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キルケゴールの呪いは一生かけても解けません  作者: ノンノア
序章 この世界で全てを終えて
6/19

前日譚: 箇条の過去

前日譚です。(ノ≧ڡ≦)☆

 

 昨日の夜、同室の澪奈が寝た後、私は、先生特製の『血辻紅取り扱い説明書』を読んでいた。


 放課後、自分の部屋で、その説明書を読んでいると安東澪奈が、『高崎時雨』は、澪奈の幼馴染みの高崎雫さんの父親だということが分かった

 雫を自分達の部屋に呼び、死んだと報道された父親の生存を知らせると、驚きはしたが、父親に会いたいという言葉が強く発られた。


「それじゃあ血辻さんに事情を話して、病院に…」


「ちょっと待って。それじゃあ私達が、血辻の行動を知っていることをどう説明すんの?」


「確かに、不自然に思われるかも」


「あ、そっか」


 血辻にお願いしようと行動しかけた亜里沙だが、澪奈と雫に止められた。

 でも、確かにそうだ、血辻の行動パターンなんて誰も気にしない事を知っているなんて彼にとって理解出来ないことだろう。

 三人で、長い時間考えた結果……


「尾行しよう」


 その一言を発したのは雫だった。


「それ、大丈夫なん?言い換えれば、ストーカーとあんまり変わんないけど」


(そのセリフ先生にも聞かせたいなぁー)


「でも、他に思いつかないし、バレなきゃ大丈夫よ」


「まぁ、この説明書も、先生が血辻さんを付け回して出来たものらしいからね」


 一瞬にして、空気が呆れたような感じになってはいたが、実際、それしか方法がないのも事実。


「ちょっと強引だけど…ま、しょうがないか。」


 やむ得なく亜里沙と澪奈は、承諾してしまった。


「血辻さんは、ホームルームが終わったらすぐ、教室から出てしまうから、明日は、なるべく用事を作らず、急いで支度して跡をつけましょ」


 その後、雫は、自分の部屋に戻り私達は、就寝の準備をし、澪奈は、すぐ眠りに着いた。

 私はというと、前文にある通り説明書の続きを読んでいた。

 1ページ半を越えるスケジュールに所々細詳を書かれているものを読むのは、少し気が引けたが明日、自分達も似たようなことをするのであまり、強く言えなかった。

 そして、ページを進めていくと『過去2年前』と書かれた見出しを見つけ、そのページを開く


『過去2年前』


・父:血辻明輝(ちつじはるき)、警視庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課(組織犯罪対策第五課)所属

 2026年に流行した危険薬物『ショート』を主に取り締まる刑事。2027年6月21日密輸者逮捕後、交通事故にて死亡。


・妹:血辻結衣(ちつじゆい)、双子の妹。父親の死亡から一週間後、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


・妹が死亡してその翌日、警視庁十一階にある警視庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課(組織犯罪対策第五課)の会議室で乱闘事件発生。八名負傷、九名死亡。


・警視庁乱闘事件にて高崎時雨刑事(たかさきしぐれけいじ)が血辻紅をかばう


・負傷者の中に含まれている高崎刑事は乱闘事件にて意識不明のこん睡状態に陥る。(報道では死亡と発表)


 

 箇条書きの過去、

 このページには、あまり多くは記載されていなかったが、彼の過去はとても重く、苦しいものだと理解するには十分すぎる内容だ。

 これだけでは、二年前、何があったか分からない。警視庁乱闘事件も新聞やニュースを見た限り、ここまでの事は書いていない。むしろ、簡潔に事を済ませようとしているみたいだった。この事件の真相を知っているのは血辻紅しかいない以上、雫さんのためにも聞く必要がある。

 だが、この箇条書きの過去を見る限り、推測だが分かったことがある。


「あの時、私を助けたのは…結衣ちゃんを助けようとしたからなのかな…。」


 もし、私が溺れていた状況が結衣ちゃんと同じで、あの時と二年前のあの光景が重なってしまえば、間違えてしまって助けてしまってもも無理はない。

 それほど、家族の死は重く絶望的なものだと、彼女は知っているからだ。

 彼の辛さを少しでも知ることがてきた途端、夜遅いからか眠気が襲って来て、最後のページを開こうとした時、亜里沙は涙を少し流しながら目を瞑ってしまった。


 そして、その最後のページには、最近の新聞記事が貼られいた。

 『多種多勢キメラ対応見極め』という見出しで、この世に存在するはずのない生物の記事が貼られていた。




 警視庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課(組織犯罪対策第五課)は、本来刑事課ではありませんが、長い時を経て合併したことになっています。

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