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5 出会い



「東京から来ました笹川翔です。半年間よろしくお願いします!!」

 今から五年前の暑い夏の日。優れた刑事になるために、翔は東京から大阪の警察署に研修に来ていた。

当時二十歳だった翔は、まだ慣れない土地と人に戸惑いながらも頑張っていたが、気付けば孤立していた。

それでも、課長がなにかと世話をしてくれたので少しは気が楽だったが、仲間がいないというのは非常に虚しいもので、翔は早く東京へ帰りたいと思うようになって来ていた。

 だが、翔が研修に来て一週間経ったある日、突然として転機が起きた。

 その日も、翔はいつもと変わらず指示がでるまで静かに日誌を書いていた。特に誰と会話をするわけでもなく、無言で時が過ぎるのを待っていた。

早くこの嫌な時間が終わるように…と考えながら。

 すると、そんな時、

「ジブン、ホンマ静かやなぁ?別に気使わんと喋ったらええやん。」

と、後ろから声をかけられ、驚いて翔は振り向く。

「…え?…て…ぇえ!?」

今までこの一週間そんな事は一度も無かったため酷く驚いてしまったが、振り向いた先にいた男の格好にも更に驚いた。

 派手なYシャツに奇妙なアクセサリー。それから金髪のオールバックの髪型。そう、その者こそ河田本人である。

「なんや?いきなり驚いてどしたん?珍しい物でも見たんか?」

「いや…見たと言うか…。」

あなたがその珍しい者なんですけど。とは口が裂けても言えるはずがなく、翔は口ごもらせた。

「そーか?まぁええわ。まぁ…とにかく、肩の力抜いて楽しくやろーや。」

「あ…はい!!」

 それから、この日を境に翔と河田は一緒に行動するようになった。


――――――


「……と言うわけや。まぁ、後はダラダラっと過ぎて、笹川チャンが東京帰っただけやけどな。後は何もない。ホンマに。なっ、笹川チャン?」

「あっ…あぁ、そうなんですよ。」

「へぇ…。」

と納得したように頷いた安西だったが、彼の中であることが気になっていた。

それは、河田の違和感のある言い方と翔の同様した表情。

明らかになにか隠していると思ったが、彼は詳しく問い詰めるのをやめた。

"誰にでも秘密の一つや2つぐらいはある。無理に問い詰めてイヤな思いをさせる必要もない。"

と、思ったからだ。

「でもまぁ、こうしてまた笹川チャンと仕事できるんやから文句ないんやけどな。」

ハハハと河田は笑った。

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