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お似合いの夫婦

作者: セロリア

幼なじみのナタリー、バルグ。


二人はいつでも仲良し。


それでも距離が近い、近過ぎる二人は、お互いにドキドキしながらも、なかなか踏み出せないでいた。


中学生。


お互いに惹かれあっていた二人だが、それぞれ第三者に告白され、まず、ナタリーがOKし、それを噂で聞いたバルグは、ショックを受けたが、バルグは好きでもない君とは付き合えないと断った。


1年後。



ナタリーは別れて、別の男子と付き合っていた。


バルグも、モテてはいたが、次々断っていた。


ナタリーとは、良く話すし、笑いあったり、冗談が飛び交うが、バルグの中で、ナタリーの位置が明らかに変化していた。


好きでもないのに、付き合うという心が、バルグには全く理解、想像出来なくて。


だから、ナタリーもそうだと思っていた。


ナタリーは好きだから、付き合っているのだと。


だから、幸せな二人を壊さないように、バルグはますますナタリーから距離をおこうとしていた。


ナタリーは、距離を置かれる事に内心腹を立てていた。


ナタリーはますますベタベタとバルグに触るようになった。


ますますバルグは離れた。


クリスマスイブ。


ナタリーは彼氏とデートの帰り、バルグの家に来た。


バルグ「何か用?」


ナタリー「何あんた?彼女いないの?私が一晩彼女なってあげようか?」


バルグ「・・」


ナタリー「?何よ?何とか言いなさいよ?」


バルグ「彼氏、好きじゃないの?別れたの?」


ナタリー「・・いや、別に、好きだし」


バルグ「じゃ何でそういう事言うの?彼氏が可哀想だ」


ナタリー「は?あんたに関係ないし?」


バルグ「・・簡単に裏切る人だったんだね、そんな人だって思わなかった、もう、家に来ないで」


ナタリー「はあ?あんた何言ってんの?私すっごいモテるんだよ?そんな私に向かって!ムカつく!」


バルグ「好きに生きれば?モテモテの人生を生きろよ?裏切って裏切って裏切って生きて行けば?じゃね」


勢い良く閉まった。



呆然と立ち尽くすナタリー。



バルグのお姉さんが聞いていた。


バルグが二階に行こうとした。


お姉さん「あんた格好良いよ」


バルグは立ち止まり、振り返った。


バルグ「俺、変わってるかな?」


お姉さん「・・今の世の中では、絶滅危惧種かもね」


バルグ「・・皆、簡単に付き合って、別れて、また付き合って、・・そんな簡単に・・人を好きになるって、そんなに簡単な事なの?」


涙声。


バルグの両手を握る。


お姉さん「・・あんたは、あんたでしょ?、貫くのよ、絶対曲げたら駄目!良い?絶対あんたにお似合いな人が現れるから!」


バルグ「・・絶対?」


お姉さん「・・周りが皆恋愛ごっこしてる間に、あんたは勉強より、資格を沢山取りなさい!実践向きな資格!沢山取りなさい!人生は、勉強より、資格が役に立つわ、良い?解った?」


