第4話:エンカウント
デーデン♪ここは通さねえぜ〜!
エンカウントって和製英語なんだね。
ついにやってきました人族の村。
門には槍を持った衛兵(第1村人?)さんが1人だけいますが、魔族ってバレないですかね大丈夫なのでしょうか?
「っお⁉︎ 見ない顔だな冒険者か?」
「ああ、この先に用事があってな行く前にココで情報と物資を補給して、明日の朝になってから向かおうとね」
「そうかすまないがカードを見せてくれ………よしいいぞ。 だが気を付けろよ最近魔獣達が騒いでるからな、ところでそっちの子はどうしたんだい?」
「ああ、この子は私の妹だよ少し前に親が死んで一緒に旅をしているんだ……さ、挨拶をしな」
お兄さ〜ん視線があからさまだよ~、チラチラ見てるけどそれじゃあガン見と変わらないから(苦笑)って、あいさつ、あいさつっと。
「こ、こんにちは」
「こんにちは、そっか〜大変だなぁ〜ここは街と違って入るのに金はいらんが、街に寄った時は気を付けろよギルドと宿は村の中ほどだ」
「そうかありがとう。さ、行こう」
「あ、ありがとうございます」
「ようこそ! パタヤの村へ」
ー10分後ー
「…ところでお姉ちゃ〜ん門番の人お姉ちゃんの事ずっと見てたね、何処がとは言わないけど(笑)」
「ふん、人族の視線などなんでもありませんマオちゃんの可憐さに、目を奪われないとは人族も大したことはありませんね」
「………」
村の中心部に向かってしばらく歩くと、ベットのマークが描かれた看板が見えてきました。
カラ〜ン♪〜コロ〜ン♪〜
「いらっしゃい、鈴蘭亭にようこそお泊まりかい?」
「ああ、一泊頼む」
「夕飯と朝食込みで、2人で銀貨3枚だよ」
「分かったそれで頼む」
「そんじゃこれはカギだよ、無くさないでおくれよ(笑)」
「ああ、分かった」
「お、お世話になります」
「まぁ〜可愛らしい子だね〜夕飯は楽しみにしてな、サービスするから♪」
「あ、ありがとうございます」
カギを受け取るととりあえず二階の部屋に向かい、私は部屋に入るなりベットに頭からダイブした。
「ふ〜疲れた〜、ほとんど小脇に抱えられて飛んでただけだけど、精神的に疲れた〜」
「ここの宿屋の女将は素晴らしい人のようですねマオちゃんを褒め称えるとは、人族にしておくのが勿体ないですね」
「………」
いや、社交辞令だよ、褒め称えてないよ、アンタは私が少しでも褒められたら種族転生を進めるのかよ、アンタの私に対する盲信が怖いよ!
「じゃあ、2時間ほど休んだら買い出しに行こうね!」
ー2時間後ー
「女将さん今から雑貨屋とギルドに行ってきます、夕飯迄には戻りますね、それとこれ、カギです」
「はいよ、気をつけて行くんだよ、アンタ! キチンとこの子の事守ってあげるんだよ?」
「ああ、分かっている」
雑貨屋は宿屋の3つ右隣にあったのですぐに着いた、看板には麦の穂が描かれていたが、雑貨屋にはドアベルがなくカウンターにベルが置いてあったので必要最低限の物だけ持ってカウンターのベルを鳴らした。
チーーン♪
「はいはーい、お買い上げですか?」
「これだけ頼む」
「お、お姉ちゃんあとコレも」
「ああ、それにコレも頼む」
「はい毎度ありがとうございます、え〜と、10点で銀貨5枚と銅貨60枚になりますね、はい、銀貨6枚お預かりでお釣りが銅貨40枚になりますありがとうございました!」
「あとはギルドだけだね」
「それじゃマオちゃんギルドに向かいますか」
あ〜いくらヴィスさん任せとはいえけっこうなお金を使わせて申し訳ないですよ私的日本人には…。
ちなみに荷物はヴィスさん所有のポーチ型マジックバックがあってそっちに全て入れてもらった、私も出来たら欲しいので後で聞いてみよう。
けっこう買ったみたいだけど何を買ったのかって?、主に服ですよそれに下着、未だに地球の制服のままだから周りから怪しまれると、何の為に忍んでいるか分かりませんもん替えの下着も無いし。
ビックリしたのはコッチの下着は紐パンでした、これで私も大人の仲間入り(笑)、ブラは無かった、あっても私には無用の長物だしな。
