四天王VS紳士の心得
ずいぶんと真っ白になってしまった私の肌は、見た目通りに弱弱しく繊細で、ちょっとした日焼けくらいですぐに痛くなる。その代りに、日焼けしても若さゆえの再生力ですぐに元の病弱そうな肌に戻るのだ。全体的に細くて白くて、もやしと言う他無い。日陰にいれば育つだろうか。強く擦らないように体を洗って、湯船に飛び込んだ。
「へぁー」
変な声が出た。湯に浸かるとき特有のあの声である。誰かと話している時は気にならないが、こうしてひとりでいる時に自分の声を聞くと違和感が凄い。私が喋ろうと思った言葉を、音声変換する何かが勝手に少女の声で話すような、そんな不可思議な気持ちになる。湯船に入るたびに毎回だ。未だに慣れていないという事なのだろう。
「いっちノコ、にノコ、さんノコ、キノコ」
私は歌う。自分の声に慣れるためと、どうせだからと今まで歌ったことの無い女性ボーカルの歌を歌う。これも入浴の度に毎回の事。浴槽の窓からは朝日が射して、湯船がキラキラと反射している。午前中のお風呂は不思議な背徳感があって気持ちいい。もう今日は一日何もしなくても許されるような、そんな心持になる。
「いっちノコ、にノコ、さんノコ、キノコ。にこやかキノコが旅をするー」
「なぜ僕たちは~生まれたんだノコ~」
「それを探すために!旅をするんだノコ!」
パニカさんが台詞パートを言い、私もそれに続く。
「「いっちノコ、にノコ、さんノコ、キノコ。どんどんぱ!どんどんぱ!」」
ここからサビだ。私は深く息を吸う。
「「YO立ち止まる事は許されぬ道、強固なキノコの揺るがぬ意志。かき鳴らせ光速のビート、探し出せ最適な湿度。次元を超えるぜキノコの旅路、KI・NO・KO!KI・NO・KO!震える菌糸、よそ見は禁」」
私はラップパートを途中で止めた。それに気付いたらしいパニカさんも歌うのをやめた。
「なんでうちのお風呂場にいるんですか!!!」
なぜかパニカさんがうちでシャワーを浴びてる。お風呂場に相応しいつんつるてん全裸である。幼女ボディ丸出し。朝食を共にとった後、今日はお休みにしようとふたりで決めたのだ。その後、用事があるというパニカさんはてってこ我が家を去った。そのはずだったのだが。
「まぁいいじゃないのシア。ついでよついで。それより大ニュースを持ってきたのよ!それを教えるために舞い戻ってきたの!」
髪をわしゃわしゃと泡立たせながらパニカさんが言う。シャンプーの泡が目に入るのを恐れているのか、瞼はしっかり閉じられている。
「……私はしっかり戸締りしてるんですけど、どうやって入って来たんです?」
「ん?そんなの合鍵に決まってるじゃない」
「いつの間にそんなの作ったんですか!?犯罪ですよ!!」
「何言ってんのよ。姉が妹の家の鍵を持つ事が犯罪なわけ無いじゃないの」
思わず私は頭を抱える。一方パニカさんはいたって真面目な顔をしていた。常識でしょ、と言いたげですらある。その姉妹設定に疑問を持つ私の方が間違っているような、そんな空気を醸し出していた。姉が園児って。無理がある。
そうこうしてる間に、髪と体をちゃっちゃか洗い終えたパニカさんが湯船に侵入してきた。それほど浴槽が大きいという訳でもないので、私の足の合間にパニカさんが座る。ちっこいパニカさんが湯船に座ると、湯の高さが口元のあたりまできてしまっていた。対応策として顔を上向きにして湯に浸かる事にしたようだ。その姿、まるでエサをねだる鯉のようである。
「あぁ~いい塩梅なのじゃ~」
何故のじゃロリ。色々気になる事はあるけれど、だんだん考えるのが面倒になってきて思考から手を離した。お風呂の癒し効果は実に素晴らしい。ぼんやりできる。湯船にパニカさんの髪が浮いていて、邪魔そうだったのでタオルで纏めてあげた。これは混浴なのだろうか。どちらかといえば育児に近い。
「それでパニカさん。大ニュースとは」
「そうそう!それを教えたかったのじゃ!今日やっと『攻略組』が帰ってくるのじゃ!わらわと見に行こうぞ!」
「のじゃロリに対して何か言いたい気持ちはありますが、その、攻略組ってたしか最先端の人達ですよね。帰ってくるとは?」
「奴らは気力体力が尽きるまで潜りっぱなしなのじゃよ!どこまでも突き進むその姿勢はカッコいいのじゃ!大概帰還と同時に大宴会を開くからの!ただ酒のチャンスじゃぞ!」