バルグ「解った」


お姉さん「うん!ほら、部屋に行きなさい」


バルグ「うん」








バルグのその後。


大学は進まないと決断。


裕福ではなかったからだ。


個人ハウス農家へ就職。


奴隷のようにコキ使われ、精神を病み退職。


次は生コン業者へ就職。


ヤクザみたいな人らに鍛えられ、筋肉かついた。


15トン免許を取得。


大型特殊免許取得。


貯めたお金で株をやりながら、YouTuber。


どんどん稼いだ。


税金で会社に副業がバレ、退職。



次に選んだのは、自営業という道。


これからは農業の時代だと感じたバルグ。


築250年の古民家を1200万で購入。


大量の土地も付いてきた。


農機具レンタルをやりながら、田んぼ、畑で農業したい人を募集。


古民家を会社の事務所とし、自宅はボロアパート。


補助スーツを10着用意してます。


ハロワで募集をかけた。


若くて、体力がありそうな男性を選び、採用。


月に30万信用ポイント給付。


沢山部屋がある古民家を寮としても良いし、近くのボロアパートに住んで貰って構わない。


家賃、保険は全て会社持ち。


沢山働いてくれた。


こんな会社は他にないと喜んでくれた。


それが、嬉しいバルグ。


レンタルの取り扱い幅を広げて行った。


全てマイクロチップのシールが貼ってあるから、今何処にレンタルされている商品があるかスマホだけで確認が取れる。


そうして、バルグの会社は株式の底辺市場へ上場。


自社株を社員達で60%買っていた。


創立から3年。


軌道に乗ってきた。


新たに大型トラック運搬事業も開始。


電気と水で動くトラック。


株主だったから、安く購入出来た。


このトラックを使って、農家を周りながら、農産品を買い取りして回る。


トラックの中は冷たい水があり、網バッグが丁寧にクレーンで上からトラックに入れられていく。


取引は全て重さと品種。


そして星のランク。


その場で支払われるが、後々腐れ、傷が多いと、星ランクが落とされ、星がゼロになれば、取引停止。


iPadを無償提供し、大量の作物別の育て方マニュアルデータが入っている。


それでも星ゼロになれば、取引停止になるのは、致し方ない事だ。



運搬事業が軌道に乗ると、次は、堆肥事業。


広大な土地で、工場を造り、沈殿方法により、液肥の中の菌を育てる。


液肥を完全に吸い上げた後、屋根解放、太陽光を浴びせモーター回転、大工、解体業者から出た大量おが屑を釘、鉄屑分離したのを投げ込む。


乾燥していく堆肥。


PHが範囲内に入り、オリジナル菌を投入。


25日間回す。


乾燥堆肥をダンプ販売。


依頼が殺到。


ダンプが大忙し。


バルグ30歳。


会社年収9億円ポイント。


バルグ会社社長給料、年収600万ポイント。


幹部達と同じ年収だ。


仕事量を考えれば、貰いすぎだというバルグに社員一同感動し、ますます頑張る社員達。


バルグの私生活は次の事業提案資料作成により余裕は無い。


何度も弁護士、特許庁、区画整理関係市役所、衛生管理機関、農家との細かい打ち合わせ、新しい補助スーツ技術のデータ解析の受け渡し、社員達の寮という名前の一戸建てリフォーム補助の為の家の下見を市役所、設計士さんら、銀行との現場打ち合わせ。


毎日、毎日、ヘトヘト。


社長という職業は、従業員達の奴隷だ。


毎日泥のように倒れ、寝た。


ベッドで寝る方が珍しい生活だった。







バルグ35歳。



会社年収ポイント300億。


バルグ年収ポイント800万。


会社は一部上場。


上場記念パーティーに、あらゆるお嬢様が出席。


バルグに挨拶、連絡先交換をして帰った。


あまり乗り気ではないバルグ。



バルグは犬を飼っている。


犬を連れて入れるカフェが近所にある。


バルグはまだボロアパートに住んでいた。


アパートにはバルグとあと一人の老人しか住んでいない。


単純に籍を置いているだけのボロアパートなので、滅多に帰る事は無いのだが、アパート近くで捨て犬を雪の中拾ったあの日。


大家さんに相談した。


大家さん「・・良いよ、どうせあたしが死んだら取り壊すんだし、大事にしてやんな」


大家さんに感謝し、暫くは飼っていたが、忙しくなり過ぎた。


端に住んでる老人の男性に預けているのだ。


月に20万ポイント払う約束で。


老人「そんなに貰えない、俺も犬は好きだし、そんなに貰えないよ」


バルグ「良いんです、私も、いつ暇になるか解らないんです、ある日急に引っ越す事になるでしょう、その時までですから、だから、あなたには貯金して欲しいんです、お願いします」


