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インフルエンザ:希

これはどこにでも居る一般の高校生、千明ちあきの話です。

私高校生の千明(チアキ)はある配信者が好きだった

彼はとてもイケメンでトークも面白い 登録者50万人の人気配信者

喋りは到底真似できない言い換え。顔も私とは不釣り合い。到底手が届かないであろう存在。

まさに私の王子様(プリンス)

私は彼の様になろうと思った

色々な動画を見て参考にした

まずはゲームが良いらしい

私自体はゲームはしたことがほぼない

お母さんにゲーム機を買ってもらう代わりに

テストで80点を取れと言われた

私は頑張った 頭は余りいい方じゃないけどそれなりに頑張った

結果96点だった 1問だけ計算が間違ってたらしい

けどお母さんに言われた事はやった

「これが新品のゲーム機…」

私は感動した。今まであの人のプレイ動画しか見てなかったからだ

王子様プリンスが丁度レースの対戦相手を募集してるらしい

私は参加できるか分からないが一旦コードを打ち込んだ

「15133204317…1!」

すると入れてしまった

「私の王子様プリンスと一緒にゲームが出来る…」

既に気分は最高だった このまま死んでも良い

だがゲームの方はダメダメだった

最下位も最下位 1位に越され1週遅れだった

王子様プリンスはこう言う

「なーにこの人wまだ走ってるの?ウケるw」

王子様プリンスが私を見ている なんて事だろう

「私の王子様プリンスが私を見てる…」

もう結果なんていい。王子様プリンスが私を見ている事実だけで良い。

「じゃあ今日は配信はこれまで!また見てね!」

【配信は終了しました】♪♪

王子様プリンスの配信に出ちゃった…」

私はそれだけでテストを頑張った意味があったと思った

「明日友人に自慢出来る…今日は寝よう…」

翌日

友達の(のぞみ)と話していた最中私の王子様の話が出た

のぞみは私の唯一の友達。陰キャな私とは大違いの所謂陽キャ。

彼女は私に勉強も、流行りも教えてくれる。

何故望はこんな私に付いて来てくれるのだろう。陽キャは陽キャと絡むべきだと思う。

「ねーえねーえチーちゃん聞いてる?」

私はふと我に返り

「ひゃい!あ…うん…」

のぞみはやれやれと肩を落とすが直ぐこう言う。

「でさー…昨日の配信見た?最後の超ウケたよね」

これはチャンスと思い私はこう言いかけた

「そうだね!…あのさ…」

のぞみは言い被さる様に言う

「いやいやチーちゃんも思うっしょ 遅すぎだっつーの」

私は何と言えば良いのか分からなかった

「う…うん…あれは…ないよね!ないない!」

「でしょー」

私はそれ以上言えなかった アレが私だとは…

夕方、のぞみにパフェに誘われた

「行くっしょ チーちゃんも」

私は快く引き受けた

パフェ中はのぞみ王子様プリンスの話をしていた。今日の500円のパフェはいつもより小さく感じた。

自分の話がこれ以上出なかった点はいい事だろう

「んじゃね!明日も!バイバイー!」

私は「またねー」と手を振り返した

家に帰るといつものパソコンとゲーム機

のぞみは私の事知らない癖に…」

そう言いつつベッドにダイブした

頭の中でのぞみの「遅すぎ」という声が残る

彼女は私だと知らない。 

「そうだ…私も練習すれば…」

今からでも遅くはない 私はゲームのプレイ動画を配信サイトにあげる事にした

ただのプレイ動画 振り返る為のプレイ動画 勿論声などない

来る日も来る日も上げた

再生数は良くて5再生数

けど自分の事を5人も見てくれている

欠かさず毎日上げたある日

のぞみからこんな話があった

「ねえチーちゃん ねーえ?」

私は日々の練習で寝不足だった

「えふっ…うん!どうしたの?」

のぞみはこう言う

「最近こんな記事見つけたんだけどみる?」

私はこう言うしかなかった

「えっ?」

その記事はとてもわかり易かった

【動画を毎日上げ続ける熱心なプレイヤーに開発者が感謝】

「いやー何か昔言った遅いプレイヤー居るじゃん あいつが毎日練習動画上げてるんだって」

私は複雑な気持ちになったが抑えて

「う…うん…そうだね…」と言うしかなかった

内心嬉しかった。5人の中に開発者が居たのだ

帰った私は自分のチャンネルを見た。

「えっ…嘘っ…」

今まで再生数2桁が最高の動画だった動画が4桁まで一日で増えている

コメントにも

【応援してるぜ!】

【私的に…そうですね…1:03の箇所はショートカット出来ますよ。】

【NP!】

色々な言語が書かれていた。

どれも応援や励ましのコメントばかり

私は一旦鏡の前に立つ

「こんな私をみんなが応援してる…?」

私はどうしていいか分からなかった

がすぐに答えは出た。

「そうだ…みんなにお礼を…お礼しなくちゃ…」

私はゲーム機の配信機能の画面に行った

「これを押せば声が出ちゃう…けど答えるにはこれしか…」

私は開始の画面を見つめていた。

「これを押したら私の声が…」

戻るボタンを押そうとした

「で…でも!私も期待に答えないと!」