のじゃロリと言うか、もはやロリババアっぽい喋り方になってる気がする。これ言ったら怒るだろうか。攻略組。脇目も振らず迷宮に潜り続ける戦闘集団。私なんかじゃ及び付かないほど強い人ばかりなのだろう。なんとなくバーバリアンっぽいイメージだ。私も一度はそのトップ集団を見てみたいと思い、パニカさんに頷いた。同行が嬉しかったのか、パニカさんはにこにこしながら湯船を揺蕩う。暫しの間、湯船に浮かぶパニカさんをつついて過ごした。
涙目&上目使いの強欲女児を、クレープ屋台の店員さんは目を瞑って対応している。どちらも一言も言葉を発しない。この静かでシュールな戦いが始まってから、もうすでに数分の時は過ぎている。はぁ、とひとつため息ついた後、私はパニカさんの分含めてシンプルな味のクレープをふたつ買った。
広場は普段よりも人が多くて、ますますお祭りじみて見えた。雑踏から聞こえてくる話の内容は攻略組に関する事ばかり。みんな噂のトップ集団を見に来たのだろう。パニカさんは落ち着かない様子でそわそわし、一方私は噴水の縁に座っておとなしくクレープを貪った。次は小豆クレープに挑戦したい。絶対おいしい。
「来たっぽいわシア!ほらほら!」
女児が噴水の縁に立って迷宮入口を指した。危ないなぁと思いながら私もその方向を向くと、歓声と共に人垣がふたつに割れていく様子が見えた。
不敗の傭兵。歴戦の覇者。幾つかの単語が頭に浮かび上がるような集団が、堂々たる風情で迷宮から歩いてくる。20人くらいだろうか。巨人、竜人、虎獣人、魔族。大柄で筋骨隆々。強そうな種族の人が多く、そして当然のことながら強いのだろう。きっと私はデコピンで死ぬ。メンバー全員男性で、一様に上半身裸のバーバリアンっぽい格好をしていた。おおよそ私のイメージ通りである。
歓声を上げる集団に混ざったパニカさんが、噴水の縁の上で踊るように手を振り上げる。意外にミーハーらしい。そんな場所で踊ると水に落ちてしまう。不安に思った私はパニカさんを後ろから抱っこして確保した。
「あ!『オロチ』がいる!謎多きナンバー2!めっちゃレアだわ!ねえシア、あの巨人が『暴食』よ!食べれば食べるほど強くなるの!!きっと今日も調理部の食材を食い尽くすわ!!凄いのよ!!」
鼻息の荒い女児が腕の中で暴れながらやいやい言う。遊園地のナイトパレードを見る園児と似たようなリアクションである。苦笑いしながら頷いた。
熱気が増した広場に、突如ギターの音が鳴り響く。その後を追うようにドラム、ベース、シンセサイザーの音。唐突にロックな音楽が大音量で響き渡る。曲の元をたどれば、広場の一角でロックな男性たちが楽器をかき鳴らしていた。何故そんな現代風な楽器があるのか。立てかけてある看板の『けいおん!!!!部』の『けいおん』の部分が何故ひらがななのか。そのビックリマークの数は一体。疑問は尽きない。
「こ、これは!!奴らのテーマ曲よ!!!!!!」
ハッとした顔のパニカさんが声高らかに叫ぶ。突然のロックに動揺した群衆が、パニカさんの言葉で得心がいったような顔をした。訳が分からない。
「……あそこだ!!!!」
ひとりの男性が空を指しながら言う。丁度迷宮神殿とは対角にある小高い
建物の屋上。その場所は不自然に光り輝いていて、四人の人物のシルエットを映し出していた。
「「「「生徒会四天王!!!!!!」」」」
群衆の台詞が綺麗にハモった。なんだろうこのノリは。四天王とは。困惑しながらもその様子を眺めていると、その人影のうちのひとりが建物の上から颯爽と飛び降りた。地に華麗に着地した後、攻略組に対峙するように仁王立ちする。白い学生服を纏った細身の男性。純日本人といった外見で、長い前髪で目元を隠した大人しげな青年である。なぜか学生服の背中には猫耳ロリの萌え絵がプリントされていた。その界隈の人らしい。
「あれは生徒会会計よ!『スクエア』っていう強力な結界系の固有スキルで随一の防御力を誇るわ!!でもその結界能力のせいか、なんでか女性陣が近づかないのよ!!」
それは背中の萌え絵のせいでは。男性の野太い歓声が生まれたあたり、男性人気はあるのだろう。新刊待ってるぞ、等という不思議な言語が聞こえたが、私は聞かなかったことにした。困惑して眉皺を深める私を置いてけぼりにして展開が進む。ふたり目が飛び降りたのだ。赤い女学生服を着た金髪ポニーテールの女の子。年頃も女子高生くらいで、派手な色の制服がよく似合っている。腰に剣を差していて勇ましい。
