日常45 マブダチ。同族はやっぱり嬉しい
翌朝。
「うぐぅ……な、なんじゃ。頭がすごく痛い……」
朝起きると、何とも言えない頭痛が儂の頭部を襲っていた。
ガンガンと内側から槌でぶん殴られているかのような痛みがし、寝覚めがとてつもなく悪い……。
というか、昨日のことがほぼほぼ思い出せぬのじゃが……。
儂の過去話をして、四人にものすごく同情されたところまでは覚えておるが、どうにもその先の記憶が曖昧。
一体何があったと言うのじゃ。
「と、とりあえず、この頭痛をどうにかせねばならぬ……」
ガンガン、ガンガンと痛む頭を抑えつつ、何とかベッドから起き上がる。
……そう言えば、儂はいつ眠ったのじゃろうか?
「……それにここは、ホテルの部屋、か?」
首を動かすと頭痛が発生するが、なんとかそれを我慢しつつ周囲を見回す。
すると、そこがホテルの一室であると気付く。
……いやまあ、ここまで絢爛豪華な部屋で眠っておれば、気付くわけじゃが。
これはあれか。噂に聞く、スイートルームと言う奴か?
儂がこの部屋で眠っていた理由はおそらく、ここの従業員たちによるものじゃろうな。何せ、なぜか儂を敬っておったしのう。
まあ、ともかく部屋を出て……
「うぷっ……まずい、吐き気もしてきた……」
行こうとしたら、強烈な吐き気を催し、天蓋付きのベッドの支柱に手を付き、もう片方の手で口元を抑えた。
き、気持ち悪い……。
「い、一体儂に、何があったと言うのじゃ……?」
まったく記憶がない昨日の交流会で何かあったと思うべきじゃが……如何せん記憶がない。何があったのかさえ、思い浮かばないわけで……。
「……うぅ、気持ち悪い……頭痛い……」
もうすでに、グロッキー。
どうにかする手立てはないかと部屋の中をのろのろ、のそのそと動き回ると、ベッドのすぐ横の机の上に、錠剤らしきものと書置きがあった。
「どれどれ……『昨日は大変でしたので、こちらのお薬をお飲みください。強烈な酔い覚ましではありますが、効果は見込めます。ただ、少々吐き気と頭痛が残るかもしれませんが、その辺りはご了承ください。なお、体内の害はなくなりますので、ご安心を』じゃと?」
昨日、マジで何があったんじゃ。
というか……酔い覚まし? 酔い覚ましと書いてあったか?
……まさかとは思うんじゃが儂、酒飲んだ?
そ、そんなバカな!
いくらぐーたら好きで、他とずれてる(儂は認めておらぬ)儂と言えど、未成年で飲酒などせん!
……しかし、言われてみれば儂を襲う症状は、二日酔いと酷似しておる。
響くような激しい頭痛に吐き気。もうこの時点で、色々とアウトな気がするのじゃが……。
ま、まだじゃ。まだ儂が酒を飲んだとは決まってはおらぬ!
「……しかし、その横に置いてあるものがなぁ……」
どう見ても、酒飲み用の飲み物なんじゃが。
ウコ〇の力じゃよな? あれ。
……やはり儂、酒を飲んだと言うのじゃろうか。
「や、やっちまった感が半端ない――あぅっ」
い、痛いのじゃぁ……。
大声出すと、頭に響いて頭痛が酷いことに……。
「し、しかたない。とりあえず、この錠剤を飲むとしようか……」
やってしまったことは仕方がない。
そう頭を切り替えて、置かれていた錠剤を一錠取り、それを口に放り込むとそのまま飲み込んだ。
「……む? もう薬が効いたのか?」
薬を飲んだ直後に、急に体が軽くなった。
どうやら、薬が効いたらしいが……。
「普通、薬がこんなに早く効くはずはないが……」
となるとこの薬、ただの薬ではないな。
おそらく、発症者の中に薬の調合ができる能力を持った者がおったのじゃろう。
であれば、薬が効く速度が早いのも納得できる。
「……じゃが、頭痛と吐き気が微妙に残っておるが……」
まったく記憶がないと言うが問題じゃな。一体何があったのか探りたいところではあるが……っと、そう言えば未久斗たちとLINNの交換をしておったな。
ちと尋ねてみるかのう。
『すまぬ、昨日の記憶が途中から無いのじゃが、何か知らぬか?』
と、未久斗たち四人に尋ねてみると、
『あー、うん。何も……なかった、よ? 大丈夫大丈夫』
全員が全く同じメッセージで返してきた。
さも何かありましたよ感のある文章はなんじゃ。
もしかして、本当に儂、何かやらかしたのか? 一体何を? 少なくとも、酒を飲んだ可能性がある、と言うのはわかるのじゃが……。
……もしや、酔っぱらって暴走した、なんてことではあるまいな?
