幼馴染Side
奈須野優希、梅咲大晴、串宮輝愛、宮本大和、阿久根心咲、星野萌香の六人は幼馴染だ。
このグループの根本は奈須野優希という一人の少年だ。
五人に声を掛けたのが奈須野優希だった。
それから色々とあり、奈須野優希を中心とした六人はいつでも一緒にいるようになった。小学校の林間学校や修学旅行でも絶対に同じグループ。
奈須野優希だけが知らなかっただろうが、他の五人から特別な想いを抱かれていた。でも、それも当然のことなのかもしれない。
五人はそれぞれ奈須野から救われていたのだ。
奈須野という少年は別に助けたとすら思っていないかもしれないが、救われた方からすれば一生忘れることが出来ない。
梅咲大晴は『性格』を変えられた。
阿久根心咲は『夢』を信じられた。
宮本大和は『環境』を変えられた。
星野萌香は『好きなこと』に共感された。
串宮輝愛は『表情』を変えられた。
今の彼らを作る上でもっとも大事な一つの核を作ったのが奈須野優希という男だ。
五人の特別な感情は少し…常軌を逸脱している部分もある。
簡単に言えば少し歪んでいる愛に近いようなもの。
それは中学の時に拒絶された後も続いていて、高校生になった現在でも続いているのだ。より少しおかしな方向に増しているところもある。
奈須野自身はしっかりと五人のことを遠ざけたつもりかもしれないが、そんな簡単に五人の奈須野への気持ちが途切れるわけがないのだ。それでも五人が話し掛けに行かなかった理由は奈須野の迷惑になるかもしれないからだ。
それは五人の中で決めたこと。
迷惑になるようなことをしない。奈須野の方から話し掛けてくれるまで自分たちはいくら話したくても話し掛けることをしない。
だがその五人で決めたことがある日…破棄されることが起こる。それは梅崎大晴が奈須野とその妹の詩織の会話を聞いてしまったからだ。奈須野自身はまさか幼馴染に聞かれているとは思っていなかっただろうが、聞かれていたのだ。
そこで梅崎は真実を知ることになってしまう。なぜ、奈須野が自分たちのことを遠ざけたり、拒絶するようになったのかを。その事実を知った彼はすぐに五人のグループラインに聞いたことを送った。
梅咲『優希がそう話していたんだ』
宮本『大晴、本当か?』
梅咲『俺がそんな不謹慎なことを言うような人間か?』
宮本『それはそうだな。疑って悪かった』
串宮『でも、信じられないよ。優希が死んじゃうなんて』
阿久根『優希に聞きに行く』
星野『それはたぶん無駄です。さっきの大晴くんの話を聞く限りだと優希くんは私たちのために隠してくれているんですし、どんなことをしても絶対に教えてくれるとは思えません』
阿久根『じゃあ、萌香はこのままでいいの?』
星野『そうは言っていません。私だって優希くんと一度お話したいです。そして抱きしめたいです』
串宮『それはだめ。優希を抱きしめるのは私と決まっているの』
梅咲『おい、女子だけで話を進めるなよ。優希とは触れ合わないっていう約束を忘れたのか?』
宮本『だけどそろそろいいんじゃねぇか。大晴の話を聞く限りだと優希は俺たちに教えてる気はないだろうが、俺たちだって黙って見てられるような状況じゃない。一緒にいるぐらいはさ』
梅咲『まぁ…確かに大和の言う通りだな』
それからも話が行われて、その日の結論としてスキンシップなどを含めて解禁した。でも無理に奈須野の事情を聞くことをしないことなども決まった。




