Action
(流れで店に入っちゃったけど、これでいいのか俺は・・・)
そう、憂鬱気味な顔をしている目の前で桔梗は満面の笑みでパフェをむさぼっている。
「あぁそのパフェの一つ一つがおれの金なんて…」
「なになんか言った?」
「いや別に・・・」
桔梗は活発で時には男勝りな女の子
そして相変わらず会話は桔梗の一方通行
一方この男、女性に対するコミュ力のかけらもない。
だからこそこの男、女性に頼み事を受けるときには断れ無いタチなのである。
それに加え、何かしらの好意をもつ相手には最初は強気な態度をとってしまうが妙に関わりを持つような場面では何も言えなく言葉数が少なくなり、目を合わせて会話ができない会話のキャッチボールどころか会話のホームランのようだ
なんとも絵にかいたような童貞である。
そんなこんながあり、数十分が経ちだんだん会話にも慣れてきたところに桔梗が少し奇妙な話を始めた。
「そういえばさぁ、卒業式の時なんだけど。なんというかこー少し違和感をを感じなかった?」
「違和感・・・?」
僕はふと卒業式の時を思い出した
「確かになにかこう、いつもと違うような雰囲気だったのは俺も感じてたし違和感もあったのは確かだ」
「やっぱー!!私だけじゃなかったんんだ。よかったぁー!!」
桔梗は嬉しそうに高い声を出しながら安堵の顔を見せていた
「私だけじゃなかったってどういうことだ?」
最初は悩ましげな顔をしていた桔梗だがおもむろに口を開いた
「いや、ね。さっきした話を友達とかにも話たんだけど誰も何にも変わらなかったよって・・・」
「ほうほう」
「あんたって同じ学校だった事を思い出してダメもとで聞いてみたら。まさかの理解者だったなんて・・・うれしいような悲しいような。」
「おいおいなんで悲しむんだよ!!それにお前なに高校時代の俺の存在を忘れてるんだよ。だいたいお前は俺の…」
「俺の・・・?なぁーに?」
と桔梗は大きな目上目使いをこちらに向けている
(なんて可愛いんだ...)
純粋な気持ちとともに不覚にもドキッとしてしまった
(なんだよチクショー!!可愛いなオイ!!いかんいかんこんな自分次第自分勝手女のペースに乗せられてしまっては!!)
「いや...何でもないです。」
目の前の小悪魔にそんな言葉しかかけれないこの男もなにか考え直したほうがいいかもしれない
「でもね、私ケけっこーホッとしてるのよ。あんたみたいな根暗だとしても同じ意見を持った人がいて...」
桔梗は恥ずかしながら上目使いを中断し顔も明後日の方向へ向け目を合わせなくなった
この仕草も仕草で可愛い...
「根暗は余計だ。しかし、ただ同じ意見を持っている相手を見つけただけで喜びすぎなんじゃないか?お前は」
「それは...私卒業式が終わってから妙に胸騒ぎがしたり、たまに夢で校舎が出てきたりして少し不安だったんだ。」
「それは重傷だな、すぐに病院に行ったほうがいいぞ。ついでにその自分勝手な性格も直してもらえ」
「それ酷くなーい?」
言葉とは裏腹に桔梗の顔には笑みが浮かんでいた
そんなこんなで夕方を迎え帰路につこうとした時、突如桔梗に異変が訪れた
「頭が...痛い。」
と彼女には似つかわしくない顔をしながらうずくまった
問いかけても返事は返ってこない
さすがにこのような非常事態に感情を隠し切れずに
「おいおい大丈夫か!?」
回りの目も気にせず自分は叫んでいた。
どうしようかと焦り悶えていたところに
「っ!!....」
自分にも桔梗のような頭痛が襲い掛かってきたのだ
まるで頭の中を棘に締め付けられているような痛み
人生の中で体験したことのないような痛みをうけ男ながらにしてその場に膝をつけ痛みをこらえていた
頭に走る激痛の中、立ち上がろうと上を向いた
ーーーーーーーーーーーーーーその時ーーーーーーーーーーーーーーーーー
都会のビルの谷間の景色からは想像できない異様な生物のような‟何か”が顔を覗かしているのが見えた
それと同時に複数人の悲鳴が響き渡った
気づけばビルの谷間は火の海となっていた
夕焼けよりも紅く美しさすら感じられるそれは夕日に染め上げられた空を容易く多いつくし人々を街を簡単に呑み込みまるで飴細工のようにドロドロと溶かし破壊しながらこちらへ迫っていた
「桔梗!!逃げるぞ!!」
「うう・・・」
多少だが頭痛が収まった桔梗を背負いながら平衡感覚を失いながらもその場から一目散に逃げていた
鼓動が早い
焼ける様に熱く火照る身体
発作のように行われる呼吸と吹き出す汗
もうなにがなんだかわからずにただひたすらに身体をおぼつかせながら走っていく
今、自身に起きていることが現実なのか夢なのかの理解が追い付かないほどに混乱し頭痛とともに頭が破裂しそうだった
ただ1つ
この背中に背負っている小さな命だけは守ると心に決めた
阿鼻驚嘆の地獄絵図と化した都会を走り抜ける
もうそれだけしか考えられなかった
(神様せめてこいつだけでも助けてくれよ...)
すぐそこに、人の血よりも濃い紅い炎がすぐ近くまで迫っているのが皮膚から伝わってきた。
ーーーーーーーーーーーーーそんなある日の都内某所ーーーーーーーーーーーー
読んでくださった方々ありがとうございます!!
今回から展開が変わり現実に起こる描写を悩みながら筆を執らせていただきました。
個人的に執筆中映画ボルケーノや宇宙戦争などを思い出しました
(あぁ数々の名作に申し訳ない・・・)
そして!!メインヒロインの名前が今回から紹介されました!!
Dailyのほうにも編集しておきました
私の稚拙な文をここまで読んでいただき嬉しいです。
いろいろな意見を持ちながら読んでいただければなぁと思います
私自身、前のあとがきにも記しましたが文を書くのが苦手で様々な指摘や意見をくださるとさらに嬉しいし励みにもなります!!!!
これからも何卒お願いします!