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第3話 豊穣祭準備中
今日の体育もあまり参加できなかった。
体質に煩わされるのはなれているけれど、同年代の者達と同じ思い出を共有できないのは少しさみしい。
保健室で半日過ごしてから、私は鬱々とした気分で我が家へ帰る。
エルン・クラリネッタはそこそこの貴族のお嬢様だから、頼めば使用人にお迎えしてもらえるけれど。
自分の足で帰るのが好きだった。
倒れた時のことを考えると、そうはいってられないけれど。
けど、それに今は乙女ゲームの事がある。
だから、動きやすいように無理をいって一人で行動する時間を多くとっていた。
何かあった時、ノワール様の手助けができるようにしたい。
しかしそんな私の胸中とは関係なしに、町の中は豊穣祭の準備で賑やかだ。
乙女ゲームメインイベントのお祭りだから、しっかり異変がないか観察しておかなければ。
といっても、目に見える場所に異変なんてものはない。
みんな普通に、お祭りの準備をしていたり、世間話をしているだけだった。