老人「・・解った、恩にきるよ、犬は任せときな、以前飼っていたから、世話は慣れたもんだ」


バルグ「ありがとうございます!良かったなダレン?」


ダレン「キャンキャン」


老人「子犬は可愛いもんだはははは」


そんな犬を連れてカフェに行く、そして知らない人と世間話をする、それが少ないバルグの休日の過ごし方。


そのカフェで、ある女性と仲良くなっていたのだ。


名前は、サターシャ。


サターシャの白い雌犬にダレンは一目惚れ。


二匹は直ぐに仲良くなった。


それにつられ、お互いを意識したサターシャとバルグ。


しかし、バルグは忙しい身。


だから、バルグがカフェに行ける日の二週間前には、必ずサターシャに行けると伝えてある。


必ずサターシャは来てくれた。


クリスマスイブまで一ヶ月。


サターシャからカフェで会えないか?とメール。


予定は空いていなかったのだが、偶然空いた。


行けるとメール。


嬉しいと返信が来た。


詳しい時間を指定。


楽しみが止まらないバルグ。


気づけば鼻歌。


気づく社員達。


そっとしておこうという掟が作られ、社員達におふれが出回る。


本人は全く気づかない。




クリスマスイブ1日前。


バルグの母親から連絡があった。


昔、幼なじみだったナタリーが家に来て、連絡先を教えてしまったというのだ。


バルグのお姉さんは母親を酷く怒ったらしい。


何故今頃?


バルグは嫌な気分と、懐かしい気分とで複雑だった。


久しぶりにアパートに帰宅。


幸せのお裾分けで、夕食をアパート老人と共に食べていた。


バルグの電話が鳴った。


知らない番号。


直感した、ナタリーだと。


バルグはアパートを出て、雪の中、電話に出ながら歩く。


バルグ「もしもし」


ナタリー「・・ハロー」


バルグ「やあ、久しぶり、どうしたの?」


ナタリー「怒った?」


バルグ「・・いいから、用件は?」


ナタリー「そんなよそよそしくしないで、悲しいわ」


バルグ「・・ああ、ごめん」


ナタリー「久しぶり」


バルグ「うん」


ナタリー「会って話せない?」


バルグ「・・電話じゃ駄目?」


ナタリー「会いたいの」


バルグ「・・いや、それは、俺、明日デートなんだ」


ナタリー「・・」


バルグ「ナタリー?もしもし?」


ナタリー「彼女?出来たんだ?」


バルグ「まだ、彼女じゃない」


ナタリー「だったら!別に良いじゃん!やった!」


バルグ「・・ナタリー」


ナタリー「明日、朝10時に駅で待ってる、じゃね」


バルグ「あ!ちょ!?」


切れた。



その後、直ぐにかけ直したが、ナタリーは電源を切ったようだ。


お姉さんから電話。


バルグ「はい」


お姉さん「・・どう?かかって来た?」


バルグ「たった今」


お姉さん「断った?」


バルグ「・・いや、はっきり断る前に切られた」


お姉さん「・・かけ直した?」


バルグ「うん、でも電話に出ない、つーか、電源切られた」


お姉さん「・・はあ、良い?行ったら駄目だからね」


バルグ「でも、何か、助けが必要だったら」


お姉さん「そうだとしても」


バルグ「・・」


お姉さん「良い?解った?」


バルグ「うん」


お姉さん「本当に?」


バルグ「・・うん」


お姉さん「よし、んじゃね、あんたサターシャさんと明日約束してんでしょ?頑張んなさい!コンドームは使うくらいだったらすんな?きちんとお互いに検査しなくちゃ!良い?解った?」


