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インフルエンザ:解

誰もが憧れる存在を目指しただの高校生だった千明、最初は小さいが後々の大きな一歩を踏み出した。

失敗や葛藤、大きな代償を払った彼女は最終的に自分なりの【責任ケジメ】を果した。

多くの人に支えられながら、時に迷い、時には立ち止まり、千明は彼女なりの「解」を見つけた。


季節が変わり、大学生となった千明。今、彼女が歩む道はどこへ向かうのか。

これは、小さな一歩が大きな未来を切り開く物語の結末。

千明自身の【解】に対する裏の人物の【解】

そして私の作品を裏でずっと見てくれたある人達への【解】を描いた特別なエピローグです。

季節が流れ、私は大学生になった。

のぞみと同じ大学に入るために私は一生懸命勉強した。頭は余り良い方じゃないけど私なりに努力した。

結果同じ大学に入れた。望と私は歓喜した。 また4年間は一緒にいれる。

私は高校生の時にしてしまった過ちを全て母親に話した。

それでも母親は「うん。うん。」と言って一切怒らなかった。

母親は王騎さんの事務所にも着いてきてくれた。

王騎さんの事務所に直接行き、母親と一緒に謝罪もした。二度としないと誓った。

事務所側もきっかけは王騎ウチの発言。王騎ウチも悪いという事で今回は丸く収めて貰った。

王騎さんにも直接謝った。 王騎さんの現実の性格はネットと違い私みたいに思ったより地味だった。

私も王騎さんも赤ベコの様に両方ともペコペコ頭を下げ続けた。

私が居ない間、王騎さんも二ヶ月謹慎を自主的にしたらしい。

その間、私に再挑戦する為にずっと練習していて今度もう一度リベンジ配信したいらしい。

「勿論です。その際はよろしくお願いします。」と私は言った。

これで全ての問題が終わった。私は日常に戻れた。


ある日の大学の放課後

私はいつも通りの口調でパフェに千明を誘った。

500円のいつものパフェ。 千明と食べるいつも通りの美味しいパフェ。

私はふとこう言う。

「チーちゃん。そろそろ半年だよね。あれから。」

千明は勉強をしすぎたせいである事を忘れていたようだ。

私に千明は何かを思い出した様にハッとし大声でこう言った

「ごめん!ちょっとやること思い出した。それじゃ行ってくる!」

何かを思い出した様な彼女は駆けていった。

「ねぇ!お金!お金!」

千明は走りながらこう言う

「ごめん!今度払うから!」

私は千明が曲がり角を曲がった事を確認してこう呟いた。

「やれやれ…」


千明は自分の家に駆け込んでPCの前に座った。

そう、もう一人ではない、0ではない、1、いや少なくとも2からのスタートだ。

マイクをオンにする。カメラをオンにする。配信ボタンを押す。

今は違う。画面の前で待ってくれる人がいる。千明チーちゃん千明わたしのやり方で、みんなに応えるんだ。

普段の私は冴えないただの大学生。

だが画面の前の視聴者の中では私はスピードスターのVTuberチーちゃんなのだ。

配信が始まる。そう。まずはこう言うべきだろう。

「みんな!ただいま!そしてこんばんみー!ただの配信者!チーちゃんだよ!!」

【寒くて冬眠してたわ】

【おかえり!】

【ふっ…希望の星が戻ってきたようです…】

【みんな!今直ぐ拡散汁!スピードスターが戻ってきたぞ!】

チーちゃんはいつものコメントがあったのが見えたが、あえてちあきを貫いた配信をした。


私は千明の食べ残したパフェを食べつつ配信中のチーちゃんに相変わらずのコメントを残して

スマホを閉じた。空を見上げいつもの笑顔でこう呟いた。

「チーちゃんは必ず伝説になる。今なら決して同じ轍は踏まない。」

電子の海(ネット)でスピードスターはいつまで輝き続けるかは誰にも分からない。

だがいつもそばに居た私になら分かる。


自分の事を陰キャというが千明あなたは違う。 

それが千明ちあきを唯一無二の親友として接し続けた理由。


今までの千明あなたは自分を卑下していた。 

それが千明ちあきを見守った理由。


思い切りが良く、時に不安定。