………………うむ。考えるのはやめよう。なんか怖いし。
「おっと、もう九時十五分ではないか。さっさと準備して、朝食を食べて、待ち合わせ場所に行かねば」
軽く残る吐き気と頭痛を引きずりながらも、身支度を整えて一階のレストランへと向かった。
「ふむ。そろそろ時間になるわけじゃが……」
荷物をまとめて、大きい荷物は猪瓦に家へ送ってもらい、肩掛けカバンは自前で持った状態でホテルの前で待機。
スマホの時間を確認しながら、周囲をきょろきょろしていると、
「あの、桜花君、かな?」
不意に鈴を転がしたような綺麗な声が聞こえてきた。
その声がした方を見れば、そこには未久斗に見せてもらった写真の通りの人物……というわけではなく、キャスケットを被りサングラスをかけた姿じゃった。
服装もよく見れば地味目であり、写真で見たような感じはない。
が、普通に可愛く見えるのじゃから、本人の容姿がそれくらい優れているということなのじゃろうな。
「うむ、そうじゃ。そう言うおぬしは、伊夜、でよいのか?」
「うん、そうだよ。あ、ごめんね? こんな変な格好で。素顔で出歩くと、ちょっと問題があって……」
「何やら仕事がー、とか言っておったが、それに関係することかの?」
「まあね。こう見えて、結構有名人でね……。なりたくてなったわけじゃないんだけど、周囲の勢いとかが強くて、結局こうなってて……」
「そうなのか。……とりあえず、移動するか?」
この場で立ち話をするのもあれなので、移動することを提案すると、伊夜は笑みを浮かべて頷く。
「あ、そうだね。じゃあ、ここの近くに行きつけのカフェがあるんだ。そこに行かない?」
「よいな。美味いコーヒーはあるか?」
「もちろん。それに、そこならカフェにしては珍しい個室部屋もあるし、ボクも気兼ねなくくつろげるから、そこで話そ」
「うむ。了解じゃ」
『いらっしゃいませ』
「二人です。個室って空いていますか?」
『空いていますよ。では、こちらへどうぞ』
店内に入り、ウエイターに案内され、儂と伊夜の二人は店の奥にある個室に案内される。
そして、部屋の扉を閉めて二人だけの空間になると、伊夜がキャスケットとサングラスを外した。
「ふぅ……。やっぱり、何もない方がいいね」
「ほほう、なるほどのう。写真で見るよりも、可愛いな、おぬしは」
「ふぇ!? そ、そう、かな……?」
可愛いと言うと、伊夜は顔を赤くさせなる。
ふむ。初心と言っておったが、マジでそうなのじゃな。
「うむ。さて、座るとするか」
「う、うん、そうだね」
お互いに向かい合うようにソファーに腰かける。
しかし、改めて見ると……本当に整った姿じゃな。
ここまで綺麗な銀髪など見たことはないし、顔立ちもえらく整っておる。
スタイルは……うむむ。でかい。写真で見るよりも、遥かにでかい。瑞姫以上とはのう……。同い年で、あやつ以上の者がおったとは。世界は広いのう。
「じゃ、じゃあ、早速注文しよっか。はい、これがメニュー」
「すまぬ。では……ブラックコーヒーでも頼もうかのう」
「スイーツはいらないの?」
「んー、実は今日はそこまで金は持って来てはおらんのでな。それに、今日の目的はおぬしと会って話すことじゃったからな」
「あ、そうなんだ。それじゃあ……ボクがお金を出してあげようか?」
「さすがに悪いじゃろ、初対面なのに」
「いいのいいの。ちょっと……お金を消費したくてね……」
ふっと遠い目をしながら笑みを浮かべる伊夜。
どのような理由があってそう言うのじゃろうか?
