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世界の果てに存在するというある無人島
そこで巨大な1匹の龍が命を落とした
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遥昔、大国を一吹きで滅ぼしたとされる古龍
その古龍は長い生の中、強大すぎる自分の力を試せる相手を探していた。
嗚呼、いつになったら我が全力で戦える者と出会うことが出来るのだろうか。
そんな時、滅ぼした王国の人間どもがある話をしていたのを思い出した。
曰く.世界の果てに最果ての島、悪魔の孤島と呼ばれる島がある。
曰く.その島はこの世の者とはとても思えない程強力で凶悪な化け物たちが住み着いている。
古龍は良き力試しになるのではと嬉々としてその島へと向かった
だと言うのに
なんだこれは、なんなのだ
こんなことはありえない、おかしい。
最果ての島に着いた時、強者の気配を感じ早速力を試そうとその気配を探した。
周囲を探索し見つけた。
その相手はとても小さな、我から見れば羽虫ほどの大きさしかない猫であった。
真っ黒な猫
最初は勘違いかと思い周辺を見渡すのだがその猫以外にそんな気配は感じられなかった。
どういうことだ?
そう思った時大地が揺れる
何事だ?思考を巡らせる。
だがふと気づいた時、右腕におかしな感覚がある。
肩から先の感覚がないのだ、右腕が無くなったかのような感覚。
だがその感覚は気の所為ではなかったようだ。
本当に無いのだ我の右腕が。肩から先が最初からなかったかのように消えているのだ。鋭い何かで切り取られている
そして我の右腕を切り裂いた張本人であろう黒猫は毛繕いをしながら、我の首に乗っている。
何時からそこにいたのか、どうやってそんな小さな体で我の腕を切り落とせたのか
古龍はとても困惑した。
だが強敵だとわかった以上全力で相手の命を狩りに行く
古龍は臨戦体制をとった。
しかし黒猫はいつまでたっても戦う気配が見られない。まるでこちらを敵とすら思っていない、いや寧ろゴミを見るような目でこちらを見てくる。
古龍は激怒した。今まで我を恐れないものなど1人としていなかった、皆が我を恐れ、皆が我を崇める。我こそがこの世界での絶対強者なのだ。
遥昔大国を滅ぼしたと言われるブレス
それを黒猫に対して解き放つ。
とてつもない業火が黒猫を襲う
やはり我に勝るものなどいないのだ。
そう勝利を確信した時、先程と同じような感覚が腹部にあった。
まさか…
そのまさかだった、さき程と同様に無かったのだ。腹部に大きな穴が空いている。
なんだこいつは。
あのブレスをくらって、なぜ生きている?
いつ我を攻撃したのだ。
意味がわからない。おかしい
あまりに実力が離れている強者に困惑している古龍を
飽きた。というような視線で見つめる黒猫は、その首を切り落としたのであった
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最果ての島
この世のものとは思えない化け物たちの住む島。そんな島に似合わない大きな屋敷があった。
「お、獲物をしとめてきたのかミー。サンキューな!
皆、旦那が帰ってくるってんで張り切ってる見てぇでよぉ、おめぇもその口だな?」
眩しい笑顔でそう黒猫に話しかけた人物、最果ての島に似つかないこの屋敷に住んでいる者だ。
屋敷に住んでいるのは皆がとてつもない強者達
そんな強者達が慕う主が今日久しぶりに屋敷に訪れる為いつも以上に屋敷は賑わいでいた