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戦うお嬢様!  作者: 和音
178/184

178 口封じ

 貴族街にあるバルム伯爵家の屋敷。

 すでに夜も更けてシンと静まり返った中、屋敷へ潜入していた。

 いつも思うのだが、よくデドルは器用に侵入ルートを見つけてくるな。

 最近それにも慣れたレオは平然としているが、ザドックはというと当たり前のように忍び込む私たちに言葉を失っていた。


「お嬢様、あそこを……」


 木の茂みを抜けて庭を見渡せる位置まで来た時、デドルが小声で告げる。その視線の先には、大きな窓から明かりが灯った室内の様子が見える。さっきの女の姿がある。彼女の前には椅子に腰かけたでっぷりとした中年の男性の姿もあった。


「あれが、バルム伯爵?」


 背後のザドックに尋ねる。


「は、はい。グルガ・バルム様に間違いありません」


 一度は惚れた女性の姿に唇を噛みしめていたザドックが頷く。

 

「メイズ! では、突然割り込んできたそいつらは誰だと言うんだ!」


 開け放たれた窓から声が漏れてきている。

 どうやら、ザドックの始末に失敗した報告にご立腹のようだ。メイズと呼ばれた女の後ろには、アシリカとソージュに打ちのめされた三人の男も頭を垂れて並んでいる。


「まさか、サンバルト家が秘密裡に動いているのではないだろうな……」


 顎に手をやり、不安そうな面持ちになるバルムである。


「いえ。それはないはずです。そのような情報は入ってきていません」


 メイズが首を振ってバルムの不安を否定する。

 その口ぶりから、あの女って隠密の類なのかしら。くのいちってこと? 色仕掛けで情報を集めたり謀略を張り巡らすなんて、あの清楚な顔立ちからは想像できないわね。


「そうか。それならいいのだが。サンバルトの当主が動けば、やっかいだからな。我らの計画にも支障をきたす」


 ほっとした様子になるバルム。

 残念。お父様じゃないけど、私が動いているから。しかも、すぐ側まで来てあげたわよ。


「しかし、旦那様。騎兵隊司令官の地位に比べて今回のなさりようは、あまりにも危険すぎではありませんか? なにしろ相手はあのサンバルト家です」

 

 少々気弱な顔になるメイズだ。

 言われてみればそうよね。騎兵隊司令官がどれくらいの地位か分からなけど、出世の為とはいえ、そこまでするか? ライバルを蹴落とすまではいいが、その相手は、この国で一番力のある家の次男だ。むしろ、それに取り入った方が楽ではないのだろうか。 

 しかし、そんな部下の意見にバルムが不敵な笑みを浮かべる。


「その先もあるとしたら?」


「その先、ですか?」


 メイズが首を傾げている。 


「お前たち草の者のくせに分からんのか? 確かに今のサンバルト家は飛ぶ鳥を落とす勢いかもしれん。だが、それがいつまでも続くとは限らん」


 何か物騒で縁起の悪い話のようだ。


「新しい時代を創る。三公爵家が牛耳るこのエルフロントに新しい風を巻き起こすのだ」


 おいおい、クーデーターでも企んでいるのか? ほら、隣でレオがすごい形相になっているじゃないか。


「ふふふ。その歴史にこのワシも名を刻むのだ」

 

 いい気分で自分に酔っているようだ。それが、逆に小物臭を漂わせている気もするけど。

 でも、王都近くに駐屯していて最強部隊と言われている騎兵隊の長になっても、そんなことが出来るのだろうか? いや、不可能だ。むしろ王家への反乱となるようなことに付いてこない者が大半のはずだ。


「いや、まさか……」


 小さく呟く。

 私の脳裏に、私への攻撃かもしれないというデドルの言葉を思い出す。

 他国へ軍事機密の流出。そして、それに加担しているフィンゼント。

 これらでダメージを負うのは、私やサンバルト家だけじゃない。フィンゼントとの同盟を推し進めた三公爵家の一角、ブロイド家にも累が及ぶ可能性がある。

 そして、今回の出来事は、ほんの始まりに過ぎないのかもしれない。遠大な計画のほんのさわりの部分ではないのか。

 一度は否定したが、やはりサンバルト公爵家をはじめとする三公爵家を追い落とそうとしている輩の仕業なのだろうか。

 ならば、そんな計画をこの男一人で計画実行出来るはずない。いくら何でも一伯爵家でどうこう出来る計画ではない。


「あっ!」


 後ろからソージュの短い叫び声がした。


「え?」


 思案に集中していた私が前を見た時はすでに遅かった。バルムたちが、もっと何か重要な事を話さないかと期待していた私を裏切る行動を起こすヤツがいた。


「お前たち! まさか、反乱を起こす所存か!」


 怒りの形相となったレオがいつの間にか一人飛び出していた。

 何、勝手な真似をしているんだ!?

