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戦乱の序曲

「・・・トコヤミの代表者、ソレはどういう意味だ?」

「源」星系の主星、「シンラ」の代表者は黒いモニターに向かって問いかけた。

モニターは黒くても、点灯して居ない訳ではない。

「闇」の星系に属するトコヤミでは、照明を付けない限り一切の光は存在しないのだ。

「・・・そのままの意味さ、シンラの代表者。」

モニター越しに聞こえる声は冷たく・・・そして、どこか悲しげであった。

「僕達「闇」の星系に属する惑星は、他の星系全てとの一切の国交を断絶する。」

「馬鹿を言うな!それがどんな事か分かっているのかっ!」

シンラの代表者たる青年は、叫ぶ。

トコヤミを始めとした闇の星系は、「マター」と呼ばれる特殊なエネルギーが唯一結晶で発見される星系だ。

これまでトコヤミが攻撃されなかったのは、全ての勢力へ等しくマターを供給していたからだ。

抜け駆けしてソレを得ようとすれば他全ての星系を敵に回すことになる。

其処が他の星系との国交を断てば・・・マターを求める星系は、闇の星系へ戦争を仕掛けるだろう。

最初に闇の星系を制圧したものがマターを総取りするという条件で。

「分かってる・・・分かってるよっ・・!」

モニターの向こうの声は・・・泣いていた。

「じゃあ、どうしろって言うの!?僕達は生き延びるためにマターを提供し続けるしかないの!?」

「もう、嫌だよ・・・ちゃんと、「平等な国」として見てもらいたいよ・・・」

「それすらもダメだって言うのなら…いっそ、滅んじゃっても構わない・・・」

「僕らは、苦しいんだよ・・・」

モニター越しの切実な訴えに、青年は答える事ができなかった。

彼が覚えているトコヤミの代表者の姿は、彼とそう年の変わらぬ少女であった。

闇の星系では、総じて人々の寿命が短いのだ。

ソレも、惑星が原因ではない。

マターを収集する為の、過労が原因で・・・

日々を生き延びるためのマター収集が人の寿命を縮めるという矛盾。

ソレを、全ての星系を繋ぐ役割をする源の星系の代表者である彼は知っていた。

知っているからこそ、答える事が出来なかった。

どんな答えも、彼女を傷つけてしまうような気がして・・・

「それじゃぁ、この言葉・・・他の全部の星系に、確かに伝えてね・・・」

ソレを聞いた時、青年は覚悟を決めた。

「いや。」

口から出た言葉は、源の星系の代表者としては珍しい、拒絶。

「・・・え?」

「源の星系は、闇の星系との交流を続け・・・そして、闇の星系以外の星系との交流を断絶する。」

「そんな事したら、君の星系も・・・」

「元々闇の星系の現状に関しては、世論も何とかすべきだって騒いでたんだ。ソレを実現すると気が、今来た。それだけの事さ。」

その言葉は、真実。源の星系における世論は実際、闇の星系の状況改善を求めていた。

そして。ほんの少し織り込まれた秘密。

純粋に、彼は恋していたのだ。

悲しき定めを持つ闇の星系の代表者となった少女に対して。



その30分後、全星系にメッセージは送られ、幾つかの星系は源の星系へと賛同し、解放連合と呼ばれた。

逆に闇の星系へ攻撃を行おうとする星系も同盟を組み、

今、人が宇宙へ出てから初めての星間大戦が始まろうとしていた。

えー。

ノリと勢いと「SFが書きたい」と言う思いだけで始めちゃいました、「八星戦記」。

やたらと間幕、インターミッションの多い小説になると思います。

登場人物一人に関してインターミッション一つ使うこともあるでしょうし。

まぁ、そんなので良いのなら・・

ちまちまと見続けていただけたら、幸いであります。

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