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第2話~ステータス~

 あの召喚の間から出た俺たちは、リアルメイドさんに案内されてお城の廊下を歩いていた。


 歩いていると、赤い絨毯の敷いてある廊下とそこから見える場所は豪華にしてあったが、それ以外の場所は、質素な中に実用性の美しさがある品のいいアンティークが飾ってあることに気づいた。


 メイドさんに聞いたところ、この国は質実剛健を好むのだが、赤い絨毯の敷いてある場所は客が通る場所で、見栄とか色々あって、豪華にしなければならないらしい。


 俺たちには見栄を張らなくていいのかといったら、ここにしばらく滞在する以上意味がないから、と言われた。


 …そんなに睨むなよ瑠璃。しょうがないじゃん。リアルメイドだよ。男の夢だよ。たとえフリルが付いてなかったって、たとえロングスカートで踝まで隠れていたって、メイドさんなのだ。ゆったりしたメイド服の上からも分かるくらい胸もお尻も大きいのだ。顔も北欧美人なのだ。少しお話しして楽しむくらいいいと思うのだが。


 まあ、身のこなしから見て只者ではないが、異世界メイドなのだからそれぐらいで普通だろう。


 どうやら部屋は召喚の間?からは結構遠いようで、暇になったので歩きながら窓から景色を見る。


 どうやらこの都市は王城を中心に添えて、三重丸を形作っているらしい。仮に1番内側の壁を1番城壁、1番外側の壁を3番城壁とすると、1番城壁は王城の城壁だ。内側は宿舎や訓練場などの王城に付随する建物や施設が確認できる。


 2番城壁の内側はおそらく貴族街だろう。中世ヨーロッパ風の建物が多く立ち並び、その1つ1つがどれも格調高く見える。場合によっては商人も住んでいるのかもしれないが。まあ、通りを歩いている人々も身なりがいいので、金持ちの街で間違いない。


 3番城壁の内側は平民街だ。建っている建物も貴族街よりも1ランク2ランク下だ。だが、街はかなり賑わっており、貴族街が閑静な高級住宅街だとしたら、商店街の大通りのようだ。


 3番城壁の外側には草原が広がっており、その向こうには山が見える。大自然の景色だ。1番城壁と2番城壁が人を隔てるためのものであるのに対して、3番城壁は最も堅牢で、城壁の上にはバリスタや投石器なども置いてあるので、対魔物を想定しているのだろう。


 ただ、特筆すべきなのは、3番城壁の内側にあるドームだ。材質はさっぱりわからないが、かなり大きい。そしてその中に、武装した人々が入っていく。見た感じ闘技場っぽい。


「…ととっ。」


 ぼんやり外を眺めていたので、立ち止まっていたメイドさんにぶつかりそうになった。もう部屋についたようだ。もう他のみんなは部屋の中に入っていて、いつの間にか最後尾になっていた俺が最後のようだ。


「ごゆっくりどうぞ。」


 そう言ってメイドさんは無愛想なまま扉を閉めてどっかに行った。


「なあ、ここってあれだろ。王様が言っていた会議室的なところだろ。個室への案内は?」


「ふふっ。誠悟は夢中になって外見てたから聞いてなかったんだね。ここが会議室っていうのはあってるよ。ここでしばらく待機して、夕食の準備ができたら呼びにくるんだって。個室への案内はそのあと。」


