-XXX-
昼の意識が眠り、夜の本能が吐息を漏らす。
昼の身体が眠り、夜の本能が活動を始める。
切れた雲の合間からまんまるい月が覗く。
流れた雲が月を隠し、辺りは仄かに灰色に染まる。
片眼は見えない。見えない。痛い。いたい。いたい。いタいイタイたい……鎌のやイばが突き刺さっテ、オレの目ハ潰れテいる。開いているカタ目は血で真っ赤にナッテいル。赤赤かかあアああかカかくなって……血、血、血ィああ、アアあぁああぁ頭がどうにかなりそうだ。腹の奥が痙攣して苦い汁の味が口の中いっぱいに広がる。
「……へえ?」
なんで?
「噂には聞いていたけど……すごいね」
なんで?
「そんな風に頭をぱっくり斬られても、死なないんだ?」
なんで?
「あはっ、なにそれ。面白」
おもしろ。
笑う。おんなは笑う。つられてわらう。おれも笑う。
あははーうふふーでへへゲヘ……
『……ゲラ、ゲラゲラ、ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ……』
みかづきーおつきさまー上に振り上げられる鎌――かま? 落ちてきて俺の頭にまたかま゛ッー―――!!!?!? かままま゛ッば――ッアアアあアアアあアアアぁぁァあああああああ゛っ!?!!???
ザクッ、ズシュ、ザックリ、ザックリイ―――ヒヒィッヒヒヒヒヒィ! イダイイダイイダイイアイあぁぢぬぢぬぢづぢぬぢぬアアアッァぁッッぅ!! ナンデ、なんデ、オデヲ苛めるんダーイ?!?
『ヒ――――――! ヒ―――――――!』
タシュけて。たしゅけて。助けて……
「助けて?」
このままじゃぢぬ。
ごろざれる。
「あのさあ……残念だけど、あんたを助ける奴なんてこの世に一人だっていないんだわ。不死って欠陥を持った危険因子……“そんな風”になっても動けるあんたを、誰が助けようと思う?」
「たしゅ……たしゅけて……たしゅけ……」
「うざいっての。どうやりゃ殺せるのか……ちょっとわかんないけど、とりあえず――」
あうあうあぁぁぁ!?
やだ、やだ、やだ、やめて、やめて、やめて。
こっちにくるな、くるな、くる――
「バラバラになっちゃえば――死んだも同じだよね?」
■■■■―――ッッッぅう゛!!!?!?? びーくビく■び、ク――ルクルくるぐる■■――ッッッ!!!??!!? 目■ぐ■る狂う刳るクルぐるぐ――■■■ッュアひゃひゃハヒャッ――俺のおでの■、首、首、首、切れ、切れ、■れん゛ん゛ん゛――っん゛!!!!
「次は腕――足――お姉さんが君を胴体だけの芋虫にしてあげるよ」
死ぬ。
■ぬ。
死ぬ。
いやだ、いやだ、いやだ!!
血、血、血ぃ!!!
あ?
あああああああああああああ!!!
いや、いや、いや!
ある、ある、ある! 血、血、血ぃ!!!
“この女の血が”■、■ィ、■■■っッッ!!!!
「……は? ちょっと待って、なんでまだ動け――」
喰わせろ。
『――■■■■■■■■■■■■――――ッ! ■■■、■■■■■!!! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――――――――ッ!!!!!!』




