表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

短編集

追放されたNPCとドラゴン

掲載日:2026/04/08

俺は"幸福の悪夢"と呼ばれる大所帯パーティーに所属していた。

そして冒険者登録が出来る十八歳になった俺が人生で初めて所属したパーティーだ。

世間からは大手と呼ばれ所属出来れば尊敬の目で見られるほどだ。

俺は昔このパーティーに助けられたことがあったためその一助になれればと思い所属試験を受け合格した。

歓迎会で行われた神への拝礼や根性論全開の言葉の数々を聞いた俺は『もしかしてこのパーティーってブラックなんじゃ』と不安を感じた。


結果を言うとその不安は思いっきり的中した。

パーティーでの依頼は早朝から深夜まで行われ仮眠を取るためだけに帰宅する毎日。

そして所属して半年で俺は新人の教育係を命じられた。

俺は同期に所属した人の三倍ほど依頼の掛け持ちを命じられた上での教育係だった。

そのころには同期の半分近くがパーティーを辞めていた。

俺も辞めようと思ったが、せめて三年は続けようと我慢しようと決意した。

仕事量が増えるにつれ精神が参ってきたが『今辞めたらこの仕事を他の人がやることになる。それなら自分がやったほうがいい』と辞めなかった。

その後俺は精神を崩壊させ仕事どころではなくなった。

そしてリーダーに呼び出された俺は追放を命じられた。

これが所属してから一年半の出来事である。


そして現在


はぁ、色々なパーティーの所属試験を受けてるけど全部面接で落ちる。必要とされない俺に生きる価値ってあるのかよドラゴン討伐依頼でも受けようかな

「あのお客様、そういうのは辞めた方がいいですよ、親から貰った大切な身体ですよね」

「腕のことですか? 辞めようと思って辞めれたら困りませんよ。切らなきゃ落ち着かないんですから……貴女には分からないでしょうね、まあ分からない方がいいのは事実なんですけどね」

「そっ、そうですか」

俺に話しかける奴らは毎回こんな感じに離れる。

今の俺はパーティーに所属せずソロでやっている。


「あのNPC一丁前に人間みたいなことしてやがる」

ここは奴ら曰く元々はゲームという世界だったらしいが出られなくなったと訳の分からないことを話していた。

俺はNPCとかいうものではない、俺は人間だ。

……そういえばリーダーも最初のころ俺のことをNPCと言っていたな。

「この依頼を受けさせてくれ」

「あいつバカじゃねえの、死にに行くようなもんだぞ」

「死にたいんじゃねえか腕自分で切ってるし」

「いやいや目立ちたいだけだろ」

「あの本当によろしいのですか? 難度的には貴女に合っていますが受けたらさらに言われるのでは?」

「構わない」

俺が受けた依頼はドラゴンの卵の回収だ。


ドラゴンの住処にて


「あれあれこんなところに人間がいるなんて珍しい」

「誰だお前は?」

「誰だって? ここにいるなら分かるでしょ、ドラゴンだよ」

「俺を殺しにきたのか」

「いやいやそんなわけないじゃん。卵取りに来たんでしょ、あんたは他の人間と違ってむやみやたらに卵をとってないでしょ、だから殺さないの。一つなら譲るよ」

「でもお前の子供だろ、取りに来た俺が言うのもなんだが本当にいいのか」

「良いの良いの。それに依頼出したの私だから」

「なぜそんなことを」

「ドラゴンには自分の子供を他の種族に育てさせて見聞を広げてもらうって風習があるの。だから依頼を出して取りに来た者を親である私が見定めるってわけ。任せられないと思えば問答無用で追い払うか殺すし任せられそうなら話をする。あんたは私より強いしまともそうに見えるから」

「まともそうに……か」

俺はなぜか追放された件をドラゴンに話してしまった。

いや、なぜかではないか。俺は誰かに心の内を聞いてほしかった。


「それ酷くない? そんなの使い捨ての駒みたいじゃん。でも大所帯だとそんなものなのかもねぇ、代わりを探せばいいって……というより話を聞いた感じ危機回避かもね。精神を壊したやつが何かやらかす前に追放って感じじゃない?」

「聞いてくれたこと感謝する。お前の考えなら追放された理由が納得出来る。今まで理解は出来たが納得は出来ないって感じだったからな」

「いいっていいって、、それと子供は早くて三ヶ月ぐらいで産まれると思うよ。報酬はギルドに渡してあるから安心してね」

そして俺はドラゴンに感謝を伝えギルドに卵を持ち帰った。

「依頼達成おめでとうございます。報酬の三十万ゴールドです」

ダッダッダッ

「NPCが持ってていい金じゃねぇんだよ、俺様に寄越せ!!」

「毎度毎度面倒なんだよ!!」

報酬の金を奪われないよう俺は奴を投げ飛ばした。

「ガハッ」

奴らはどうしてこんなのばかりなんだ。

俺は奴らに呆れながらギルドを出た。


三ヶ月後ドラゴンの住処にて


パキパキッ

「見てみて産まれるよ」

卵が孵るのをあの時のドラゴンと一緒に見ていた。

「ギャッギャッ」

ドラゴンの子供の名前はサディ

あの時のドラゴンのディータと俺のサリュエルから取った名前だ。

依頼の後、呼び出された俺はディータに産まれる子には二人の名前から取りたいと相談されたのだ。

どうやらディータは子供のサディと俺の三人で旅をしてみたいらしい。



この物語はドラゴンの親子と俺の日常の話である。

そして奴らとNPCと呼ばれる俺たちの争いの物語である。

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

NPCがパーティーから追放される話を書いてなかったなぁと思い書きました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