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光の勇者・剣聖と呼ばれる父ルタン・ルミエール
癒しの女神・聖女と呼ばれる母リュイール・ルミエール
幾度となく人類を救ってきた2人はやがて恋に落ち結ばれる。その二人の間に生まれたのが俺シン・ルミエールだ。
ルミエール家は子爵家ではあるが、元々ルミエールという姓の子爵はいなかった。
では何故今それが存在するのか…
それは平民であった2人のあまりにも偉大な業績によって国王から爵位が与えられたのである。
当然そんな2人から生まれた俺は魔法も剣の才能も神童、いや幼き傑物と呼ばれるほどであった。
そんな周りからの評価に自分自身に自惚れた俺は
俺は天才なんだ、なんでもできる。そう錯覚した
だがそんな自惚れによりある事件が起こる
何度も何度もあの事件を思い出し後悔する
だがあの事件があったからこそ俺は目覚める事、気づくことが出来たのだと思うと皮肉なものだ。
なあ…レイラ
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エクスレス学園に到着し自分の教室へと向かう途中、平民と思われる学生が頬を紅く染め話をする。
「シン様をこんなに近くで見れるなんて光栄だわ」
それを聞いた友人が小声で返す
「聞いた話によるとシン様は私達のような平民に対しても蔑むことなく平等に接してくれるそうよ」
貴族でありながら貴族・平民を差別化することなく皆に平等に接するシンに対して学園の生徒全員が好意的に見ている…ということは無い。
決して少なくない数の人間がシンを敵視している
その者達の中には表立って攻撃してくるものはほとんど居ない
だが…
「ちっ…子爵家風情が平民にチヤホヤされたからっていい気になるなよ」
その男は取り巻きたちを引連れて教室へ入っていく
彼はキーン王国公爵家の1つ
ヴィス公爵家の長男であるブーゼ・ヴィスである。
艶やかな金色の髪にとても整った顔立ちをしていて公爵家の出身である彼がなぜかあまり学園で好かれてはいない。まあそれもそのはずだろう。
その美点を持ってしてもマイナスにしか見えないくらい、彼は性根が腐っている
学園に通う平民の女生徒に公爵家の圧力で無理やり夜伽にさせた、婚約者出会った女性を自分の取り巻きのものたちに嬲らせ全治2ヶ月の怪我を負わせた。
など、いくら上げてもキリがないほど悪事を起こしている。
優秀な部下たちの力を持ってしても最近起きている事件について未だ足取りは掴めていない。だが俺は犯人に心当たりがあるのだ。
とても臭うのだ
本人は香水で隠しているつもりなのだろうが、香水では隠しきれない血腥いにおいが