ダンジョンで目覚めし者3
気合いを入れ直し
周りを見渡す。
ダンジョン脱出となれば
長旅になるかもしれない。
食料は大切だ。
というわけで
この干し肉を試食してみる。
色は市販のビーフジャーキーみたいだ。
匂いも…燻製の匂い?
口に含む。
ふむ。
これはなかなかいけるな。
肉独特の臭みを燻製により
消しつつ
スモークした物の匂い…
これは桜に似ている気がする。
その匂いを付与することで
より美味しくなってる。
食感は硬めだが
ガムみたいに
味が長持ちするからいいか。
干し肉は結構あったので
拝借してきた。
これで準備は整った…はずだ。
武器もあるし食料もある
防具はないけど
絶対防御とやらがあるから
きっと大丈夫だ。
よし、行こう。
そう決めて扉を開けた。
そこには廊下のように
長い通路があり
その周りに扉がすこしずつある。
肝心の階段は…と。
あった。
上に向かってあるようだ。
モンスターの気配は…ない。
忍び足で進んでいく。
いくつか扉があるが
そんなところに行く暇はない。
とっとと地上に出なければ…。
そう思うと
小石を掴む手に手汗が滲む。
しばらく進み
階段に近づいてきた。
よし、この階はなんとかなる。
そう思った時だった。
「キュイ!」
「わあっ!」
後ろから何かの声がする。
心臓がバクバクといっているのが
よくわかった。
ゆっくり振り向くと…
スライムだ。
水色のよくいるスライムがいた。
「キュイ」
なるほど。
焦って心配した。
よくいるスライムじゃないか。
とりあえず小石を当ててみた。
絶対貫通のお陰か
一発で死んだ。
「キュウ…」
そう言い残すと
その姿は光となって消えていった。
よかった。
初めてみたモンスターは
スライムだった。
ゴーレムとかだったら
マジで死んでた。
よく見ると
スライムが消えた場所になにかある。
そろりそろりと行って見てみると
薄く光る石のようなものがあった。
よく分からないが
とりあえず麻袋の中に入れておこう。
ああ、本当にビックリした。
階段まで何事もなく着いた。
ひとまず、安心だ。
階段を上る。
また、いつモンスターが
現れるかもしれない。
階段は螺旋状になっていた。
少し上ると
また新しい部屋についた。
「またか…」
先程と同じように
廊下があってその周りに
いくつか部屋がある。
見ていくのが常識だろうが
そんなことは言ってられない。
早く脱出しないと…。
また、忍び足で歩く。
暗くて分からなかったが
奥に同じような配置で
階段があった。
多分これを繰り返すんだろうな…。
今回は魔物について説明します。
魔物は魔力が
溢れるマルティアの生態系において
動物が魔力を取り込み
より強く、進化した生物で
主な生息地は魔界。
魔界とは
魔物がまだ少なかった頃に
人間などの動物に迫害された魔物達が
大量の魔力を用いて開いた世界。
一時は絶滅寸前だったが
魔界を巣として繁栄した。
一概に魔物とまとめているが
様々な種類がいる。
今となっては魔物の巣窟になっており
とても人間が入れるような場所ではない。