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キルケゴールの呪いは一生かけても解けません  作者: ノンノア
序章 この世界で全てを終えて
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3. 尾行

今回は少し長いです。

すんませんm(*_ _)m



放課後……




「みんな、行くよ」


今、私は血辻さんを尾行しています。


 昨日の夜、あの後、私と澪奈(みいな)は、同じクラスで、澪奈の幼馴染みの高崎雫ちゃんにお父さんの事を話した。

 その時は、もちろん酷く動揺していたが、もしかしたらお父さんに会えるのでは?という希望を持ち、血辻さんをつける事にしました。

 普通に事情を(はなし)て病院まで案内してもらえば良いのにとも思ったけど、血辻さんは普段人と話さないのに自分の行動を私たちが知っているのは不自然だと澪奈に言われたので仕方なく、尾行する事になりました。

 ちなみに、雫ちゃんのお父さんは昏睡状態だということは話しています。もしかしたら雫ちゃんが傷つく結果になるかもしれないが、心が折れないよう覚悟をして貰おうと思ったからです。


「すごっ時間ピッタシじゃん」

 現在時間16時25分

 学校から少し離れた大学病院に到着し、病院の中に入っていく。私たちは少し距離を置きついて来たが病院内でナースなんに捕まってしまった。


「あなた達見ない顔ね。面会かしら」


「は、はい私たち高崎時雨さんに会いたいんですけど……」


「高崎時雨さん?ああ、あの患者さんね。」


 お父さんが居た。この事実だけで嬉しく目を輝かせるが…


「ごめんなさいね。あの患者さん、今、面会できないのよ」


「どうしてですか。お願いします会わせ下さい。」


「そう言われても……」


「どうしたのかね?」


「あ、医院長。実は……」 


 必死に面会をお願いしているのが周りに伝わり、どうやら近くに居た医院長に伝わったそうだ。そして、今、ナースさんが事情を話していると

「すまないが君達。高崎さんとどういった関係なのかね?」


「その人は、私の父です。」


「……すまないが、君の名前を聞いていいかね?」


「高崎雫と言います。」


 医院長は、雫ちゃんの名前を聞いてすぐ手持ちのモニターを覗き。何やら操作をしているようだか、数分も経たないうちに


「確かに、高崎さんの娘さんだ。お父さんの面会希望でしたね。かしこまりました。では、ご案内致しましょう。君達も、いいのかね?」


「はい。私たちは付き添いですので」


「そうか、高崎さんの事でいろいろ話しておかないことがある。申し訳ないが歩きながら話してもいいだろうか?」


「はい、構いません」


 そのまま、私たちは医院長に父の病室に案内して貰いながら話しかけて来た。


「まず、お父さんの事、家族に報告せず、内密に入院させていた事を謝罪します。本当に申し訳ございません。」


「い、いえ。こちらも治療して頂き、会わせていただけるのであれば大丈夫ですので……」


「ですが、近いうちに御家族へ謝罪しに参りますゆえ何卒…  雫さんのお父さんは今、脳に大きなダメージを受け昏睡状態に陥っております。当病院でも、死力を尽くしましたが、現代の医学では、治療不可能とされており、今は尽くせる手がありません。誠に申し訳ない。」


「………お父さんはなぜ死んだ事になっていたのでしょうか?」


「すみませんが、その事に関しては我々も把握出来てはおりません。2年前、警視庁での事件のニュースには私も驚きをました。ですので、その事に関しては直接警察へ事情を聞かれた方がいいと思います。」


「そうですか……」


 治療不可能、これだけで十分心が折れてもしょうがない、今、知りたい事も話してくれた。実際この空気はとても重いし暗い。ここで引き返すのもありだ。その選択を医院長はしてくれたが、やはり、雫はお父さんに会う事を再度決断した。


「あの、ひとつ聞きたいんですけど…」


 亜里沙もどうやら聞きたい事があるようなので医院長を尋ねる。

「なんだね?」


「雫ちゃんのお父さんにはいつもこの時間、血辻さんが来ていると思うんですけど、理由って知っていますか?」


「さあ、詳しいことは知らないが、恩人だからと確か、彼が言っていたような気がするの。もしかしたら2年前の警視庁の事件がキッカケかもしれない。何せ、2年前から毎日来ているからね」


「そう、ですか…」

 

 しばらく、沈黙は続いたが、数分もすれば雫ちゃんのお父さんの病室に着いた。

「どうぞ、ここが病室です」

 そして、中から血辻の話し声がドア越しにも聞こえたため、しばらく血辻が出るのを待った。



「悪いな、あんたの約束破ってしまって……」






キャラ紹介

高崎雫

澪奈の幼なじみで、クラス委員長。

真面目な雰囲気を漂わせつつ、長年父親に会っていないため喪失感が続く一年を過ごしてきたが、澪奈のお陰でそれも和らげることができた。

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