平行線の世界観
教室にはいつもと変わらない風景があり、時間はあせくせと着実に仕事をしている。
ただ一つ違うことは、皆の今までの世界から桔梗茜という女性の存在が消えてしまったこと事だ。
だが、俺の世界には、頭には確実に彼女との記憶が、印象が、感触が残っている。
これではまるで、自分が逆にこのクラス、いや、学校という世界から逸脱している様にも感じれる。
ここまでは、俺のただ個人的考察だ。
皆が知っていた、桔梗はいない。
だが、俺には消えない、消えないんだ。
そんなことを思いながら、もう一度桔梗のほうに目を向ける。
転校生特有の質問攻めにあっている、この光景すら俺にはドッキリに思えるほど不自然だ。
だが、一つ気がかりなことがある
あの桔梗が、子犬の様にそわそわしている。
どちらかといえばムードメーカーのあいつが、おかしい...
「桔梗ちゃんってなにか趣味とかあるのー?」
「えっ...えっと特にないかな。」
「あっ、そうなんだ。それも個性だよね!」
クラスメイトの女子は必死にフォローしている
嘘だ、前までのあいつはもっとはきはきしてスポーツが好きで目新しいものに食いつくような
そんな女性だった。
「桔梗さんって、なんだか俗にいう清楚系って感じしてスゲー俺好み。」
「これだから童貞こじらせてる奴は困るわ」
嘘だ、お前は前の桔梗に失恋した挙句学校中に性癖をばらまかれただろうが
まあ、それが彼の童貞に至る理由なんだが
いいや、いいやそんなどうでもいいことは今更関係ない
俺は直接、彼女に聞きたい
訪ねたい、知りたい
心の思考より身体が先に施行した
「ちょっと、お前こっちこい」
そういいながら、桔梗の手を引く
「えっ・・・?」
桔梗はつぶやくクラスはざわめく、それもそうだ俺なんてアニメで言うモブもいいところだ
そんな奴が、いま一番話題の美少女転校生を無理やりどこかへ連れて行ったんだから、ただの事案にしか見えない
そして確実に俺の声は震えていた、それに何だこの小学生並みの連行は...