それが千明チーちゃんを支え続けた理由。そして初めて千明ちあきを叩いた理由。


でも今の千明ちあきにはかつての迷いがない。 

それが今 千明チーちゃんが駆けた理由。


それが例え1度問題を起こし、それが原因で遅咲きになったとしても。


そして食べ終わった2人分のいつもの500円のパフェを見て呟く。

「大人になったね…今の千明はただの流星スピードスターじゃない、電子の海(ネット)に輝く一番星チーちゃんだよ…」


そう言って私は2人分の代金を準備し

こう言い残して席を席をたった。


「次はいつ千明(ちあきを誘おっか。あっそうだ!今日のレシートは記念として取っておこ!」


-Fin-

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

まず「インフルエンザ」というタイトルには、二つの想いが込められています。

1つ目は影響力。2つ目は誰かの行動や感情、

これらがいい意味でも悪い意味でも感染症のように周囲に広がっていく様子を表しました。

この物語では、千明の憧れや苦悩、努力の中で自分を変えていく姿を描きました。

その姿は、インフルエンザ、もとい元となったインフルエンサー

という作品定義自体にも影響を与えているはずです。

そして起承転結という文字をわざと使わず難しい文字を使用した事には理由があります。

希:希望という意味を込めました。

翔:千明という1人の高校生が電子の海へ羽ばたく様子を意味を込めました。

顛:頂上という意味、同時に落ちると言う意味、転落への始まりという3つの意味を込めました。

訣:VTuberチーちゃんとの別れ。時間を置く学びという一番大事なところの2つの意味を込めました。

解:に関しては完全に私のエゴです。


この作品を書きながら、私自身

初期のプロットでは千明は完全に転落するバッドエンドを作る気でした。

勿論、このエピローグも作る気はありませんでした。


ですが千明自信が迷い、傷つきながらも進んでいく姿、

決して口には出さないが千明ではなくチーちゃんという1人のVTuberとして最後まで見ていた望

これらが複雑に混じり合う姿が余りにも痛々しく

書いてる自分自身ですら感情移入し、書いてる途中目頭が熱くなりました。

最後まで見てくださったあなたにも現代が持つ不安や希望に重なる部分もあるはずです。

ネットを通じたつながりや自己表現は多くの人にとって身近なテーマだと思います。

この物語がどこかで皆さんの心に響くものになれば、とても嬉しいです。


千明を見守り、影で支え続けてくれた望。反論もせず千明を受け入れた母親、

そして最後まで見てくださったあるユーザーの存在なしには

この結末もエピローグも生まれませんでした。

もしかしたら、私にも望の様な人が居るように

読者の皆さんの中にも、

陰ながらに千明あなたを支えている「ひと」がいるのかもしれません。

今はインターネットで誰とでも好きな時に話せる時代になりましたが

昔はポケベルという機械を使い数字のみで相手に自分の意見を頑張って伝える時代がありました。 

長い数字の伏線に気づいた方は、ぜひもう一度物語を振り返ってみてください。

きっと、違った見え方がするはずです。


私の今回の作品も決して万人受けはしないと思います。

ですがもし、このインフルエンザという作品から見始めた方は

希翔顛訣の中にある数々の伏線や意図を完全に理解したい。と思って下されば

今まで投稿したショート2作品を見て頂ければ

私の意図した書き方が分かりやすいと思います。


最後に

新たな一歩を踏み出した千明もといチーちゃんのこれからの物語は、

いつも通り読者の皆さんの想像に委ねたいと思います。

これからも一番星という存在が輝き続けると信じながら。


この作品がここまで形になったのは、最後まで読んでくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

次回作の参考にしたい為、感想やレビュー採点等お待ちしています!

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