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結芽とデート 1

 とある休日。

 桜の花びらは散り始め、黒いアスファルトは薄汚いピンク色に染まっている。

 前日雨が降ったからだろうか。地面に散った桜の花びらは瑞々しい。

 駅舎の前で結芽を待つ。

 結芽が「せっかくのデートなら駅とかで待ち合わせしたいよね」と口にしたのでこれを採用した結果である。

 確かにこちらの方が味気がある。家の前で待ち合わせとか、デート感は皆無だ。


 スマホに視線を落としてながら結芽を待つこと数分。

 俺の目の前で足を止める人が一人居た。

 顔を上げるとそこに立つのは結芽。


 「おはよう」


 フード付きのワンピースを大人らしく着こなす結芽。

 大人可愛いとはまさにこの事だ。

 ワンピースという派手な服装と落ち着いたブラウンという絶妙な組み合わせで大人っぽさを演出しつつ、可愛さも演出している。

 トレードマークのポニーテールは変わらない。その一面を見つけてホッとする。


 「おはよう、似合ってるな」


 思ったことを素直に口にする。

 デートだからね。


 「爽くん。おだてても何も出ないよ」


 チラッと視線を寄越すと直ぐに俯き、歩き始めた。

 俺は結芽に着いていくように歩き、駅の改札をくぐる。

 下りと上りに別れるところで足を止めた。


 「今日は映画に連れてってくれるんでしょ?」

 「そのつもりだけど。他のところにするか?」

 「ううん。映画で良いよ」


 ということで映画へと向かう。

 水族館とか動物園とかでも良いのかなと思ったりもしたが、ちょっとハードルが高かった。

 一応デートとして女の子と出かけるのは人生で初めて。

 道中緊張することは容易に想像できたので、喋らなくてもどうにかなる映画を選択した。

 我ながら英断だと思う。

 電車で揺られること数十分。

 五つくらい駅を通り過ぎて到着した。


 「どんな映画観るの?」


 駅を出た結芽は首を傾げる。


 「最近話題なってるアニメ」

 「あー、あれね。私観に行こうか迷ってたんだよね。流石爽くんじゃん」

 「今の褒めてる?」

 「うん、ちゃんと褒めてるよ」


 ニコッと微笑む結芽。

 彼女のことを見つめながら映画館へと入った。

 俺の隣を歩く結芽の横顔はとても美しい。

 こんなかわいい女の子とデート出来ているのかという自分に驚き、映画鑑賞中も隣に美少女を連れているという事実が頭の中をチラつき内容が全然頭に入ってこなかった。

 なんだっけ。

 ほとんど内容が頭に入っていない。


 「はぁー! 爽くんめっちゃ面白かったね!」


 パーッと晴れやかに笑う結芽の横で俺は「そうだね」と笑うが、内心はめちゃくちゃ焦っていた。

 ほとんど内容が頭から抜けているのだから焦って当然だ。

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