表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キルケゴールの呪いは一生かけても解けません  作者: ノンノア
序章 この世界で全てを終えて
3/19

2. 取り扱い説明書




先生に頼まれて今日1日、隣の席の血辻(ちつじ)(あか)を観察していた。


理由は単純に話す内容が全くないため、キッカケがあればと思ったからだ。


だが、彼の行動は休み時間、授業中にも関わらずずっと本を読んで、1日が終わる。昼休みには机から離れて何処かへ移動していたが、その時以外ずっと机に座り着いていた。


授業担当の先生はこの光景にもう慣れているせいか、血辻君に気にしていないように授業を進める。たまに、当てられるこ事はあってもすぐ答えて終わる。


そして、放課後、

いざ話そうと思っても、彼はすぐ教室を出て行き今日は話す機会さえ得る事が出来なかった。


「どうだった?お隣はさんは」


帰り際に、先生に会い今日の事を聞いてきた。


「今日一日、ずっと血辻さんを見ていましたが、話しずらい雰囲気もそうでしたけど、何を話せばいいか、わからなくて……」


「なるほどねー。確かに、血辻君は、ずっと本読んでいるから話しずらいよね。そういう困った君に、これをあげよう!!」


「なんですか?これ?」


「『血辻紅(ちつじあか)取り扱い説明書』だよ!!

彼の学校や放課後の行動パターンや、過去の事をなんかも

調べ尽くしてまとめた物だよ」


「これ……一人でこれを?」


「そうだよ!」


亜里沙は、説明書を受け取り、軽くページを開いて見ると、1日の内容がずっしりと記録されていた事に驚きを隠せなかった。


「これ見るからにいろいろと、大丈夫なんですか」


「理事長公認だから問題無し」


「はぁ、」


「とりあえず、頑張ってね」



その後、亜里沙は、学生寮に自分の部屋に戻り、早速説明書のページを開く


8時15分学校到着

~12時30分まで読書

(『(ゆい)の日記』という題名の本を繰り返し読み、読み終わると必ず涙を流す)

~13時30分まで屋上で昼食

~15時35分まで再び読書

放課後

16時25分病院到着

(『高崎時雨』の患者の病室に入り毎日この時間に見舞いに行く。患者は未だ昏睡状態)

16時45分病院を出る

17時35分『血辻家』の墓石へ

18時00分帰宅

18時45分外出(目的地不明。尾行に気づかれ巻かれる)




ヤバイ

これを見て思った事がそれだった

血辻のスケジュールのようなものを見ただけで、担任教師のしていた事を見ていると少し引いてしまった。

しかも、詳細を細かく書いていた分余計この書が怖く見えた。



「亜里沙ちゃん何見てるの?」


この書を見ていると、同室である安東澪奈(みいな)

に話しかけられた。


「実は、先生に血辻さんの事頼まれてしまって……」


「ああ、あの毛先が赤くて、髪の長い無口イケメンねだけどなんで?」


「昨日私、遅れて来たでしょ。学校行く途中猫が川に溺れていたから助けようとしたんだけど、私が溺れてしまって…」


「何それ!?大丈夫だったの?」


「うん。その時助けてくれたのが血辻さんなの」


「へぇーロマンだね。でも、彼、難しいんだよねー。

顔はそこそこイケメンだから、意外とモテるんだけど、告 る前に先生以外に話の返答した事ないから、趣味とかそういうの分かりずら過ぎて諦めた子多いんだよね」


「へぇー意外とモテるんだ。」

(ちょっと意外…)


「ねぇ私にもそれ見せてよ。ちょっと面白そう」


 そう言い、澪奈は亜里沙が見ていた説明書を覗くように見てきてある事に気付く。


「ねぇ、この『高崎時雨』て人、(しずく)のお父さんさんじゃん。でも、なんで?彼は死亡したってニュースでやっていたけど、」


「え?」






キャラ紹介


夜桜愛華(先生)

この学園の理事長の娘。教師として、母である理事長を支える。生徒思いの先生。

たまに危ない事をしでかしたりする……


安東澪奈 

園条亜里沙と同じ部屋で亜里沙の友達。転入後すぐに亜里沙と打ち解けたようなので、亜里沙は、寮生活初日は安心できた。

砕けた口調が特徴



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