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追放された堕落者と夕方の鉄パイプ ~壱話~

やっとリメイクがまともに出せる状態になり、これは記念すべき壱話です!

設定や出来事を少々変えましたがほとんど流れ的には変わっていません。


〜〜〜ここは惑星『キューブ』…ザー

この星で今、壮大な男たちの物語が始まろうとしていた!!!!!〜〜〜

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、白黒のテレビから子供向けのアニメが、

始まった。


大きな剣を持った主人公が、魔物をバッタバッタと

切り倒していく映像が、時折雑音を垂れ流しながら

流れている。


「つまねーな…」

それを見て、悪態をつきながらテレビを見ていた()()は、慣れた手つきでリモコンに手をやり、別のチャンネルにしようと、テレビにかざした。


“ピッ“

少し間が空いたあと、別のチャンネルがテレビに

映し出された。


次のチャンネルでは男のアナウンサーが生真面目な顔で記事を読んでいる。


”えー近頃、太陽が不自然な動きを

していると巷で騒がれています。

おそらくこれも例の…”


”ピッ”


つまらなかったのか、はたまた目当てのチャンネルじゃ無かったのか、”オス”はまたチャンネルを変えた。


次のチャンネルは、どうやら生放送をしているようで、”LIVE”と右端に記されている。


”オス”は少し気になったのか、リモコンを置き、

テレビの画面に集中した。


画面には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が航空機に乗り込む様子が流れている。


そして、その様子を追うように女性のリポーターが

カメラを誘導し、航空機に乗り込もうとする彼らに、なんとかマイクを向けようと、

同じように揉み合っている、リポーター達を突き飛ばしながら、自身のチャンネルのカメラに向かって喋り始めた。


”今まさに!この『地王じおう大陸』から

菌頭集(きんとうしゅ)』一族が飛び立とうとしております!

あっ!今目の前に来ました!どうか一言いただけませんか!”


女性リポーターが()()()と呼ばれる種族達に、マイクを向けようと必死にもがいている。


すると、菌頭集の一人がリポーターに近づいた。


”あ、あの!”


必死にもがくリポーターが何か言おうした瞬間、

菌頭集の男は、リポーターの手から無理やりマイクを奪い、自身の口に近づけた。


「貴様らの局にも()()が関わっておるのだろう!もはやこの『地王(じおう)』は終わりじゃ!

御目玉様(おめだま)に幸あれ!』」


菌頭集の男は、ぶっきらぼうに自分の言いたいことだけを殴りつけるかのようにそう言い捨てると、

マイクを握りしめ、カメラに向かって思い切り、

投げ捨てた。


幸い画面はヒビが入った程度だったが、

女性リポーターはキャーキャー叫んでいる。


現場はその一瞬で阿鼻叫喚へとかわった。


その瞬間画面が切り替わり、どこかの国のコマーシャルに変わった。


『猫』はテレビを消し、体を伸ばす。


「んー腹が減った…まだ食糧はあったっけ」

立ち上がって食糧棚を漁るも、

埃と蜘蛛の巣しか見当たらない。


「仕方ない、久々に外へ出るか」

猫は長く伸びた”耳”にボロボロのカチューシャを

身につけて、何枚ものボロ布を重ねた”トーガ”のようにした衣服を着る。


そして、森の中に佇む小さな小屋から、

二足歩行で『B地区』の外店通りへ向かった


〜B地区〜

”B地区”かつてはAからEまである巨大な

都市部だったが、()()()がきっかけで今は

B地区以外の都市は荒地となっている。


猫はB地区の小さな町「ニュウリン」に行き、

めぼしい外店に足を運んだ。


「これと…『ブレインチキンの缶詰?』『底辺妖精の油漬け?』

なんだこの店、ゲテモノしかないじゃないか」


猫は淡々と食糧の並ぶ台にブツブツ文句を言いながら回っていた。


「あ!?おまえ!」

店の店主らしき人物が猫に怒鳴り声をあげた。


「お前!また来たのか!もう来るなと何回言ったら分かるんだ!」

大きな声で店主は猫を怒鳴りつけた。


どうやら、猫は何回かこの店で盗みをしていたようで、店主に出禁にされているらしい。


だが、怒っている店主を尻目に猫はひるまず言い返した。


「うっせぇな、どうせここら辺の商品全部()()だろ、盗品を盗んで何が悪い」

猫は謎の理論を掲げて言い返したが、そんな物が店主に通用される訳もなく、店主はさらに声を荒らげた。


「何を生意気な!今ここで殺してやってもいいんだぞ!」

店主は猫の胸ぐらをつかみ、地面に放り投げた。


「お前みたいな『元教団』の嫌われ者はさっさと野垂れ死ねばいいんだよ!」

ぐちゃぐちゃの地面に投げ飛ばされ、猫は泥まみれになってしまった。


「いってぇな…暴力は良くないだろ、暴力は」

小言言う猫だったが逆上することはなく、

落としたカバンに食糧を詰めている


「だからそれをやめろって言っ…………」

店主は猫へ拳を振り上げた。


だが、店主は拳を下ろそうとしない、

それどころか手を振り上げてその場で固まっている。


そして徐々に店主の顔は青くなり、

大量の脂汗が額からあふれ出した。


周りの人々も同様に顔が真っ青になり、

その場で固まってしまった。


”コーン キーン コーン キーン”


