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彼の傷
「越川、次の試合、スターターを任せられないか?」
スターター…。即ち先発だ
「監督、俺はライバル校の試合に投げ勝てる自信がないです。」
松重が言う前によく通る渋い声の大学教授が口を開いた
「同級生の松重から聞いているよ。高身長から投げられる
ボールは勢いがあるみたいだね。」
彼は達之の大先輩の元投手…。
温厚な表情に白髪交じりの髪。
教授である傍ら、弁護士でもある
「弁護士探偵の藤森先生ですか?」
藤森と呼ばれた彼は桜花学園大学の法学部教授であり、
法廷では悠然と構える怪物である
「彼と話したい。」
構わんが、芳忠、越川と何を話すって言うんだ?
はぐらかしながら、2人で桜花学園大学構内へ
藤森は見抜いているのだ
彼、達之の心の傷を