「なるほど。」


 俺が外ばかり見ていたせいで聞き逃したようだ。


 異世界に来てもいつもと変わらずニコニコしている瑠璃に尊敬の念を抱きながら、椅子に座る。質素だが品のあるこの部屋にあう、座り心地のいい椅子だ。


 俺が椅子の座り心地を確かめているうちに全員が椅子に座った。


「まずステータスを確認しようか。さっき試してみたけど“ステータス”と念じればわかるようだからみんなやってみよう。」


「そうだな。自分の力量を把握するのはこの後の話し合いの重要な判断要素となるだろう。」


 翔の提案に従って、真っ先に返答した神崎を筆頭に皆がステータスを確認していく。皆が黙ったことによって訪れた静寂に背中を押されて、俺もステータスを確認する。


 ~ステータス~

       名前:藤宮 誠悟

      レベル:1

       称号:巻き込まれた者

      スキル:身体強化・中

          気配察知・大

          気配遮断・大

          剣術

          アイテムボックス

  ユニークスキル:鑑定

      ギフト:悪魔法

          聖剣召喚

          魔剣召喚


 なるほど。これが神様が言っていた俺の能力の調整か。他はともかく、ギフトに関しては覚えがありすぎる。


 ~ギフト~

  地球の神により、個体:藤宮 誠悟に与えられたもの。

  個体:藤宮 誠悟のみ見ることができる。


 うわっ。なんかいきなり出てきた。もしかして...。


 ~鑑定~

  見たものの簡単な説明を確認できる

  生物鑑定:生物のステータスの確認

  物体鑑定:アイテムの簡単な説明の確認

  重複鑑定:鑑定により表示された項目について、一段階のみさらに鑑定可能


 十中八九これだな。重複鑑定については、例えば、ステータスに載っている「鑑定」を鑑定して出てきた説明文の中の項目のさらなる鑑定はできないということだろう


 さて、早速重複鑑定してみよう。


 ~悪魔法~

  公爵級悪魔である藤宮 誠悟の悪魔としての技能と、藤宮 誠悟の行使可能な黒魔法をスキルとして体系化したもの


 王様との謁見時に悪魔時代の能力が行使できることは確認済みだったが、これのおかげだろう。しかし、これは助かる。悪魔としての能力がそのままというだけでもかなりの安心感だ。


 ~聖剣召喚~

  聖剣エクスカリバーを召喚する

  レベル1

  ■


 ~魔剣召喚~

  魔剣レーヴァテインを召喚する

  レベル1

  ■


 これは俺の武器だな。悪魔時代、熾天使の1体が装備していた聖剣エクスカリバーを強奪したのはいいものの、悪魔の俺には使えなかったので、黒魔法の大魔術で聖剣を反転させ、魔剣レーヴァテインを主武装としていたのだ。


 人間に戻ったということは俺も聖剣エクスカリバーを使えるということだ。あの超常の力を使えると思うとワクワクが止まらない。


 ただ、このレベルがわからない。他のスキルを鑑定してみたがレベルは設定されていないのでこの2つに特有のものだろう。


 一通りステータスを見終わり顔を上げると翔たちもちょうど見終わったところのようだ。


「じゃあみんなのステータスを踏まえたうえでこれからの相談をしようか。」


 翔の号令で、早速本題に入った。


 まず、それぞれのステータスの確認をするとのことなので、他人のステータスを確認できる俺は、真っ先にステータスを教え、他の3人のステータスを見ることにした。もちろんギフトに関しては秘密だ。翔はともかく神崎と瑠璃に悪魔に関することを教えるつもりはない。


 意図的に暇になった俺は、早速他の3人のステータスをみる。


 ~ステータス~

       名前:天川 翔

       称号:勇者

      レベル:1

      スキル:身体強化・極

          魔力増強・大

          剣術

          全基本属性適性

          アイテムボックス

  ユニークスキル:剣神


 ~ステータス~

      名前:神崎 空

      称号:勇者

     レベル:1

     スキル:身体強化・大

         魔力増強・中

         弓術

         嵐属性適性

         アイテムボックス

 ユニークスキル:千里眼


 ~ステータス~

      名前:朱烙 瑠璃

      称号:勇者

     レベル:1

     スキル:身体強化・小

         魔力増強・極

         杖術

         炎属性適性

         アイテムボックス

 ユニークスキル:煉獄属性魔法


 ~剣神~

  1日に1度だけ、剣術に付随する全戦闘技術・全戦闘能力超強化

  使用後行動不可

  常在戦場:使用者が戦場にいる限り、剣神スキルの効果が切れない

       剣神を発動中自動発動

       剣神の使用時間超過によるペナルティーの増加はない


 ~千里眼~

  遠視、望遠視、透視、俯瞰視、ロックオンの5つの能力を持つ

  百発百中:1日に1度だけ、自分の遠距離攻撃の数・威力を100倍にした必中攻撃を放つことができる


 ~煉獄属性魔法~

  1日に1時間だけ、物質、非物資を問わずあらゆるものを燃やし尽くす魔法を使うことができる

  乾坤一擲:使用限界時間を縮め、縮めた時間に応じて煉獄属性魔法の効果を上げる


 チート過ぎる……!え、なに!?ギフトもらって調子に乗ってた自分が恥ずかしいんですけど!


 スキルが俺より何倍もいいのは一目瞭然だし、何よりユニークスキルがまじチート。


 はぁ。ステータス見てものすごく疲れた。


 しかし、まあ、これからどうなるかわからないが、こいつらぐらいは守りたいものだ。


 ...って、俺が守る必要ないくらい強いじゃん!!

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