 だが、もう一人私の想像を超える人物がいた。


「ハチ殿! 王国へのその忠義心、感銘致した。助太刀致す!」


 そのもう一人はザドック。


「ザドック?」


 開いた窓からメイズが顔を覗かせる。


「貴様のせいで、この俺は一度は知らずにとはいえ、国を、恩ある上司であるイグナス様を裏切った。その報いは受けるつもりだが、その前にせめて一矢報いたい。そして、イグナス様の無実を証明してご恩を返すのだ!」


 すでに恋から目が覚めたのか、メイズに向かってザドックが声を張り上げる。


「よく言った! 女に騙される愚か者かと思っておったが、その心意気、見直したぞ!」


 レオが感動の面持ちでザドックを見つめている。

 でもさ、あの二人、丸腰だよね。ま、レオは魔術が使えるけど、それをザドックにも期待出来そうにない。


「何だ、こいつらは? まさか、付けられていたのか?」


 顔を顰めたバルムがメイズたちを引きれ庭へと出てくる。


「申し訳ありません。まったく気づかずでした」


 一瞬だが、メイズの綺麗な顔が屈辱に歪む。


「この者が、イグナスの印を手に入れるのに利用していた者です。それと、もう一人は確かさっき邪魔した奴らの仲間の中にいた者です」


 だが、すぐに気を取り直してバルムの問いに答える。


「まあ、いい。手間が省けたと思おう。今度はきっちり仕留めよ」


「はっ」


 メイズは頷くと、すっとバルムの前に出てレオに向き合う。


「ザドック。随分な言いようね。もう私に興味ないのかしら? 寂しいわ」


 清楚な顔からは想像出来ないようなぞっとするような冷たい声色である。


「じゃあ、さっき上げれなかった死という名のプレゼントを上げるわね」


「何とでも言え。俺は、この命をイグナス様、そしてエルフロント王国の為にのみ使う!」


「まあ、勇ましいこと……」


 そう言って、メイズはレオの顔を見る。


「こちらは随分と綺麗な顔ね。でも、残念だわ。そのみすぼらしい恰好が残念。着飾れば、きっとその顔映えるわよ、あなた。でも、その機会も訪れないけど……」


 そう言いながら、すっと胸元から短剣を取り出す。後ろの男たちも、抜刀している。


「お嬢様、あの間合いでは魔術が発動する前に剣が届いてしまいます」


 アシリカが焦ったように私に告げる。


「お嬢様、これ、使いやすよ」


 そう言ってデドルが胸元から何か取り出したかと思うと、それを投げ付ける。

 ポンという音と共に白煙がレオとザドックの周囲を包む。


「うわっ!」


 バルムらの叫び声が聞こえてくる。


「ほら、今よ! 行くわよ!」


 私もその白煙の中に飛び込んでいく。


「アシリカ、小さな風を起こして。この白煙が消える程度のね」


「はっ」


 アシリカの起こした風にかき消された白煙の中から私たちが姿を現わす。

 ちょっと、この登場の仕方、かっこいいかも……。


「な!」


 突然増えた私たちの姿にメイズたちが驚きの表情を浮かべる。


「ごめんなさいね。驚かせちゃった?」


 不敵な笑みを浮かべて、鉄扇を腰のベルトから抜く。


「貴様ら、どこの手の者だっ!?」


 バルムが怒鳴り声を上げる。

 私たちこと、どっかの隠密とでも思っているのかしらね。


「あら? 私をご存じありませんのね。まあ、無理もありませんわね。あまり社交の場にも出ませんし……」


 そう言いながら鉄扇を開く。現れたのは扇面に描かれた白ユリの紋章。


「白ユリだとぉ!」


 さすがにこれには、バルムも驚愕に満ちた顔となる。


「伯爵殿! 白ユリの紋章の御前にございます! 立ったままでおられるは、無礼ではございませんか!」


 アシリカの鋭い言葉に、慌てて膝を付き礼を取るバルム。それに倣ってメイズたちもひれ伏す。


「さて、バルム子爵」


 鉄扇を閉じ、バルムを見下ろす。


「我が兄の為に随分とお手を煩わせてしまったようですね。そこにいるザドックを利用して……」