「生徒会副会長!!!四天王最強よ!『切断』の力で全てのものを切り裂くわ!!治安維持部隊のトップも務め、不届き者も不届きじゃない者も疑わしきはとりあえず切って解決!三日に一度は人を切らないと手が震えるらしいわ!!!」
その女の子をよく見れば、赤い学生服だと思っていたそれは、真新しい返り血に染まった元白い学生服であった。どういうことだ。あの子が真っ先に捕縛されるべきじゃないのか。驚愕する私の横で、パニカさんが「ようチェックや!」等と言いながらメモをとってる。さっきからパニカさんの解説者キャラはなんなんだろう。スポーツ漫画にかならず一人はいるような不自然に説明口調の下っ端キャラ。
ドンッ、と鈍い音と共に三人目が着地した。いや、着地し損ねている。落下して俯せで倒れているその惨状、もはや言葉も無い。暫しの時を要し、着地に失敗した男性はむくりと起き上がった。冷徹な目をした七三メガネの男性。ひび割れたメガネをクイッと上げて、「計算通りだ」等と言う。何が計算か。言いたかっただけではないのか。変人のオンパレードに翻弄されて眩暈を感じる。
「生徒会書記!!!四天王最弱の男よ!実力的にはトップに近いのに『四天王最弱が最強だ』という迷言と共に自らトップから退いた男!!使い魔を無数に呼び出す能力で日々人件費削減に勤しんでるわ!」
人件費とか。案外世知辛い。街の治安を守る生徒会の功績は大きいのか、観衆が雄叫びを上げている。変人な部分には目を瞑っているのだろうか。落下した書記の人を見て臆したのか、最後の四人目はふつうに梯子を伝って降りてきた。黒髪をお団子頭にした女子高生、といった感じの女の子。観衆の中を気まずそうな表情で歩いてくる。たぶん、あの人だけ常識人だ。一連のノリに困惑しているように見える。すごいシンパシーを感じて、内心で声援を送った。
「生徒会の庶務よ!!全ての雑用は最終的に庶務のもの!!いつも走り回っているから『韋駄天』と呼ばれているわ!」
かわいそう。きっと毎日変人にこき使われているのだ。私は祈る。あの子の日々が穏やかなものでありますように。
生徒会四天王が攻略組の前に揃い、もうこれで一連の喜劇が終わったかと安堵したその刹那、四天王が現れた建物の屋上が眩い光を放ち始める。私は失念していた。四天王がいるということは、そのトップたる人物がいるはず。流れから言って生徒会長だろうと思う。ロックな曲が盛り上がり、眩い光の中に人影が現れた。目を細めて見るが、男性という事しか分からない。
やがてゆっくりと謎の光が納まり、その人影が姿を露わにした。
白い学生服を纏い、黒い頭髪を七三分けにしたメガネの男性だ。ヒビの入ったメガネの奥には冷徹な目が覗いている。
「なんで2回も登場するんですか!!!!」
私はキレた。どうみても書記の人である。
「さっきから何なんですか!変人紹介ですか!?街のトップ組織なのに!不安です!私、不安です!!」
「ちょ、落ち着いてシア!!深呼吸よ!!たぶんあれは尺が余ったのよ!!!!」
暴れる私をパニカさんが押さえつけてくるが、いかんせんパニカさんはちっこいから、ただ引っ付いているだけような状態である。幸い、広場は歓声に溢れているため私の心の叫びは掻き消されたようだ。今度は梯子を伝って降りてきた書記の人が、生徒会面々の前に立って仁王立ちした。もしかしてあの人が一番偉いのだろうか。普通その立ち位置は生徒会長じゃないのか。困惑深まる。
書記の人に相対するように、攻略組の中から一人の男性が出てきた。短く赤い髪に鋭利な顔つき。しなやかな筋肉を持つ背の高い男。おそらく攻略組のリーダーだろう。その男は書記の人の眼前まで歩いて、そこで立ち止まった。やっと出会えた怨敵のような、生き別れた親友のような、張りつめた緊張感と再開の歓喜が複雑に混ざり合ったような空気。いつの間にか全ての音が消え去っていた広場からは、時折、ごくり、という誰かが喉を鳴らすような音が聞こえる。
「相変わらず、眼鏡だな。書記」
「ああ。俺は四六時中眼鏡だぞ。バッカス」
向かい合う二人が静かに語らう。何でもない言葉のはずなのに、ふたりにとっては重い意味のあるやり取りのような、そんなふうに思える。張りつめた空気のせいだろうか。広場はシリアスな雰囲気だが、私だけは気にかかることがあってシリアスになりきれない。
「なんで!!なんであの人全裸なんですか!?」
「全裸?よく分かんないけど、あれが攻略組のリーダー『羅針盤』よ!転移者達に夢とロマンを指し示した男!チーレム希望の男たちの羅針盤!!」
