プロローグ
天の子ども
「天の神様、神様。人間から『鬼が暴れて大変です何とかして』って依頼がきてますよ」
天の神様
「ええ? そんなの自分でなんとかすりゃ良いじゃん、試練だよ、試練」
天の子ども
「そ、そんな、酷いですよ! 鬼を作るとき気合い入れて強くしたのは神様本人じゃないですか! 人間作るときは手をぬいて弱っちくしたくせに! それに人間には、いつもお歳暮…じゃなかった、供物にミカンとかリンゴとか貰って喜んでるじゃないですか」
天の神様
「やかましいな。なんだよ、じゃあ自分で助けにいってこいよ」
天の子ども
「なんてこと言うんですか、仕事でしょ! 自分の!」
天の神様
「……ううん、いい、遠慮するからさ、天チャン(←子どもの名前)に仕事譲るよ。そだ、天ちゃん、神様になるのにあと何ポイント必要なんだっけ? この仕事したらさ、いつもの3倍のポイントカードに押してあげるから。ねっ、期待してるよ。天ちゃんなら大丈夫だよ」
天の子ども
「…えっ。ほ、ホントに…?」
天の神様
「ほんと、ほんと。ポイント3倍つけるし期待もしてるよ。ボクも自分でやらなきゃいけないんだけどね、ほら、今、ボク、仕事一杯一杯じゃない。天チャンがやってくれたら本当に、感激のあまりボク泣いちゃうぐらいだよ」
天の子ども
「わ、わかりました。わ、私でよければ…、頑張ります!」
天の神様
「ありがとう天チャン!!! そだ、天チャンはまだ直接天からどーのこーのできないから人間界に行かなきゃいけないね。でも大丈夫、船はちゃんと用意しておいてあげるからね。心配しなくて良いよ」
天の子ども
「あ、ありがとうございます!!」
こうして、天の子ども天チャンは、旅立つことになったのでした。