 ちらりとメイズを一瞥する。


「それに、さっきから随分と楽しそうなお話をされていたようですわね」


 その言葉にバルムの額に汗がにじみ出す。


「いったいどういう事なのでしょう。私にも理解出来るように説明してくださる?」


「くっ」


 短く呻くバルム。


「あなたの名が刻まれる歴史とやらを私にも聞かせてくださいな」


「もういいっ!」


 鬼の様な形相になり、バルムが立ち上がる。


「小娘が調子に乗りおってからに! ふん、何の話かは知らんが、どこに証拠があるんだっ! ワシは何もしておらんっ!」


 開き直ったわね。でも、彼の言う通り、証拠と呼べるものは底の開いた封筒くらい。それが、バルムと繋がる証拠とは言い難いのは確かだ。


「それにな、ここはワシの屋敷だ。そこに押し入っているのは、そっちではないのか? 貴様、さては、ナタリア嬢を騙る不届き者だな。この場で始末してくれるわ!」


 そう来ましたか。ならば受けて立とう。


「愚かなこと。姑息な手段で人を陥れ、自らの立身出世しか眼中にないとは、とても一軍の将とは言えませんわ」


 鉄扇をバルムに向ける。


「悪役より悪いなんて許せませんわ。お覚悟、よろしくて?」


 凍てつく視線をバルムに向ける。


「懲らしめてやりなさい!」


 私の言葉にデドルとソージュが飛び出す。

 それに素早くメイズたちが反応したのは、さすが隠密と褒めるべきか。


「おいっ! 狼藉者だっ!」


 バルムの大声に警護の者たちもやってくる。


「殺して構わんっ!」


 血走った目でバルムが叫ぶ。

 十人ばかり増えたが、そこにアシリカが特大の氷塊をすかさず放つ。

 半数あまりがその氷塊の餌食となる。白目を剥いて、状況をよく把握できないまま、倒れ込んでいく。

 そこにすかさず、ソージュの突っこんでいく。まずは走りざまに掌底で一人、続けて背後から襲いかかろうとしていた者に廻し蹴りを食らわせる。二人を瞬く間に打倒したソージュに残り三人がたじろいている。


「来ないノ? だったら、こっちカラ……」


 無表情のまま小首を傾げてソージュが腰を落とす。

 次の瞬間、一気に間合いを詰められた応援組の残り三人の腹にソージュの拳が突き刺さる。顔を苦痛に歪めて仰向けに倒れ込んでいた。

 これで、応援に来た奴らは、片付いたな。早かったね。ま、予想通りだけどさ。

 一方のメイズ率いる忍び組はデドルと対峙していた。

 アシリカとソージュが応援組を片付けている間に、デドルの方もすでに男二人を倒していたようだ。


「その動き、お前も草の者か?」


 綺麗だったメイズの顔に焦りと動揺が出ている。すでに、清楚な雰囲気はどこにもない。


「あっしは、只のお嬢様専属庭師兼御者兼門番だよ」


 デドルが口元に笑みを浮かべながら答える。


「はぁ? 何を訳の分からないことを……。だったら、こうしてやる。倒さずともいい。この男の動きを止めてなさいっ!」


 残った配下の男にそう告げると、メイズが私に向かってくる。


「お嬢様、そっちに行きやしたが、お任せしても?」


 男の攻撃をひょいひょいと躱しながら、余裕の表情と声のデドルである。


「ええ、一人では物足りないくらいよ」


 笑顔で答え、メイズを迎え討つ。


「死ねっ!」


 短刀を振り下ろしながら、メイズが鬼のような形相で叫ぶ。


「それは、お断りですわ」


 鉄扇で打ち下ろされた短刀を難なく受け止める。 


「う、嘘……」


 まさか貴族の令嬢に、あっさりと受け止められるとは思っていなかったのだろう。


「私、これでも剣聖の弟子ですから」


 そう微笑むと、鉄扇を横に薙ぎ払う。驚愕に固まったままのメイズの顔面を捕えた鉄扇がその体を吹き飛ばす。吹き飛ばされた彼女は、バルムの足元に転がっていく。さらに、その横に転がってくるのはデドルが相手をしていた忍びの男だ。