バルグ「うん、解った」


お姉さん「よし!頑張んなさい!じゃね!」


切れた。


ため息を付きながら自分の部屋に戻る。


老人とダレンが遊んでいた。


老人「どうした?何かあったのか?」


ダレン「わふ、クーーン?」


ダレンはすっかり大型犬。



バルグ「実は・・」


かくかくしかじか。


老人「そうだなあ・・お前さんはどうしたいんだ?」


バルグ「・・助けられるなら、助けたいです」


老人「サターシャさんが、傷つくぞ?」


バルグ「ただ、古い知人に会うだけです」


老人「バルグ、嘘は駄目だ」


バルグ「・・自殺でもされたら、俺のせいです!だから行きます」


老人「・・・・」


老人は酒グラスを回す。


バルグ「・・すいません、これでお開きですね」


老人「まあまあ、待ちなさい、短気は損気だ、少し昔話をしよう」


バルグ「いえ、聞きたくありません」


老人「・・バルグ、君は社長だ、人の意見を聞く大切さを、君は良く解っている筈だ」


バルグ「・・」


老人「私は浮気された、妻にね」


バルグ「・・」


老人「昔はこれでも有名な証券マンでな、どこからでも声がかかってたよ」


バルグ「・・」


老人「調子に乗っていたんだなあ、女性達の食事、パーティーに商談も兼ねて行っていたんだ、勿論、体の関係なんか全くないよ?」


バルグ「・・」


老人「私は元妻一筋だったからね、それは元妻が再婚し、何処かで暮らしている今も変わらない」


バルグ「・・」


老人「だが、ある日、重要な商談で、家に招かれた、豪華な食事、ロマンチックな明かり、ビアノを俺は披露し、場の盛り上がりは最高潮」


バルグ「・・」


老人「皆が帰って、商談も終わり、旦那さんが酔いつぶれたから、ベッドに運んで、さあ、帰ろうとした時だ」


バルグ「・・」


老人「奥さんが誘って来た」


バルグ「・・」


老人「俺は丁寧に断り、直ぐに帰った」


バルグ「・・」


老人「しかし、翌日会社に出勤したら、上司から呼び出されてね、クビだと言われた」


バルグ「・・」


老人「奥さんが断られた事の腹いせにでっち上げたんだ」


バルグ「・・」


老人「旦那さんは激怒し、奥さんは泣いている、そんな状況で俺の言い分なんか誰も聞かないさ」


バルグ「・・」


老人「・・夕食を食べに行っただけだったんだ」


バルグ「・・はい」


老人「それだけだった」


泣いている。


バルグ「信じます」


バルグは老人の両手を握る。


老人「人生の先輩からの忠告だ、恥ずかしいのを我慢して、忠告したんだ、無駄にしてくれるな?ふふ」


バルグ「・・」


老人「行くな、バルグ、行ったら駄目だ、愛する人の元へ真っ直ぐ、寄り道せず、向かえ」


バルグ「・・ぐ・・はい、・・はい、解りました、そうします、忠告、感謝します」


老人「うん、うん!うんうん!ありがとう、ありがとう、ありがとう」


あらゆる、お嬢様らの申し出はとっくに断っていた。


仕事に影響は多少出たが、逆にそういう打算が無い人物だという評判が立ち、結果、業界の評価は上がった。


翌日。


朝9時から開店するカフェの前に8時に到着したバルグ。


開店をソワソワ待っていると、なんとサターシャが来た。


お互いにモジモジ。


サターシャ「あ、あの!少し、歩きません?」


バルグ「え、あ、はい!そうしましょう!」


ダレンとサターシャの犬、ミランは仲良く歩いている。


サターシャ「あ、あの、雪で滑るから、手を繋いで良いですか?」


バルグ「あ、はい」


サターシャ「私、朝ごはんに、サンドイッチ作って来たんです、散歩に、その、食べようって、良かったら、食べます?」


バルグ「うわ、良いんですか?やった、嬉しいです!是非いただきたいです!」


サターシャ「ふふ、良かった!じゃ、あそこの公園行きましょう」




楽しい。


本当に楽しい。


まさかカフェ以外の場所で話す事になるとは。


そして、あっという間に夕方。


信じられないと二人して笑った。


犬達は重なって寝ている。


サターシャと、バルグはベンチから立つとキスをした。


それから、二人は何処かへ歩いて行った。





翌日。


ナタリー自殺という小さな記事が出た。


電車に飛び込んだそうだ。


お姉さん、老人、サターシャから慰められ、特にその事件を聞いたサターシャは、より積極的になり、何もお願いしてないのに、性病検査結果書類を持って来た。


ナタリーのお陰で話がトントン拍子に進んだと言える展開へ。


ナタリー自殺から三ヶ月後。


バルグ、サターシャ、結婚。


