【定期】知名度と技術は比例しないぞ
主人公は半分僕です。底辺動画投稿者としての視点から書きました。
「今回もありがとうございました!良ければ高評価、フォローよろしくね!」
カメラに向かって一人、語り続ける毎日。どうも、底辺動画投稿者、黒枯です。
最近のSNSの発達は著しい。俺もこのビッグウェーブに乗るしかない、そう思って色んな動画投稿サイトで活動を始めた。
…もう一年になる。中々バズる気配もないし、モチベーションも下がりきっている。
その点、BIKAKINは凄いな。TheyTubeで活動を10年以上続けて、フォロワー1000万人超って…。しかもNik KnockやSwitch、その他配信サイトにも手を出していて…。全く、俺とはえらい違いだ。
長々と話してきたが、まだ俺の素性には全く触れていなかったな。一年程前から活動を始め、最近やっとフォロワー300人を突破したと思ったら急速に勢いが落ちてしまい、オワコンの向こう側に行ってるタイプの動画投稿者…あ、名前はもう言ったか。
本名が白咲なので対義語のような何かにしてみた、それだけのなんの捻りもない男だ。まあ世の中には本名と一ミリも被ってないで活動してる人なんてザラにいるけど。
「ったく…編集技術なら俺だって…」
俺のフォロワーさん曰く、俺は普通に編集技術は高いらしい。まあ一応簡単なものではあるけれど、音MADなんかも作れるしな。
…トーク力の問題なのだろうか。いや、普通に喋れている方だと思いたい…。
まあ、知名度ゼロから一年でここまで来たんだ、誰でも下積み時代はあるし、いつか報われるその日を信じて投稿を続けよう。
動画の編集が粗方終わった。あとの分は明日やるか…。
(本当に、楽しんで見てくれてるのだろうか…?)
たまにそんな事を考えてしまう時がある。というか、これはほぼ全ての動画投稿者に当てはまる共通の悩みなのかもしれない。だが俺はフォロワーの期待に応えるために動画を投稿している。よくない点は彼ら彼女らに言ってもらい、それを踏まえて修正する。これが理想的な視聴者と投稿者の関係だと俺は思っている。
「あーあ眠ぃ…もう寝るか」
次回は異世界モノについての解説動画だ。有名なジャンルだし、ある程度新規さんは取り込めるだろう。
ここで俺は、重大なミスをしてしまう。パソコンの電源を切り忘れたのだ。そんなことは露知らず、俺はベッドに横になって眠りについてしまった。
…思えば、これが全ての始まりだったのかもしれない。
深夜、パソコンが異様な音を立て、辺り一帯を眩い光で包み込んだ。
ベッドの上に、俺の姿はなかった。
あとがきはフリーダムに。