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ADHD勇者! 〜異世界行っても本気出せない、寝坊から始まる勇者譚〜  作者: 由良太郎


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10/18

番外編 勇者、座学で心を削られる(被害報告書)

本編の進行には直接関わりませんので、

読み飛ばしていただいても問題ありません。


世界観や設定の裏側、細かなディテールを

より深く楽しみたい方向けの補足となっております。


お時間のある時に、ぜひどうぞ。



――これは、剣でも魔物でもなく、

白髭の老人に精神を削られた記録である。



■ 魔力とは何か

魔力とは、生命エネルギーそのもの。

つまり生きてる限り誰にでもあるらしい。

「なら寝不足の日は魔力カスじゃん」と聞いたら、

杖で頭を叩かれた。納得はいってない。



■ 魔法について

魔力から魔法陣を生成し、

そこから炎、雷、風などの属性を発動させる。

イメージが重要、と言われたが、

頭の中がすぐ別のこと考え始める俺には難易度高め。

「集中しろ」で解決するなら苦労しない。



■ 魔力制御と身体強化

魔力を体外に放出し、

身体の周囲に留めることで身体能力を強化する技術。

通称“魔力強化”。

戦士なら少し訓練すれば誰でも使える基礎技らしい。

――じゃあなんで俺、三日間筋肉痛なんですか?



■ スキルの種類について

この世界のスキルは、大きく分けて6種類。

攻撃スキル/防御スキル/補助スキル。

一般スキル/ユニークスキル/エクストラスキル。

体内魔力を消費して発動可能。

大小問わずスキルは万ほどあるので

分類だけ聞くとシンプルだが、

老教師の説明は一切シンプルじゃない。



■ 攻撃スキル

文字通り、戦うためのスキル。

剣撃、斬撃、魔法攻撃など、

「当てて倒す」ための技がここに入る。

俺の【スラッシュ】も、この攻撃スキル。



■ 防御スキル

結界、耐性強化、ダメージ軽減など。

生き残るためのスキル。

「勇者なら欲しいだろう?」と言われたが、

正直めちゃくちゃ欲しいです!!


■ 補助スキル

能力上昇、速度上昇、魔力回復促進など、

戦闘を“有利にする”系。

今は特に戦い困ることはないが

もしあれば役に立ちそうだ。



■ 一般スキル

生活・補助・特殊効果系のスキル。

収納、鑑定、索敵、細工、料理など、

戦闘に直接関係しないものも多い。

俺の【イベントリ】は、かなりレアらしいが……

分類上は一般スキル。

「便利止まり」と言われた。納得いってない。



■ ユニークスキル

本当に“例外中の例外”。

個人固有で、再現性がなく、

スキルの内容次第では国が動く。

戦争が起きる。

王が頭を下げる。

老教師はそう言って、ニヤついた。


■ エクストラスキル

条件を満たした者だけが“後天的に発現”する特殊枠。

努力、極限、生死の境、特異な経験――

そういう“何か”を越えた時に芽吹くらしい。

「才能ではなく、到達点」と老教師は言った。



■ 身分制度について

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、平民、奴隷。

この世界はとても分かりやすく、

そしてとても理不尽だ。

「俺、勇者なのに自由度低くない?」

と聞いたら、

「勇者だからだ」と返された。意味が分からない。



■ 魔王とその配下

世界最強の魔王が存在し、

その下には四天王がいる。

さらにその下に、魔王の手先が山ほどいるらしい。

クソ雑魚から王国の精鋭騎士でも無理な強者まで、よりどりみどり。

よりどりみどりで来られても困る。



■ 魔王と四天王の情報

王都には、魔王に関する確かな情報はほぼ無い。

「じゃあ四天王は?」と聞いたら、

老教師は笑ってこう言った。

「会った者は皆死ぬ」

……冗談だと思いたかった。



■ 例外

ただ一人、例外がいる。

王国騎士団団長。

四天王と死闘の末、生還した男。

なお、その後は多くを語らないらしい。

語れないのか、語りたくないのかは不明。



■ 総評

この世界は、

思ってたより危険で、

思ってたより理不尽で、

思ってたより説明が長い。

そして俺は今日も、

剣より分厚い教本を抱えて逃げた。


――なお、逃げた先で捕まった。


(被害は継続中)

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