第5話:決着
モヒカン「汚物は消毒だー!」
茉央「お姉ちゃん頑張れ〜♪」
ガハハ男「コソコソ〜」
受付のお姉さんの説明途中で酔っぱらいの冒険者にナンパされたマオちゃん御一行、果たしてヴィスさんは勝てるのか?。
まさか! ヴィスとマオは冒険者に美味しくいただかれるのか? それとも初のポロリが出てしまうのか?
一応褒められてますがどうなんですか? っえ? コレは論外? デスヨネ〜。
「マオちゃん離れていてね、こんな雑魚すぐさま片付けちゃうんだから♪」
ヴィスさんに言われてすぐさま私はカウンターのお姉さんの所に向かいました。
「テメェ〜後悔させてやる」
「御託は良いからかってこい!」
「死ねぇ〜〜〜! スラッシュ!」
「っふ! インビジブルセイバー!」
ヴィスさんのナイフが目にも止まらない軌跡を描き、お互いにすれ違い数秒の静寂の後…。
「っは? なんともねぇじゃ………」
モヒカン男が向きを変え言葉を言いかけたその時、革鎧を含めた装備が真っ二つに切れその場には裸のモヒカン男が立ち尽くし、ヴィスさんがドンっと床を鳴らすとモヒカン男のモヒカンがハラッと散ってしまいました。
「その粗末なモノを斬り落とされたくなければとっととこの場から去るが良い!!」
「っひ⁉︎ ひぃいぃぃぃぃぃ!」
モヒカン男改めハゲはギルドから脱兎の如く逃げ去り、男のいた場所には再利用不可能な装備品だけが残されていました。
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「じゃあマオちゃんお腹空いたし、ごはん食べに宿屋に帰ろっか?」
「いやいやいやお姉ちゃんまだ私、受付のお姉さんの説明途中だし魔物の買い取りも残ってるし、このゴミも片付けなきゃダメだってば!」
「えーーーーー!」
おいおい保護者? これじゃあどっちがお姉ちゃんかわからないよ。
愚図るヴィスさんをなだめてとりあえずこのまま放置して帰るわけにもいかない、産業廃棄物になったハゲの装備を片付け説明の続きを聞くべく受付のお姉さんの元に駆け寄った。
「すみませんお騒がせしました」
「いえいえこちらこそうちの冒険者が失礼いたしましたのちほど対処させていただきます、ところで説明の続きなんですがカードランクの説明と使用方法、ギルドランクの説明をさせていただきますがよろしいですか?」
「はい」
「ギルドでの注意事項や詳しい情報は説明に長めの時間が掛かりますがいかがいたしますか? 時間がない方にはこちらの冊子をお買い求めいただいております、多少ですが魔物の種類や生態と薬草等の採取情報が載っております」
「ではカードランク説明と使用方法、ギルドランクの説明だけであと冊子をください」
「分かりましたではカードランクの説明と使用方法を説明させていただきます、見ていたと思いますがカードの色は処理前の段階で白色、処理後に最低ランクの鼠色、そしてランクが上がるごとに黄・青・赤・黒・銅・銀・金・そして最高ランクの虹色を合わせて9種類になります、あとカードのステータスは魔力を通せば見ることも見せる事も出来ますがカードの発行時は見てしまいますのでご了承ください、1部ステータスを隠蔽する事も出来ますので見せたくない物は隠してください」
「これで私も冒険者なんですね!」
「いえ、正確に言えば冒険者(仮)ですねギルドでの依頼を1つ以上クリアーしていただいて、カードの色が黄色になった時点から新人冒険者となります、一応ギルドカードは身分証も兼ねてますのでそれだけで済ます人もおります、あと冒険者のふるい落としも兼ねておりますので」
「依頼を1つもできない人は冒険者になる資格が無いわけですね」
「ええ、中には向かない方もおりますので、実力が有れば稼ぎやすい職業ですがなにぶん死と隣り合わせな職業ですからね……」
「…分かりました」
「では次にギルドランクですがこれはF・E・D・C・B・A・S・SS・SSSの9種類になります、基本はカードランクと同時昇格で変わります、例えば黄色カードのSランクとか金色カードのEランクとかもありえなくは無いですが、ほとんど意味が無いので昇格時にはお願いしております」
中にはいるのかな変なプライドを持っている人って? そう言えばあのハゲはどの程度なんだろうか?
「あのハ…ッゲフン、冒険者はどのくらいですか?」
「…はい、ヒャッハーさんはCランクの赤色ですが、前々から素行が悪く警告無視及び今回の件でカードランクを黄色に下げる事になりますね」
あいつってヒャッハーって名前なんだ、見た目通りだなぁ親もなんて名前にしたんだよ……ちと同情するわ?
「そうですかご愁傷様です」
「まぁ自業自得です遅かれ早かれいずれ同じ事になったでしょうし、ちなみにカードの色が変わると色んな店で割引き等の特典を受けられます、ギルドでも買い取り額UPとかあるので頑張って上げてくださいね」
「分かりました。ありがとうございます」
「はい。最後になりましたが私はパタヤ支部の受付嬢ミシュルと言います、ちなみに私は元Aランクですよ(笑)」
「……おおぅ⁉︎ 綺麗な顔に似合わず凄腕なんですねぇ〜」
「可愛さならマオちゃんには敵いませんよ」
いやぁ〜綺麗な人に改めて言われると照れるなぁ〜っあ、ヴィスさんがドヤ顔してる…。
「ついでにギルド長にも合わせますね……そこの役立たずコッチに来い!!!」
なんだ⁉︎ いきなりミシュルさんの顔が般若になって怒り出したぞ?っあ! 奥のテーブルからガハハ! のオッサンがこっちに来る。
「ミ、ミシュル〜怒るなよ〜」
「……ところでギルド長はなんでそちらでお酒を飲んでらっしゃるので?…」
「っあ、いや、その…っだな……」
「………」
「………」
「俺の名はマードックってんだよろしくな!」
サムズアップし名乗りあげた男はギルド長だった! なんでミシュルさんに頭が上がらないんだ? いや、なんとなく理由が察せるのはなぜだろう…(笑)
マードック「オラ、ワクワクしてきたぞ」
茉央「・・・・・」