攻略組のリーダー、全裸である。威風堂々全裸仁王立ち。これでもかというくらいにデザートイーグルを見せつけていた。かなりの数の見物客に囲まれているというのに悠然としている。不思議と見物客にも一切の動揺は無い。どういうことなんだ。治安維持の女の子、なぜ捕縛しない。なぜ切らない。どう見ても猥褻物を陳列している。私の疑問に、パニカさんは首を傾げた。私こそそのリアクションに首を傾げたい。もしかして私だけ服が見えてないのか。困惑が絶えない。異世界に来て今一番ファンタジー感を目の当たりにしてる。
「攻略組が10数人教会送りになったのは知っている。単刀直入に聞くぞ。11階層で何があった」
「正直な所、分からねぇってのが本音だ。どんどん動きが鈍くなる。どんどんミスが増えてくる。呪いみてぇなモンかも知れねぇ」
全裸男が天を仰いで言う。太陽が万遍なく全裸を照らした。
「呪い……か。今までにない情報だ」
「……おそらくだが、エリア全体に行動制限がかかってるぞ。原因は分からねぇが、時間と共に体が動かしづらくなってきやがる。おかげで攻略できずにこの体たらくよ。攻略組が聞いて呆れらぁ」
全裸男が自嘲気味に笑う。他の攻略組の面々も悔しげに唸った。
「あの、パニカさん……。11階層ってたしか……」
「ん?月刊チュートの情報だと雪原らしいわ」
「それ絶対寒いからですよ!!服着てないせいですよ!!!なんでみんな気付かないんですか!?そもそもなんで全裸なんですか!!」
「もう、どうしたってのよシア。今日は変よ?だいたい、『羅針盤』が全裸って。変なこと言うのね」
ほらみて、とパニカさんが全裸男を指す。指示通り見たが、完膚なきまでに全裸男である。
「ちゃんとネクタイしてるじゃないの。全裸じゃないわ。紳士スタイルよ」
「ネクタイしてれば全裸じゃないって何ですかその超理論!?え!?疑問持ってるの私だけですか!?私が変なんですか!?」
「ほらほら、シア落ち着いて。撫でてあげるわ」
精神の摩耗に耐えきれなくなった私は、素直にしゃがんで女児に撫でられる。変人だらけで困惑した私を、全裸男がトドメを刺した。何が紳士スタイルか。幼女ハンドで心の治療をされる私を置き去りにして、変人な生徒会書記が変態の攻略組リーダーとシリアスに話し合う。
「バッカス……。すまないな。調査を担うお前たちには苦労を掛ける」
「そんな目をすんな書記。まだオレの心は折れちゃいない。オレの炎は消えちゃいない。何度倒れても、何度負けても、勝てるまでやりゃあいつかは勝てる。進むしか能がねぇ馬鹿みてぇなオレだ。時々は立ち止まって酒を飲むが、それでもまたアホみてぇに進むのさ」
心配げな書記の人に対して、全裸男がニヒルに笑う。全裸なのに無駄にカッコいい事言ってる。そんなやり取りを終えた後、おもむろに全裸男が振り返って攻略組一同の前に立つ。
「おうオメェ等!!今回は負けちまったが負けは勝ちの始まりだ!反省もしねぇ!後悔もしねぇ!進め!進め!進め!この道の先にオレ等の夢がある!進行を阻むものは全て力で捻じ伏せろ!オレ等は止まることを知らぬ悪鬼羅刹!迷宮の化物共を蹂躙し!粉砕し!喰らい尽くして血肉に変えろ!!さぁ声高らかに叫べ馬鹿ども!テメェ等の夢は何だ!望みは何だ!!」
『『『チーレム!チーレム!チーレム!』』』
「上等だぜ馬鹿野郎ども!!しかしオレ等の動力は夢だけか?欲望だけか?答えは提灯通りにある!!飲むぞ!死ぬまで飲むぞ!!残念会の酒じゃねぇ!!ここから始まるオレ等の祝い酒だ!!!」
『『『うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!』』』
まだ午前中だというのに、攻略組と生徒会、そして野次馬たちが一斉に提灯通りに向かって移動を始めた。るんたるんたと跳ねるように歩くパニカさんが私を引きずる。ぐったりとしてる私には抗う術がない。そういえば、とふと思う。異世界に来て以降、私は変な人ばかり見ている気がする。もしかして転移者には変人しかいないのだろうか。例外はきっと私だけだ。
「こんな事もあろうかとタッパー持ってきてよかったわ!酔っ払いは勝手に貢いでくるから楽よね!!」
数々の悪事を働き『強欲』と呼ばれるパニカさんが爽やかに笑う。出てくる人出てくる人みんなキャラが濃すぎて胃もたれしていた私には、パニカさんの悪事を止めるだけの余裕も無かった。