「そうは言うが……」
「大丈夫大丈夫。未久斗たちが紹介してくれた人なら、問題ないよ。ささ、遠慮なく頼んで? もちろん、値段とか気にしないで、好きな物でいいからね」
柔らかい笑みを浮かべながら、ずいっとメニューをこちらに押し付けるように渡してくる。
なんじゃろうか……どことなーく、こやつからは姉属性を感じるのじゃが。
しかも、妙に妹扱いをされておるような……気のせい、じゃよな?
「本当によいのか?」
「うん、いいよ」
「そうか。では……この、イチゴサンデーにするかの」
「もっと高いのでもいいけど……」
「あー、いや。儂は小食でな。つい先ほど朝食を食べたばかりなのじゃ。なので、小さめのスイーツの方が胃袋的にいいんじゃよ」
「あ、そうなんだ。じゃあ、ボクはこのふわとろパンケーキにしようかな」
「ガッツリいくのう……。これ、見た感じ四枚くらいあるんじゃが」
「甘いものは別腹です♪」
「そうか」
……こやつ、たしか元男なんじゃよな?
どうにも、元男には見えぬ。
可愛らしい仕草やら、顔をすぐ赤面させるやら、さらには甘いものは別腹とか言うし……ふぅむ。元男なのか怪しい。
そんな事を思いつつ、スイーツを注文。
それが届くまでの間、他愛のない話をした。
『それでは、ごゆっくりどうぞ』
「お、来た来た。さて、食べるか」
「うん」
「「いただきます」」
とりあえず、まずはイチゴサンデーを一口。
「うむ。これは美味いな」
なかなかに美味い。
過不足ない甘みのバニラアイスに、甘酸っぱいイチゴのソースがちょうどいいのう。
「でしょ? ここのアイスクリームとか生クリーム、果物のソースは手作りらしいよ? 全部こだわってるんだって」
「なるほどのう。では、コーヒーの方を……」
基本緑茶が好きではあるが、コーヒーも好きじゃ。
ただ、紅茶だけは好きになれんがな。あれは匂いがダメでな……。
ともかく、コーヒーじゃ。
「ずず……ほう、これも美味い」
美味いブラックコーヒーと言うのは、仄かに甘みがあるらしいが……なるほど、たしかにそうらしい。気に入った。
「よいのう、この店は」
「気に入ってもらえてよかった」
「うむうむ。伊夜のおかげじゃな」
「あはは、そう言ってもらえると、連れて来た甲斐があったよ。桜花君」
「儂のことはまひろでよいぞ。どうせ、タメじゃからな。……まあ、儂はすでに伊夜と呼び捨てにしてしまっておるが」
「いいよ、名前で。じゃあ、ボクもまひろって呼ばせてもらうね」
「うむ。改めて、これからよろしくな、伊夜」
「うん、こちらこそよろしくね、まひろ」
お互いに軽く握手。
……手が柔らかい上に、温かい。
「それにしても、その姿でタメって言うのも不思議なものだよね」
「見た目小学生じゃからな。中身は高校二年生じゃが」
「ふふっ、そうだね。それに、『TSF症候群』は特殊だから、まひろのような人がいても不思議じゃないもんね」
「うむ。一応、これが儂の理想ということになるからのう」
断じてロリコンではない、という言葉を付け加える。
あはは……と伊夜は苦笑いするだけじゃった。
「しかし、おぬしはあれか? その姿が理想なのか?」
「そうなんじゃないかな? 昔から銀髪碧眼のキャラクターとか好きだったし」
「わかる。わかるぞ、その気持ち。儂も銀髪キャラは大好きじゃ」
「でも、まひろって桜色だよね?」
「桜色も好きじゃからな。おそらく、こっちが勝ったのじゃろう」
儂の見解としては、僅差と言ったところじゃろう。
ま、どのみち能力で髪色は変えられるので、大して問題ではないがな。
「へぇ~」
「あぁ、そう言えば未久斗たちに聞いたのじゃが、なんでもおぬし、相当身体能力が高いらしいのう? それはあれか? 能力なのか?」
「あー……うーん……能力……と言えば、能力になる、のかなぁ」
「なんじゃ。随分と歯切れが悪いのう」
