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ギルド

俺は白椿の後を着いて行くと奥の和室に通された。

中は畳みになっていて、お客用の座布団が敷かれていた。


「まぁまずは座っておくれ」

「はい」


俺は言われたとおりに座布団に腰を下ろして正座した。

女の子も白椿が腰を下ろしてる横にちょこんと座った。

恐らくだが、使いに寄越す位だし女の子は白椿さんの専属かなんかなんだろうか。


「此度は不適切な配慮だったことはまずはお詫びしたい。美羽もすまないな、まさか残党がいるとは私もおもわなんだ。」

「わ、私は大丈夫です・・殿方様に助けていただいたので・・」

「俺も問題ありません。最初ちょっと驚きましたが何とか倒せたので・・」


一瞬俺自身の事を指す言い方を自分って言おうか迷ったけど・・。なんかあまり気を使いすぎて引き過ぎてもあれだし、すこししゃべり方はこれでいこう。

そんな俺に対して白椿さんは一度うなずいた


「やはりか。私が見込んだどおりとてもいい力をお持ちのようだな。 言うて相手は4人。それに竜族だったらしいからの、お見事だ」

「はぁ。どうも。」

「まぁ何はともあれ、まずは此方の世界、[四季の世界]へようこそだ。良くぞ話を信じ来てくれたな。」

「いや、まぁ・・俺自体が変な力持ってますしねぇ~・・こんな事もあるんだなって楽観的に見てたんですが・・・本当に来ちゃいました。」

「ははぁ~そうかそうか。愉快な殿方でなによりだ。でもまぁ、此方からはいつでも帰れるからの。心配せずとも良い」

「はい。」


で、まぁこの世界の名前は一応四季の世界で間違っていないようだな。

なんで四季なのかは分からないがな。

俺の元の世界でも、日本は四季折々の季節も持っている。

それとも、四季の季節を持ち合わせている世界が少ないから珍しいとか?

確かに、太陽の位置関係上とか世界様々で四季が変わらない可能性もあるしな。


「本当に暇してたのでこちらこそ招待してもらって恐縮です」

「ははは、そんなかしこまらずとも良いぞ?」

「はぁ・・分かりました」


白椿さんはかなりフレンドリーな感じの人だな、八方美人ってこういう時に使うんだっけ?

白椿さんは愛想よく振舞った後、本題に入るのか凛とした顔つきになり、俺にこの世界について説明をしてくれた。


「でわ、早々だが、ちとこの世界の大まかな説明だけでもするかの。恐らくお主はここへ来る途中に人間以外の生物や、ギルドや連合について、お主の世界にはあまり無い珍しいものを目にしたであろう。」

「ああ、確かに見ました。 襲ってきたのも竜族?でしたっけ?角とか生えてましたし。」

「そう、お主が来た様にこの世界では別世界からの移住人がとても多いのだ。中には強力な力を持ったものも多くての、それらを能力者とも言っておる。ほかにも能力者以外に、この連合会には猫族や鳥人間ハーピー等の人間以外の種族も多数おるのだぞ」

「なるほど。」


だから俺の事を盗賊のやろう共は能力もち、とか言ってたのか。

色んな世界から来るわけだから魔法とか使える人とかもいそうだもんな。

人間だけとも限らないあたりがまさしくファンタジー異世界って感じだ。


「だがの。今言ったように能力者みたいな強すぎる輩が好き勝手に暴れてはこちらの世界がめちゃくちゃになってしまう。しかも、お主が今日襲われた様に盗賊団のような悪名な輩やギルドがいくつもあるのだ。ただ、竜族は種族的に戦闘にひいでておるから普通は盗賊なんてそんな強くは無いからの。本当に運が悪いというか・・申し訳ない。」


