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blood cross  作者: 独楽
a mind
19/35

-XXX-



 昼の意識が眠り、夜の本能が吐息を漏らす。

 昼の身体が眠り、夜の本能が活動を始める。


 切れた雲の合間からまんまるい月が覗く。

 流れた雲が月を隠し、辺りは仄かに灰色に染まる。

 夜空は最前からそんな調子で、白んだり暗んだりと落ち着きがない。

 しん、と静まり返るロンドンの路地裏で、その澄んだ静寂の中にガリ、ゴリと鈍い音が小さく響く。


 齧りつく肉、滴り落ちる血。

 しゃがみ込み粗食するそれは人間だ。


 窪んだ眼窩からは糸を引くように神経がぶらりと、光の潰えたグロテスクな眼球が深淵の彼方を見ている。裂かれた腹から零れた臓腑が月灯りに照らされてらてらと、地面を転がる腎臓はコロコロと落ち着きがない。

 強靭な顎、牙で噛み砕く頭蓋から脳漿が飛び散る。

 零れた血肉を四つん這いになって綺麗に舐めとる。

 つり上がる目蓋の合間から獰猛な眼が煌く。


 昼の意識は眠り、夜の本能が嬌声を漏らす。

 昼の身体が眠り、夜の本能が獲物を求める。




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