ダンジョンで目覚めし者4
しばらく廊下と階段を繰り返していると
大きな部屋があるフロアについた。
なるほど、なんかあるな…。
いやいやいやいや。
戦闘とか無理だから。なにも来るな。
そんな風に考えていたら
奥からなにか出てきた。
「ひっ……」
でた、ゴブリンだ。
よくいるゴブリン
僕の腰ほどの慎重しかないのに
漂うオーラは魔王並である。
しかも群れてる。
数は10匹ほどだろうか…
無理だわこんな人の形した
モンスターを殺すとか…。
僕が無駄なことを考えていると
彼らはじりじりと距離を詰めてくる。
「まずいぞ……」
こうなっては仕方がない。
僕が壁突貫工事で身に付いた
あのスキルを
見せるときが来たようだな…。
食らいやがれ!
「『小石散弾銃』!」
「ズドドドドドドド!!!」
「ギィッ!!」
「ガアッ!!」
終わってみれば簡単なことだった。
まぁ、ゴブリンだし。
スライムがドロップした
あの光る石をゴブリンも落としたので
同じく拾っといた。
スキル「小石散弾銃」
このスキルは僕が壁堀り作業の時に
身に付いたスキルだ。
やりかたはこうだ。
(良い子も悪い子も真似できないよ)
左手に麻袋の紐を緩くし、
石が見えるようにして持ち
無限に射てるようする。
そして右手で石をデコピンしまくるという
なんとも効率の悪い技なのだが
これには効率の割に
深いスキルの使い方があり
まずデコピンする利き手
(僕の場合は右手だ)に
絶対防御をつけておく。
そして全力で、連続でデコピンをする。
絶対防御により
指はデコピンしたときに生じる
石からの衝撃を
そのまま石に返すことができるため
石はかなり飛ぶ。
大体10メートル前後は
行くと思う。
当たれば相手は絶対貫通により
防御力を問わず倒れていくという技
というかいつの間にかスキルになってた。。
ちなみに絶対防御や絶対貫通が
体の一部につけられるのだが
これにもスキルの深い使い方があり
例えば『小石散弾銃』を使うときには
小石を武器として装備すると
絶対貫通が自動で発生する。
同じように絶対防御は
指につけられるのだが
これにはさらに裏技があり
指を盾として装備することで
指に絶対防御がつけられるのだ。
試しに体全体やこの大地全てを
装備しようとしたところ
できなかったので
どうやら体より大きな物に
全体防御はつけられないらしい。
ていうかこのスキルなかったら
指バッキバキだよなぁ…。
というわけで
新たなスキルを手にした僕は
また、びくびくと歩いていく。
ビビりとか言わないで。
魔物怖いから。
めっちゃ怖いから。
そして最初と同じように
廊下があって、階段登って…を
繰り返すうちに
あることに気付く。
上がっていくに連れて
明るくなっている気がする。
このまま地上に上がれるのか…?
しばらく階段を上がると
視界が急に開ける。
「うわっ…」
目が光に慣れていないため
ホワイトアウトしてしまう。
しばらくそこに突っ立っていると
ようやく慣れてきた。
階段を上がった先には
森とは言わないまでも
林ぐらいには
木が生えている場所に出てきた。
「はぁ~っ」
空気が美味しい。
一時はどうなるかと思ったけど
地上に上がれてよかった。
遠くの平原には
青い点がいくつか見える。
スライムだろうか。
空を見れば
大きな鳥のようなものが飛んでいた。
鳥と大きく違う点は
長い尻尾があることだろうか。
やっと異世界に転生したって感じだ。
少し戦闘もあったことだし
なにか変わっているかも。
気になったので
(ステータス)と念じる。
名前
タカシマ ユウヤ
ジョブ 銃士
ランク1
HP 137/137
MP 139/139
攻撃 168
魔力 175
防御 114
速度 142
運 78
スキル
最強の矛盾
言語解析
小石散弾銃
装備品
なし
いや、運変わらないな…。
それとひとつ気になるのが
ジョブが銃士になっている。
なんでだろう?
あ、もしかして
武器として小石を投げたから?
だからスキルの名前も
小石散弾銃なのね…。
まぁいいや。
銃士としてこれからがんばろ…。
それにしても
ジョブが銃士のあたり
メインの攻撃は小石散弾銃で
固定なんだね。
泣いてないよ…。
全然…。
取り敢えず高島君がダンジョンから
脱出しました。
これからナキアの方へ移っていこうと
思うんですが
一つ謝罪を。
マジで長期放置申し訳有りません…
色々あって大変だったんです!(言い訳
許せとは言わないけど
許してください。
今後は不定期になると思いますので
気長に待ってください。