なるほど・・どこの世界でも悪い事を考える奴はいくらでもいるんだな。

今回は本当にたまたまらしいが、危ない奴等がいるのも確かのようだ。


「まぁそこでだ。そんな奴等に抵抗するために人々が集まり、同じ目標や意志を掲げあった同士を募った場所がギルドといわけだ。早く言ってしまえば一つの活動だな。」

「なるほど。じゃあ、連合はそのギルドのいくつもの集まりってことですよね?」

「おお、言わずともか。その通りだ。 まぁ、そんな感じで今は物騒な話になってしまったが、その分この世界では多種族の文化もあるからとても良い場所だぞ。元々は娯楽の世界だからの」

「へ~。」


言われたとおり、この町なんかじゃ物騒な気配は無いし、それに環境もいい。

これだけ広ければ退屈せず遊んで暮らせそうな場所だと思う。


「もちろん、お主の様に強き力を持つものも多くいるからの、お主もその身に宿る力を隠す必要はない。むしろ、強ければ強いほど特な世界だ。ギルドでは討伐や退治の依頼なんかもやっておるのでな、それをこなして生活を補う人達も多くいる。力仕事の分、もらえるお金も多くなるものだ」

「なるほどですね~」


俺は白椿の説明にふむふむと相づちを打ちならがしばらく話を聞いた。

それから少しギルドなんかの細かい説明は取りあえず頭に入れとく程度に聞いといた。


「それでお主についてだが。今回は私の方からお主を呼んだのでな、遊ぶだけでも金銭面や生活面はすべて私持ちで構わん。しばらくこの世界を見て回るといい。で、だ。遊びついでで構わんがそこで人助けの話なんだがな・・。少し聞いてもらえぬか?」

「あ、そういえばそんな話してましたね」

「ああ、手助けというのはだな。こちらで珍しく力のあるものを調べて招待を試みたのだが。恐らく、お主ほどの力があればギルドに入ってるだけでも名声が上がると思うのだがな。」

「名声?」

「そう、名声だ。お主が遊びついでにどこかのギルドに入って退治の依頼なんかをこなしてくれればそこのギルドの名も上がる。しかも、名があがれば盗賊団なんかへの威嚇にもなるのだ」

「ああ~なるほど~、そういう事ですか」


つまりこう言う事か。

暇つぶし程度に人並み以上の依頼をこなせばギルドの名が上がってそのギルドを襲うなんて輩がいなくなるって訳だ。ほかにも物資の確保時の信頼や良い依頼が来ると言ったメリットがたくさんあるのだろう。


「まぁ、それくらいの事でしたらいいですよ。正直、この力を持て余すのが勿体無いと思ってました。」

「そうか。お主は来たばかりなのに話が通りやすくて助かるな。で、入って欲しいギルドなのだがな、それはこちらで決めたものに入ってもらいたいのだ。勿論連合は私が率いるものだから安心しておくれ。」

「分かりました、お役に立てるならどこでも特に構いませんよ。」


俺が承諾すると、一度女の子と顔を合わせると、もう一度俺に向き直り告げた。


「うむ。実はな、その入って欲しいギルドと言うのがこの美羽のギルドなのだ。」

「え?この女の子の?」


こりゃ驚いた。この子ギルドマスター的な位置なのか?

ちょっとそれにしては物足りない感じは否めないが今は話を聞こう。


「ああ、そうだ。正確には美羽の母親がやっていたギルドでな。私の連合の一員だったのだが、つい数ヶ月前に美羽のギルドが何者かに襲われてな。」

「襲われた・・?」 

「うむ。私が見込む中でもかなり強いギルドのはずだったがほぼ全滅したそうだ。遺体すら無い始末だった。」

「・・・・・」

「この世界では何が起こっても不思議じゃない。だが、こんな形でギルドを潰されるなど聞いたことなくての。私が応援に駆けつけた時にはすでに遅く、結局生き残ったのは美羽と・・後は年端もいかない子ども達だけだった」

「そんな・・・。」


嘘だろ・・・。この女の子のギルドは潰されていたのか!?

かなり重苦しい雰囲気になり。女の子もうつむいている。

急な展開というか・・これは人助けというより・・・本格的に協力したほうがよさそうだぞ。











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