などと心の中で項垂れながらテクテク歩いているとひときわ大きい建物(村の規模的に)にぶら下がっている看板が見えました、マークは盾の中に剣が交差した物でした。
「ついでにマオちゃんも冒険者登録しておきますか、身分証にもなりますしなにかと便利なんですよ?」
「いいんですかっあ、でも私が魔王だってバレちゃいませんか?」
「大丈夫ですよマオちゃんにはこの偽証の指輪をしてもらいますから、コレを装備するとほとんどの人や物にバレる事はありませんから、ちなみにコレのランクは伝説級ですもちろん私も付けてますよほら、せっかくだし付けてあげますね?」
「あ、ありがとうございます…って、なに、人の薬指に指輪ハメようとしてるんですか、止めてください!!」
「えーーー! せっかくマオちゃんとおそろに出来ると思ったのに・・・」
「ヴィスさん変化してから雰囲気が、180度変わりましたよね?」
「お姉ちゃんと呼んで! ま、こんな所で遊んでないでさっさとギルドに入りますか?(笑)」
「………」
扉を開けて中に入ると私が初めて嗅ぐような据えた匂い? や無遠慮な視線が私達に突き刺さる、私は無意識にヴィスさんの服の端をギュッと握りしめていた、そんな私にヴィスさんは1度私に視線を向けるとニコリと笑い受付に向かって歩き出した、ヴィスさんは視線なんてなんのその普通にギルドの受付まで歩いて行きました。
「すまない魔獣の買い取りと、この子の登録をお願いしたいんだが、さ、ほら」
「す、すみません、冒険者登録をしたいんですが」
「あら? 可愛らしい子♪っと、ごめんなさいね〜冒険者登録は成人した15歳以上じゃないと、登録出来ない仕組みなのよ〜」
「なんだ〜? こんな子供が冒険者になるってか? 冒険者の質も落ちたもんだな〜ガハハハハハ!!!」
「…わ、わたし16歳だもん!」
「………」
「………」
「………」
「っと言うわけだ、構わないな?」
「は、はいすみません! お嬢さんもごめんなさいね…」
「…い、いえ慣れていますので」
「では、この紙に分かる範囲で構いませんので必要事項を記入してください、次にカードに付いている石に血を一滴垂らしてください、機械で転写し色が変わったら完成です、針はいりますか?」
「はい、カキカキカキっと…っ痛! ではお願いします」
「はいお受けします、………出来上がりました、…っえ⁉︎…ど、どうぞお受け取りくだひゃい」
うん? 受付のお姉さんどうしたのかな? なんか顔が青白くダラダラと大量の汗をかいてるけど、何も言ってこないし大丈夫でしょ。
受け取ったカードを見ると元の白色から鼠色のカードへと変わっていた。
「で、ではあらためましてようこそ冒険者ギルドへ、それではカードランクの説明と使用方法の説明に入らせていただ………」
「ちょっと! 待ちな〜〜〜」
受付のお姉さんの説明を途中で遮り後ろから誰かが声をかけてきた。
「はい?」
っえ? なにってっうお⁉︎ なんだこの、汚物は消毒だー!って言いそうなモヒカンは、肩にはスパイクも付けてるしここは何処の世紀末だ? しかも酒くせ〜酔っぱらいかよ〜勘弁してください。
「2人とも可愛らしい顔をしてるじゃねぇか♪、片方はでっけえが、ま、良いだろ〜♪、これからオレ様と良いことしようぜ〜♪」
「ふん、何を言うかと思えば貴様程度相手になると本気で思っているのではあるまいな?」
「っな⁉︎ なんだと〜テメェー! ぶっ殺されて〜のか? このオレ様を誰だと思ってやがる!」
「知らんな、貴様のような奴に背中の物は勿体無い、貴様にはナイフで十分だ!」
「っな、なにを〜!」
「どうしたかかってこないのか? 来ないならさっさと向こうに行け! こちらとて暇ではないんでな」
「っう、うるせ〜! 舐めやがって、ぶっ殺してやる!!」
突然ナンパしてきた冒険者どうするヴィスさん? 穏便には済みそうに無いぞ⁉︎ ヴィスさんの実力も知りたいし頑張れ冒険者! 貴様の犠牲はムダにしないぞ!
受付嬢「説明ができなかった」_| ̄|○
茉央「気にしたら負けやで?」(=゜ω゜)ノ
謎の男「ガハハ、言うじゃねえか!」( ̄Д ̄)ノ
次回予告!
「煌めけ剣閃、必殺!北斗○烈拳!(嘘)をお送りします」