それは鐘の音だった。

この音を聞き、人々は歩みを止めたのだ。


「またか…」

その中で唯一猫だけが冷静に、動きを止めた人々を

横目で見ながら帰路に向かっている。


”コーン キーン コーン キーン”


「ク、クソッなんでこんな辺境の地にまで…」

一人男がそう呟いた。


鐘の音は更に音を強めてゆく。


鐘の音が大きくなるにつれ、人々の鼓動も高まってゆく。


「頭を下げよ!!!!!」

鐘の音と混じって、拡声器を使ったような、

機械的でとても大きな音が辺りに響いた。


そして猫以外の全ての人々は土下座のような形で、

地面に頭を擦り付けている。


そしてニュウリンの入口である小さな門に、

鐘の乗った馬車が到着した。


「我らが『ブルースカート教』

これより、『巡礼(じゅんれい)』を行う

ニュウリンの民よ!顔を上げい!」


〜ブルースカート教〜


”教祖ブルースカート”をはじめとした

八人の『司蒼教(かんぶたち)』が『地王』各国を支配している。

奴らは『布教(ふきょう)』『巡礼』と称した無差別殺人を行い、その死体を持ち帰って儀式に使うなど、およそ『人』とは思えない所業から人々から強く恐れられている。


地王代表国の『地王制政府』は他国と力を組み、

ブルースカートと争ったが、

奴らのおぞましい程の軍事力の前に幾度として戦争に負け、今やブルースカートに立ち向かえるものは

地王大陸の中にいなかった。


ブルースカートの信者達がぞろぞろと大きな鐘の乗った馬車から降りてきて、隊列を組む。


信者たちは皆、頭と四肢を切り取った()()()()()()()()()()()と青いスカートを履いている。


隊列の一番前の真っ白な布スカートを履き、

更に両肩にもう二つの布を垂れ下げた信徒が、

一枚だけスカートを着ている信徒達をまとめている。


そして馬車から一際大きな人影が人々の前に現れた。


そいつは豪華な装飾に加えて、瞳を奪われるような、潤とした()()()を肩にさげている。


「『青布(あおぬの)様』

こちらがニュウリンでございます」

側近らしき信者が隊長と呼ばれる人物と

何かを話している。


「一体なんで、こんな辺境の地に…」

近くの一般市民が呟いた。


すると聞こえたのか、跪く人々の前に青布と呼ばれる人物は仁王立ちで現れた。


「司蒼教様からのありがたい伝言だ!

愚民どもよ、よく聞け!」

青布が喋りだした。


「近頃ここらで『反教団』が現れた。

そして愚民どもの中にその反教団が紛れているという噂だ。


だが、こんなに多くの中から探し出すのは

至難の業!

だから我々は今ここより、ニュウリンの『大巡礼(だいじゅんれい)』を開始する!」


〜大巡礼〜

通常の巡礼では、贄とされる人間を差し出して終わりだが、大巡礼は町の人間全てを贄として、

町が崩壊するまで殺し続ける。


()れ」

青布がそう言い放った瞬間、

隊列を組んでいた信者が市民の前に立つ。


「ひぃぃ、どうかお許ッ」


“ザシュッ”

市民が許しを乞う前に、

その信徒は市民の眼球に、

小さな短剣を突き刺した。


「あ、あがッどう…して」

市民は片方の目から涙を流している。


「かみ…さま…」

それを見て、短剣を刺した信徒は溜息をついた。


「はぁ…んなもん()()()()


“ガンッ”


早く終わらせたいとばかりにその信徒は、

もう片方の手に持った()()のようなもので目の前の市民の首をはねた。


“ドンッコロコロコロー”


最初、何が起きたか市民達は理解出来ていなかったが、目の前の転がる首と赤い液体が地面にしみこむのを見て、皆がパニックとなった。


絶叫に悲鳴、もしくは恐ろしさのあまり腰を抜かしたものや、覚悟を決めて、その場から動かないもの

など、色とりどりの人間の生への執着が大通りに大混乱を招いた。


「殺せ殺せ!愚かな愚民をすり潰せ」

瞬く間に大通りは血の海と化す。


そんな状態でも猫は持てる分の食料をもって、

猫は自分は関係ないとばかりに帰路へと歩く。


(また別の住処見つけないとなー)

そんなことを猫は考えていた。


その時猫の背後に何者かが忍び寄る

猫は咄嗟の反射神経で何者が振り下ろす()()を避けた。


(チッバレたか)

猫へ攻撃をしたのは、

ブルースカート教の信徒だった。


だが、三枚の布を持っていた信徒と違い、

猫と対峙したこの信者は、

ボロ布を履いているだけだった。


「じ、住民は全員粛清だ!」

信者は全く動じない猫を見て少し戸惑ったが、

すぐにナタを構えて、猫へ振りかぶった!