結婚パーティーで、始めてバルグの正体に気づくサターシャ。


各界の有名人が出席している巨大な会場に圧倒されるサターシャ。


しかし、バルグが常に側に居た為、落ち着けた。


半年後。


サターシャが雰囲気に慣れて来た頃。


いつも忙しいバルグ。


家に帰って来ないバルグ。


サターシャに言い寄る図書館、スポーツクラブのイケメン達。


寂しいと感じるサターシャに激しいアタックをするイケメンが二人、サターシャを取り合う。


サターシャは結婚してるからと突き放す。


それでも、食い下がる男二人。


ある日、スポーツクラブの角で、とうとう我慢出来ないとキスをされそうになる。


サターシャもまんざらでも無い様子だった為、周りの人々も止めて良いのか判断がつかない。


サターシャは首を捻り、頬っぺにキスをされ、二人は離れた。


駐車場。


サターシャを待ち伏せしていた、もう一人の男。


車ドンし、迫る。


その時、サターシャは言ってしまう。


サターシャ「あの人を愛してるの」


男「それでも良い、それでも君が好きだ、君が欲しい、一回、一回だけだから、ね?」


サターシャ「・・」


男「さあ、車に乗って、ホテル行こう?さ、早く、ほらほら」


サターシャ「・・ごめんなさい、私、もう、クラブ辞める、さよなら」


男「・・どうして?俺、魅力ない?」


サターシャ「違うの、そうじゃない」


男「んじゃ何?いつも寂しいって顔して!僕たちみたいな男に惚れさせて、楽しんでるの?」


サターシャ「そんな、・・何て事・・もう良い、離れて、離れてよ!!早く!誰かあ!誰かあ!助けてえ!もがもご!?」


男「うるさい!静かにしろ!糞ビッチ!!はあはあ」


車が開いた。


男、サターシャ『!?』


外には屈強な男達がぶちギレ。


あっという間に男は車から引きずり出され、ボコボコに殴られ、取り押さえられた。


警察沙汰。


サターシャを迎えに来たバルグは抱き締めた。


サターシャ「あなた、ごめんなさい、浮気じゃないの、ただ、ただ、あたしー・・」


バルグ「大丈夫、浮気かどうかなんて問題じゃないよ、俺を愛してる?」


サターシャ「勿論!!私の全てで、あなたを愛してます!」


バルグ「うん、俺も、君が大好きだ、そして、愛してる、もっとママ友が沢山居る所に引っ越す?」


サターシャ「ううん、そういうんじゃなくて、その・・」


バルグ「?ん?何?」


サターシャ「はしたないって思わないで?私、子供が欲しいの」


バルグ「・・解った」


サターシャ「本当に?だってあなた忙しいって」


バルグ「俺は引退するよ、会長になって、現場からは、引退」


サターシャ「良いの?だって、仕事があなたの生き甲斐で」


バルグ「良いよ別に、これからは、家族が生き甲斐だ」


サターシャ「・・」


バルグ「・・」


キス。







長男誕生が誕生したその日。


老人が、お祝いに訪ねてきた。


その家で、待っていたのは、かつて奥さんだった女性。


老人は驚いたが、直ぐに察した。


老婆「再婚しても、結局うまく行かなかったわ、あなたはもう、私を忘れて幸せにやってるって、そう思ってたけど・・バルグさんから全て聞いたの、まだ私を愛してて、私を・・うぐう・・待ってるって」


老人「ああ、神よ!」


老婆「ああ!」


抱き締め会いキスする二人を、見つめながら、抱き合うバルグとサターシャ。


赤ちゃん「あー、あー」



それからもバルグは出来るだけ人助けをしながら、精一杯生きました。




葬式。


牧師「誇り高く、数々の自己犠牲により、築いた信用、愛、財産は、親族だけでなく、この街、国、地球にまで広がり、まだ新たな愛の命として巡るでしょう、本当に、うぐ、こんな人物を私は知りません、あなたが居なければ、食料不足により、大量に人が死んでいたでしょう、感謝しても、感謝しても、感謝しても、まだまだ足りません、本当にありがとう、バルグ、ありがとう、アーメン」



葬式という名前の大統領舞台会場。


参列者数、ネットを含めると、観測不可能。


バルグ・オーウェン。


享年、103歳。


一度も暗殺対象とならなかった富豪として、石像が会社の公園の真ん中に建てられた。


その石像の前にバルグの生い立ちや、恋愛が書かれている。






20年後。


カップル『浮気しない?、するもんか!、さあどうだか?、しないって!、じゃーあバルグ神に誓って?、おうともバルグ神に誓って!」





《END》


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