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他にも様々な品物が出てくる出てくる。

未影はよく分からない物ばかりなので鋼狼に聞いては、どうしてこのような品物を貰ったかの経緯を話してくれた。

その話が訊いたことのない物ばかりで聞き入ってしまう。

「未影、そいつの話は冗談が混じっていることがあるから鵜呑みにするなよ」

「失礼だなっ」

今話しているのは全部本当だと反論した。

でも、本当に色んな品物たちが置いてあった。

生前では見たことがない物ばかりでついついじっと魅入ってしまう。

「鋼狼、葛籠の中に入れていくがいいか?」

「おお、頼む」

炎龍は慣れた手つきで葛籠に物をどんどん入れていく。

「紀陽、慣れている」

「おお、良く手伝ってくれんのが炎龍だからな」

他も渋々手伝ってくれるがつれないのうとはあと深い溜息を吐く。


未影の目の前には小物が広がっている。

女性ものの飾り物が揃っており、何故こんなにあるのだろうと首を傾げる。

「おお、未影はこういうのがいいんじゃないか」

さっと取った髪飾りを未影の髪に当てる。

「……………少し派手じゃないか?」

「そうか?では、こっちか?」

違う髪飾りをあててくる。

「んんー、ちと合わないな。女子は紅鳥だけであやつはこういうのはしないからなぁ」

「??」

何をしているのか分からない未影は疑問符を頭に浮かべる。

紀陽も片づけを中断して色々と選び出した。

「未影はこういう淡い色の方がいいと思うが」

「それだと地味ではないか?こういう濃い色のものの方が……、結紐で結えばよいか」

「ああ、その方がいいな」

と話し合っている二人の横でよく状況を呑み込めない未影はぼーと二人を見ていた。



「よし、こんなものか」

「ほれ、鏡」

あっと言う間に髪を結われて髪飾りがつけられた。


「……………可愛い」


シャランと髪飾りが音を立てる。

花の形に作られた装飾や淡い桃色の透明な玉、三つ編みに結われた髪には紅色の結紐が使われていた。

「うんうん、似合っている似合っている。やっぱり、可愛いな」

「ああ、本当に」

そう二人に褒められ、なんだか頬に熱が集まってきた。

恥ずかしがるようにもじもじし出す未影の姿に二人は可愛いと思った。

「他にもあるから持っていきなさい。使ってやった方が喜ぶだろう」

「え、でも」

これらは鋼狼がお礼にと貰ったモノ達だ。

「いいっていいって。その方がこいつらもいいだろうし」

そのまま、箱の中に仕舞われるよりかは飾ってもらった方がより輝くだろう。

その言葉に反応してか髪に結われた飾りがシャランと音を立てる。


「うんうん。そうではなくてはな」


「ほら、未影。この箱に入れておけ」


紀陽が持ってきたのは黒漆が綺麗に塗られた木箱だ。

朱色の線で模様が描かれている。


「おお、炎龍はやはり目利きがいいな」


「何処かの飲んだくれの所為でな」


じろっと紀陽は鋼狼を半目で睨みつける。

そんな彼に睨まれているのに口笛を吹いて視線を流している姿を見るに自覚はあるようだ。


「他にも気に入ったのがあれば持ってけ」


「でも、私。鋼狼みたいにおうち無いよ?」


そう言うと置いとく場所が無いと言うとなら、ここに置いておいてもいいぞと言ってきた。


「未影はまだ力の使い方が分からないから神殿が出来るのに時間がかかるだろう。それまでは儂のところで預かっておこう」


いつでも遊びに来てもいいからなと優しく頭を撫でてくる。







「……………ついでに片づけを手伝わそうとしてないか?」


「ぎくっ。な、なんのことだ??」


あ、紀陽の言葉に動揺している。

でも、お手伝いならいいと思う。色んなものを見れるし、鋼狼のお話も面白い。


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