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インフルエンザ:顛

いままでのあらすじ:

高校生の千明は、Vtuberを目指してアバターを購入する事を決意する。母親に嘘をついてお金を借りてまで。初めての配信で大成功を収め、急速に人気を得る。最終的にはアイドル事務所からコラボのオファーを受け、人生が大きく変わった。

今日も学校に行く。ただ昔と違ってたまにしか行けてない。打ち合わせ等があるからだ。何も知らない母親は引き籠ったと思っている。

のぞみが今日も肩を叩く

「おはよ!千明ちあき!」

最近望はチーちゃんと呼ばなくなってしまった。 チーちゃんと呼んだら別人でもあまりの知名度でほぼ全員が振り返るからだそうだ。

「おはよ!のぞみ!」

望は相変わらずな調子でこう言う。

千明ちあきってさ、最近変わったよね。なになに~?まさか好きな人でも?」とニヤニヤ

私は笑いながらこういう

のぞみは変わらないよね。いつもの陽キャ。なんで私とつるんでるのか分からない陽キャ。」

のぞみも調子を変えずこう言う

「私は私だからね~ただ千明ちあき。なにかあったらいつでも言いなよ。」

私はのぞみの態度が変わったのに一瞬戸惑ったがこう言った。

のぞみっていつもこれだから分からないなぁ。」

放課後望と久々にパフェを食べた。 3000円の一番高いパフェを食べた。望の分も奢ってあげた。

高いわりに美味しくなかった。


帰ったら母親にこう言われた。

「最近学校行ったり行かなかったりしてるけど点数はどうなの?御飯食べる?」

私は笑顔でこう言った。

「いや大丈夫!今さっき外でご飯食べてきたから!」

母親は半分疑問に思いつつもこう告げた

千明ちあき、ママはね。心配なの。貴方が良い大学に行って。良い就職先を見つけて。いい人を見つけるか。」

私は話半分に聞いてこう言った

「お母さん、大丈夫だよ。私には人も企業もいらない。私は私、それじゃあ寝るね!おやすみ!」

母親の静止を振り切り私は二階へ上がった


私がお母さんに言ったのは嘘である。今からあの王子様おうきとのコラボ配信だ。

「こんばんみー!チーちゃんと今日はスペシャルゲスト!あの王騎おうきさんがいらっしゃいます!」

【\30000-こんばんみー!】

【\3000-王騎じゃん】

【\1800-えっチーちゃん】

「どうも。王騎おうきです。チーちゃん民さん達はじめまして。今日はよろしくお願いします。」

【\3000-よろー】

【\50000-初見の王騎推しです】

【\3000-とりあえず王騎に投げるわ】

「今日はなんだっけー?あ!そうだった!まず新しいグッズの紹介していいかな?王騎おおきさん?」

【\3000-ん?】

【\4100-グッズktkr】

【おぉ?】

【まってた】

「ええ!私も気になってました。確かインターネットのクレーンゲームサイトとのコラボでしたよね?」

【新コラボキタコレ】

【詳細はよ】

【\5000-ゲーム代です】

【\38000-コラボ代です】

「そうそう!何とチーちゃんのグッズが有名クレーンサイトで限定で出まーす!」

「概要にURLを貼ってるからほしい人は全力待機だぞ!」

【\30000-うおおおお!!!】

【\50000-お前らサイトが落ちるだろ!】

【\4545-えっちしたい】

「おっとチーちゃん。今日は何のために私が来たのかお忘れでは?」

「おっとそうだった!私の原点!あのレースゲームで勝負しますー!」

【\50000-来たか…最強を決める戦いが!】

【\50000-コードまってる】

【\8100-あくしろよ】

【\300-ふむ…どちらが勝つのやら…】

「ではコードは王騎さんからどうぞ!]

「ありがとうございます。コードは83137412です!」

【\50000-乗り込めー!】

【\3000-入れない】

【入れない】

【入れん】

「では勝負しましょうかね!」

そうだ。私はこの瞬間待っていた。

【1th 1/3】

あの馬鹿にされた時から、

【2th 2/3】

今まで地道な努力と嘘を付いてまで。

【GOAL!!】

今まで頑張って来たんだよ!!!!!

【1th】

「王騎さん!対戦ありがとうございました!」

「いやー…最終でわざとアイテムを隠すとは…」

【\50000-888888】

【\50000-王騎が…負けた…?】

【\300-ふむ…ここまで成長するとは…】

「ねぇチーちゃん、ふと思ったんだけどなんでこんなに強くなったの?」

【たし蟹】

【\3000-俺も思うわ】

【\30000-俺も下手だから教えて。】

「ええ…実は…」

「実は?」

「あなたに下手と言われたからです。」

【え?】

【は?】

【え?】

【?】

「えっ…チーちゃんちょっとまって。どういう事?」

「貴方は覚えて居ないかもしれませんが。私は貴方に下手と言われました。」

「何、まだこいつ走ってるの?ウケると言われました。」

【あっ…俺これ覚えてるわ…】

【どういう事?】

【\40000-有識者教えてクレメンス】

「えっ?えっ?チーちゃん、覚えがないんだけど。」

「尊敬していた貴方に言われたのが悔しくて、悔しくて、毎日練習をして」

【\40000-チーちゃん一旦餅付け】

【\3000-まじかよ】

【\50000-チーちゃん…あの子だったのか…】

「それで勇気を出して声を出して!練習して!今にチーちゃんという私が居るんです!」

「チーちゃん…とりあえず落ち着こう…ね?」

「あなたには分からないと思います!初めて声を出した私が!チーちゃんという配信者が生まれた瞬間が!」

【おいおいおいおい】

【事故だろこれ】

【スタジオ止めろよ】

【いやー王騎引くわー…】

【\300-ふむ…】

「チーちゃん落ち着いて!ちょっとおーい!スタジオ止めてー!」

【配信は終了しました!】との画面といつもの音楽が流れる。

【終わっちゃった】

【どういう事だったの】

【えっ?】


裏でスタッフが優しく声を掛ける。

「落ち着こうチーちゃん。」

あぁ言ってしまった。私は終わった。チーちゃんはこの瞬間終わったのだ。千明わたしという陰キャが。声を出しすぎた余りに。

「ひぐっ・・・うぐっ・・・分からないですよ・・・あなた達には・・・・」

王騎おうきはこう慰める。

「チーちゃん。とりあえずごめん。何があったのかは良くわからないけど。とにかくごめん。」

スタジオスタッフがこう言う

「えーっととりあえず後日、打ち合わせで。」


マイクの音声を切る。椅子から立ち久々に鏡で自分を見る。アバターの様に可愛いとは言い難い顔。艶を無くしたボサボサの頭。死んだ魚の目のような目。

私は鏡の前で涙ながらにこう呟いた。

「これで良いの…分からない…どうすればいいのみんな、私…本当にこれで良かったの…?でも…これで正解ただしいなの?…分からない…助けてよ…最初みたいに…」



第三章:顛 いかがでしたでしょうか。

チーちゃんの行動はあなたから見て当然でしょうか?はたまた傲慢でしょうか?

物語はクライマックスの第四章に続きます。 最後までお楽しみに。

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