「危ねッ」

だが猫は咄嗟の瞬発力で避ける。


「オラァッ」

更に猫は、信者の足を蹴り転ばした。


「うわッ!」

信徒は思い切りお尻から転び、

そのままナタを落としてしまった。


「お前新顔だろ、『(いち)』の癖に個人行動とは生意気な奴だな」

猫は落ちたナタを拾うと、

転んでいる信者に目線を合わすようしゃがんだ。


「ま、待ってくれ!俺には家族がいるんだ!

金を稼ぐにはこれしかなッ……」


”グシャッ”

猫は躊躇なく、信徒の首を切り落とした


「関係ないな…そんな事より、

コイツなんか持ってないかな」

猫は慣れた手つきで遺体を漁り始めた。


“ガサゴソ…ガサゴソ“


「ん?これは…こいつの『家族の写真』か?」

信徒の持っていたカバンの中には、

血のついた武器以外に金色のペンダントがあり、

そこには、妻と娘と映る信徒の姿があった。


「馬鹿なヤツだな…教団なんかと関わるから、

こんな結末になるんだよ」

猫は切り落とした首の断面にそのペンダントと

押し込んだ。


「後で一緒に燃やしてやるか…

ん?まだなんかあるな」

ペンダントの他には封筒に包まれた

『家族からの手紙』らしきものもあった。


〜家族の手紙〜

親愛なる貴方へ

遂に残された食料も尽きてしまいました。

貴方が死地で頑張っている事は、

十分分かっています。

でも、生き延びには、

ここから離れなければいけない。

貴方を置いていく訳ではないけど、

もう待てません。

さよなら…


猫は手紙を読み終えると、“ふっ”と苦笑した。


「こりゃ浮気だな…

多分コイツが死ぬのを待っていたけど、

中々死なないから、さっさと出てったんだろな。

最後の最後まで哀れなヤツめ」

猫はその手紙も信徒の口に突っ込むと、

生首を脇に抱えて、その場から去ろうとした。


その瞬間!!


”ガサッ”

草むらから何者かの音と気配を猫は感じ取った。


(ヤバい、さすがに長居しすぎた)

そして振り向いた次の瞬間、

”何か”が勢いよく飛んで来た!


“ヒューンッ”


「うわッ」

またも間一髪で、猫はその”縄”を避ける!


“ガサッ”

「姿を現せ!コソコソと狙撃しやがってよぉ!」

すると、その挑発に乗るかのように、

攻撃をしてきた張本人が猫の前に姿を現した。


「外した…か、

流石は()()()…」

そう言い放った男は、

ブルースカート教信徒が被る被り物を付け、

牧師のような真っ黒なら服を着ている。

そして右肩に長い布をぶら下げていた。


「…少し話したいことがあるんだが、

逃げないでおくれよ…」

牧師は左手で待てと合図をしたが、

猫はいつ逃げようかと機会を伺っている。


「最初に攻撃したのはアンタだ、

アンタの命令なんて聞くわけないだろ!」

猫はその場から逃げ出した。


だが、


「逃すか!」

牧師は猫を追うッ!


だが猫の動きは早く動きを捉えられていない。


「クソッ!()()()を使うか」

遠くて見えないが、牧師は”バッ”と布を巻き上げると、なにか()()のものを猫に向けた。


(何をする気だ?)

次の瞬間、牧師の持つ筒状の何かから、

すごい勢いで、

森全体を覆うほどの()が発射された。


「ヤバい!」


“ガシッ”

猫は避けるつもりが網に足がからまってしまった!


「まずい!早く取らねぇと!」

網を取ろうとする猫だっだが、

足にまとわりつく網は、

何故か猫から離れようとせず、

離そうにもどんどん網は猫の足を締め付ける。


「畜生!なんなんだよこれ!」

猫が暴れ回っていると、網を抱えている牧師が、

ゆっくりと猫に近寄ってきていた。


「無理に剥がそうとしても無駄だ、それは力を加えれば加える程締め付ける、足を切断したくなければ大人しくしておけ」

牧師は落ち着いた様子でそう言うが、猫は無視して

網を引っ張っている。


「クソックソッ!これ外せ!おい!」

猫は抵抗で脇に抱えた信徒の首を投げるが、

牧師にには何の抵抗にもならず、

あっさり避けられた。


「あぶねえな…はぁ…」

牧師は”ハァ”とため息をつくと、猫に近いた。


「一度眠れ」

牧師は猫の頭めがけて、

落ちていた大きな石をなげつけた。


「うわぁ!」

“ドカーンッ!“

猫はマトモに顔にぶつけられ、

一瞬で意識を失った。


「アンタの力が必要なんでな」



前回は教団の支配しているのがこの星全体でしたが、ほかに書きたいことができたので、

地王と呼ばれるところを支配してる設定にしました。

あとはもうちょっと文明が遅れてる感を出したかったので電気屋ではなく市場にしました。

それと前は幹部と書いていた奴らは司教に変えました。



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