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あぁ、なんて息苦しい空なんだろう・・むかしは空をみてもこんなことおもわなかった・・だってこの空がアタシにとって、アタシたちにとってあたりまえの空だったから・・でも、あるひとから昔の空はこんなくすんだ灰色じゃなかったんだよ、ときいてから見方がかわった・・むかしは悪天候でもないかぎり空にこんなくすんだ雲はなく、ぬけるようなまっ青な空に、太陽とよばれるいまのバト・キアリが神々(こうごう)しくわたしたちをてらしていた・・よるは太陽はすがたをひそめ、母なる星、ユーパンのちかくに混在するさまざまな惑星たちがくらやみから顔をだし、あたかも宝石のようなかがやきをはなつ、そのまわりにはキラキラと小惑星がアクセントをそえて・・そんな空をアタシはみてみたい・・いやあたしだけじゃない、ここユーパンに住んでいるひとであれば皆そうおもっているはず・・このくすんだ排気まみれの空は、しずんでどうしようもないアタシたちのこころを救ってはくれない・・むしろ、助けをもとめるアタシたちのこころをさらに追いつめてゆく・・しかしあの空ならどうだ、このさしのべた手をすこしは拾いあげてくれはしないだろうか?・・そして、あたたかい光でアタシたちにあゆむべき道をさし示してくれる・・なんてね・・ああ、なんてあたしはバカなこと考えてるんだろう、大学生にもなってほんと嫌気がさす・・
ほおを叩くと、おもわず笑っているじぶんがいる。
・・さぁそろそろ寝よう、明日もはやい・・おやすみなさい・・
そう自分にいいきかせると、クレイは眠りにつくのだった。