「これは、一体……」


 たいして時間も掛からずにすべての配下を倒されたバルムが呆然となっている。


「言いましたわよね? 懲らしめてあげるって」


 もう忘れちゃったのかしらね。


「う、訴え出てやる。証拠もなしに人の屋敷でこの乱暴狼藉。これで、お前もおしまいだ。こんなことする奴に王太子妃になる資格など無い!」


 バルムは、ワナワナと震えながら顔を真っ赤にしている。

 アンタには、一軍を率いる資格が無いと思うけどね。


「なら、これはどう申し開きするつもりだ?」


 レオの低い声。その手には、大量の封筒がある。しかも、底が開いているものばかりである。

 おお! いないと思っていたら、いい仕事をしてるじゃないか。


「そ、それは、ワシの趣味だ。封筒作りが趣味でな。作りかけのものだ」


 いや、それ、言い訳にしてもかなり苦しいと思うよ。


「ならば、これは?」


 レオに続いて屋敷から出てきたのは、ザドック。こちらも大量の封筒を抱えている。


「何やら多くの方の印が封蝋に刻まれていますね。ご丁寧に、名前を添えてくれているので分かりやすい」


 ザドックがその記された名を読みあげていく。軍の高官からかなり高位の貴族の名もある。


「あの二人に何か証拠になるようなモンがないか探す様に頼みましてね。ここまでの成果を出してくれるとはね」


 デドルの指示か。抜け目ないな。ま、お陰でバルムの言う証拠になるかもね。


「バルム。これらの品々、どう申し開きされるおつもりでしょうか? その辺は騎士団にでも調べてもらいましょうかしらね」


「くっ。こんな小娘にしてやられるとはっ」


 バルムが悔しそうに私を睨みつける。


「ならば、ついでだっ! 貴様の命、貰ってやる!」


 素早く気を失っていたメイズの短剣を拾うと私に向かってくる。


「不届き者めっ!」


 アシリカの魔術が放たれる。


「ぐわぁ!」


 私の前に辿り着く前に氷塊がバルムに直撃して、その体ごと吹き飛ばされる。


「う……。甘く、見るな……。きっと……、ワシを助けてくださるはずだ……」


 そう言い残して意識を失い、ガクリと倒れ込む。


「助けてくれる?」


 誰が助けてくれると言うのだ?


「そう言えば……」


 ソージュが何かを思い出したのような顔となる。


「さきほど、歴史に名を刻むと言っていた時、『ワシも』と言ってマシタ」


「言われてみればそうね……」


 確かに言っていた。そして、その時のバルムとメイズの会話。三公爵家を追い落とすなど、とても軍の一将校の伯爵が描き実行出来ることなど無理な計画。

 ということは、やはり他にも仲間がいるとみて間違いない。それも、騎士団に捕えられたバルムを助けることが出来るくらいの力は持っている者。

 いったい誰だ?


「しかし、困りましたね……」


 一方のアシリカが困り顔である。


「この者の態度、お嬢様のご成敗を黙っているとは思えません」


 彼女の一番の悩みは私の世直しがバレないことか。


「ああ。それなら大丈夫。ちゃんと、考えてるからさ」


 そう言って、笑みを浮かべながらザドックを見つめた。




 あの後、ザドックにサンバルト家の屋敷へと走ってもらった。イグナスお兄様に来てもらう為だ。お兄様の無実を晴らすには、ご自身の手で解決してもらわないといけない。

 事のカラクリとその実行者を独自に調べていたザドックがイグナスお兄様に知らせた、というのがその筋書きだ。自分の罪を告白するに等しいその報告だが、ザドックは快く引き受けた。覚悟を決めた顔で……。彼も罪に問われるだろうが、それを後悔して自ら調べてイグナスお兄様に報告したとなれば、少しはその罪が減じられるだろう。

 私の名を出しても、苦し紛れと思われるだけだろうし。それに、私にはアリバイも作る。レオと一緒に学院にいたという最強のアリバイだ。実際一緒にいたしね。ま、学院ではない場所でだけれどもさ。

 ところが、それをお兄様は別方向に裏切ってくれた。私が考える以上に評価の上がる方法で。

 お兄様はこの計略を見抜いており、ザドックと協力しあえて犯人を泳がした、としたのだ。

 お陰でイグナスお兄様の世間の評判は、一転して急上昇。敢えて、一時の恥を忍び犯罪を犯す輩をおびき寄せたと、その知恵と度胸を絶賛されたのだ。

 多分、ガイノスあたりだろうな、このシナリオを考えたのは。もちろん、今回の私の行動も分かった上でさ。

 どちらかと言えば、事務仕事が苦手なイグナスお兄様とその従者が、事務官としては優秀で気心の知れたザドックを手放したくなかった、という事情もありそうだけど。

 まあ、エリックお兄様と合わせて世間では、サンバルトの兄弟は揃いも揃って優秀だとサンバルト家自体もさらに名声を得ていた。

 あの……、妹は? と思わないでもない私もいる。

 そして、イグナスお兄様に踏み込まれ証拠の封筒と一緒に倒れていたバルムたちだが……。

 イグナスお兄様によって、騎士団に引き渡されたものの一言も話さなかったそうだ。そして、そのままこの世を去っていったのだ。

 翌日に牢で死んでいたらしい。その配下も、だ。

 その報を聞いて、呪術か、と思ったが、どうやら違うようだ。夜中に忍び込んだ何者かに刺殺されたそうだ。リックスさん情報だから間違いないだろう。

 どうやら、口封じのようだ。助けの代わりに刺客が来たというわけか。


「どうやら、呪術以外の者たちのようですな……」


 寮の自室でデドルからの報告を受けていた。


「そのようね……」


 最初からレイアたちでは無い気がしていたが、やはりそうか。


「敵が増えた、って考えていた方がよさそうね」


 今日は天気が良くない。今にも雨が降り出しそうなどんよりとした厚い黒い雲に覆われた空を窓から眺めながら頷いていた。


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