駆られたが、いくらか落ち着いて、

 


「……たどり着けるなら、その許可が出せるのですか?」

 


 それに対しモンディは悪戯をした子供のように、


  

「ふっ、ははは!

 いや、【探偵】というものは本来そういうものだと聞いてな。

 先ほど、王子会で少し話題になってたのだ。

 皆、口々に貴様のことを話していた。

 特に第7王子のゴーファンなんかは……。

 どうでもいいか。

 では、次だ。」



「たどり着けますよ」


 

 凹太郎はモンディの言葉を遮って言った。



「私は探偵。

 真実にたどり着くのが探偵の仕事だ。

 本当に事件の解決を望むなら私に任せてください!!」 

アイザック・ゴーマの小説挑戦作だぜ。

誤字、脱字は随時修正していくぜ。

特に見ても面白いことはやりませんが、Twitter、チャンネル登録もよろしくだぜ。

リンク貼っていいかわからないので、興味がある方は検索してみてだぜ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