目を瞑り開始ボタンを押した

タイトル画面で徐々に増える視聴者数

私はどうしていいか分からなかった

【え?これミス?】

【配信ktkr】

【応援してたぜ!】

溜まっていく配信コメント

私は勇気を振り絞りこう呟く

「み…みなさん…こんばんは…」

【うおおお!!】

【こんばんは】

【たておつ!】

【女性?】

一斉に流れるコメント

私は初めての経験で胸が苦しくなりながらこう言う。

「えっと…皆さんこんばんは…えっと…ちh」

【えっ千葉?】

【えっちだ…?えっちかも…】

【うおぉぉ!!】

本名を言いそうになった。考えろ私。

「チ…チーちゃんです!」

【チーちゃんktkr】

【チー様!】

【なぁ?急にハンバーガー食べたくね?】

コメントは大盛り上がりだった

「えっ…と…まずは皆さんありがとうございます。」

【俺モナー】

【配信してると聞いて】

【チー様それでプレイは?】

【チーちゃん!チーちゃん!】

【良く頑張れましたね…】

視聴者数は500を突破していた。

「えっ…じゃあ…今日も練習…してきます…」

それからはあまり覚えてない。時折指示が飛んできたりしたが

「はい…!」

としか言えなかったのは覚えている。

結果は合計視聴者3000人 これが良いのかどうかは分からない。

だが3000人が私のプレイを見た。これは事実だった。

翌日の学校はなんだか緊張した。3000人の中に学校の人が居るかも知れない。

だがそんな事はなかった。チの字もなかった。

お昼休憩の時間望が駆け寄ってきた

「ねぇ!チーちゃん!チーちゃん!」

私はこう言う。

「えっ…どうしたのそんなに慌てて。」

のぞみ曰くこうらしい。 昨日のプレイヤーが声出しをしたと

「へ…へえ…」としか言うしか無かった。

しかしのぞみは鋭いのかこう切り出した。

「まさかチーちゃんじゃないよね? いや名前がチーちゃんだからさ。」

自分は慌てて

「いやいやいや!そんな訳ないでしょ。こんな根暗が…」と言うと

のぞみはこう言う

「だよねー!チーちゃんはこう言うの向いてないし。今日もパフェ食べる?」

自分は「うん!」と言った。

放課後パフェを食べた。のぞみが勧めた1000円のパフェは特に美味しかった。

「じゃーねー!チーちゃん!また明日!」

私は

「うん!じゃあね!」

と手を振り言い返した。

私は家に帰る。私のプレイを皆が待っている。

私は今日も配信開始の文字を見ていた。

「でも昨日はたまたま押しちゃっただけだし…」

まだ抵抗があった。だが皆が待っているかもしれない。

「ど…どうせ今日は来ないでしょ…」

配信開始ボタンを押す。増えない。人数が増えない。

「やっぱり…昨日のはまぐれだったんだ…」

安堵する私。だがゆっくり。着実に数字は増えてく。

「えっ…えっ…どういう事…?」

そうだった。配信サイトには多少のラグがあった。

私は慌てる。慌てる私を嘲笑うかの様に数字は増えてく。

「えっ…とりあえずマイクをオンにしないと!!!」

数字が100を超えた辺りで私はマイクをつけた。

「こ…こんにちは…」

【うおおお!!】

【こんにちは】

【今日も来ますた】

そこからは昨日と同じだった。何をしたか覚えていない。

「じゃ…じゃあ今日は…この辺で…私の声が気持ち悪く無ければ良いのですが…」

【おつかれ!】

【またはいしんたてて】

【昨日より喋りも技術も上手くなりましたね…】

【ASMR代わりに聞いてます!】

こんな日々が過ぎてった。

私のチャンネルは日々日々登録者数が増えてった。

登録者数と比例するかの様に私も上手くなっていった。

今日も配信の日。配信開始ボタンを押す。

「こんにちは…今日も練習します…」

【うおおお!!】

【昨日の最終ラップは惜しかったですね…】

【たてお2】

私の中で練習より皆と話したい気持ちの方が上になっていた。

その次の日も配信をした。

「じゃあ今日は配信を終わります…」

【おつ!】

【今日はまずまずでしたね…改善の余地があると思います…】

【で、まだ声だけなの?】

いつも通り合計1800人。最後まで残った視聴者は300人。

私の中ではいつもより少し多い程度。

だが私の中で【で、まだ声だけなの?】というコメントが引っかかった。

「声だけだとみんな満足…しないのかな…。」

私は思った。

「私は王子様プリンスみたいに顔出しも出来ないし。顔も良くない…でも、どうしたら良いんだろう…」

ふと動画サイトをスクロールしてるとこんなサムネイルを見た。

【新人Vtuberが鬼畜ゲー終わるまで寝れません!】


これだ。

動画サイトに映る可愛いアバターと喋りが微妙な点。これなら私にも真似が出来る。


「私もやってみよう…VTuber…新しい私…」

ショートを作っていた私が初めて作る4章という長い物語になります。

1章目:希だけだとまだ何もわからないと思います。

全章全て完成していますので活動記録に2章の時間を書いてあります。

ご期待下さい。

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