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「にしては、お前ってこんなに器用だったか??」

剛狼も余りの出来に彼女に問うと失礼ねと不満げに答えてくる。


「私だってこういうのが好きでやっているんだから」


「……紅鳥、すごいねぇ」


「そう?ありがとう!!」



風ちゃん、大好きよーとぎゅうと抱きしめてくる。

実を言うと彼女はかなり不器用であった。

装飾品や服であれ綺麗で可愛いモノは何でも好きであるのだが、如何せん自身で作るのが苦手であった。それでも同胞には隠れて練習をしていたのだ。

努力の末に自分でも満足いくモノは作れるようになって色々と作り出したのはいいが自分が着飾るのは少し違うような気がしていたのだ。

そんな中で生まれたのが可愛い女の子の未影であった。

お目目がぱっちり、肌もすべすべもちもちの真っ白。小さな足でぽてぽてと歩くのを見ていたらもう着飾りたくてしょうがなかったのだ。

でも、いざ彼女に言おうにももし断れたらと思いずっと我慢していたのだ。

そして、我慢をしている中で今日の出来事が起こった。

未影には申し訳ないが好機だと思い、思い思いに作っていた物を渡すことが出来て、ましてや着飾ることに成功した。

もうその出来栄えに文句がつけようがない。もう、可愛い。最高。と自画自賛していた。

また、このようなことが普通にできるのだと思うと彼女の気分は急上昇していた。


「まあ、なんだ程々にしとけよ」


「分かっているわよ。風ちゃん、また違う服着てくれる?」


「?うん、いいよ」


にこっと笑って了承してくれた未影にありがとうとお礼を言う中、内心では握りこぶしを作って天に上げていた。

そんな彼女を見て、未影は嬉しそうに笑っていた。

何かを感じたのかもしれないが自身も楽しいので気にしないのであった。









そんなこともあり未影への貢ぎ物が増えることとなった。

まあ、元凶となった二人がこっそりと色々と持ってくるのだが。


「紀陽、見て!!白うさぎだよ!」


「一体、誰だよ。こんなに器用なの作るの」


とある時には未影の家の玄関前にはかごに入った様々な動物の人形たちだ。

肌触りの良い布を使って縫ったようだ。しかも、可愛らしい。

未影は一目で気に入ってふんふんと鼻歌を歌いながら遊んでいる。

そんな彼女の様子を見ながら、同胞の誰がこのような贈り物をしたのか謎である。


「いきなり来て、布を寄こせと言ったときは驚いたぞ」


「五月蠅い」


剛狼の屋敷には雹蛇が訪れていた。

手には酒が入っているのだろう瓢箪を持っていた。


「おおかた、前に風馬がお裾分けと言って木の実を持ってきたからそのお返しか?」

そう、貢物をされているのも申し訳なくなった未影がお裾分けという形で自身の神域に実っている果物を全員に渡し歩いていたのだ。


「……………」


「素直じゃないのぅ」









黙ったままの雹蛇へ呆れたようにため息をついた剛狼であったが、ふととあることを思い出したように声を上げる。




「そういえば、次の神無月に風馬に会いたいと言っている神がいるんだった」


「…………………………なんだと?」


それはひと時のことである。





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