「ま、まあ、能力ということにしておいて。……それで、まひろはどんな能力なの?」
「儂は、体を自由自在に成長させたり逆に退行させたりする能力に、好きな動物の能力を顕現させる能力、それから体の至る所の色を変える能力じゃな」
「なんと言うか、地味にすごい能力だね」
少しだけ笑みを浮かべながら、儂の能力をそう評価された。
やはり、すごい能力なのか。わからんけど。
「じゃろ? ま、このうちで使う能力は、動物の能力を顕現させるものだけじゃなのじゃがな」
「デメリット?」
「うむ。『成長退行』は成長させると腹が空くので、ほぼやらん。『変色』は一度変えると、二十四時間経過するまで戻せないので使わん。ま、気分転換には使うかもしれぬが」
「お腹すくのは確かに嫌だね……」
「うむ。正直、キツイ」
腹が空くと、気持ち悪くなるからのう。
どれくらいの時間そうしていられるかは不明じゃが、成長した時の感覚を思い出すと、頑張っても四時間といったところか。
それ以上は、空腹で倒れるじゃろうな。
「して、伊夜の能力はどのようなものなのじゃ?」
「あー……ちょっと秘密で」
申し訳なさそうにしながら、伊夜は口元に人差し指を当ててそう言ってきた。
「言いたくない事情でもある、ということか?」
「ちょっと言い難いので……。その、ごめんね? まひろだけ言わせちゃって」
「構わぬ。この辺りは人それぞれじゃからのう。無理して聞こうなどとは思わぬよ」
めんどくさいからな。
それに、こう言う場合は何らかの重い理由があるか、中身が恥ずかしい物かで相場が決まっておる。
「ありがとう」
安堵したような笑みを浮かべながら、礼を言われた。
ふむ。何があるのかは気になるところではあるが、まあ、いいじゃろ。
「そう言えば、まひろはどうしてボクと会いたいと思ったの?」
「あー、いや、ちとな。友達になれそうな気がしてのう……」
「そうなの? どの辺りで?」
「鈍感と言われてるところが一番でかい」
「……もしかして、まひろも言われてるの?」
仲間? 仲間? と言うような事を思っていそうな表情を浮かべつつ、伊夜がそう尋ねてくる。
「うむ。儂の場合は、鈍感朴念仁睡眠野郎と呼ばれておる」
「強い呼ばれ方してるね……」
「儂は鈍感ではないと思うのじゃがなぁ……」
「そうなんだ……。ボクもね、なぜかはわからないんだけど、鈍感って言われるんだよ。人の視線には敏感なのに」
「それはわかるぞ。あれじゃろ? そう言うと友人が『違うそうじゃない』とか言ってくるんじゃろ?」
「そうなんだよ。それで、何が違うの? って尋ねると、『相手が可哀そう……』って言われるし……」
「うむうむ。一体どの辺りが可哀そうなのかわからなくてのう……。その相手が、たしかに哀しそうな雰囲気を漂わせてはおるのじゃが、何か変なこと言ったか? と」
「うんうん。よくわからないんだよね……」
「わからないのう……」
やはり、こやつは儂と同じのようじゃ。
鈍感と呼ばれるタイプの人間らしい。
……なぜじゃろう、更に親近感が沸いてきおった。
「それから、おぬしはあれじゃろ? 男時代の時に、女装させられてはおらんかったか?」
「……ま、まさか、まひろも!?」
「……その様子じゃ、そうなのじゃな」
「うん……。ボクの母さん、おかしな人で……。女の子になったボクを見て『たまに、伊夜が女の子だったらなぁ、とは思ったことはあったけど……まさか、本当に女の子になっちゃうなんてねぇ……母さん、ちょっと嬉しいわぁ!』とか言ってくるんだよ?」
「うわぁ……それは酷い……」
「小学校でも、中学校でも、事あるごとに女装させられていたから、あまり女の子の服を着ることに対してほとんど抵抗もなかったし、着方も知っていたから、なおさら 複雑な心境になってね……」
あはは……と死んだ目を浮かべながら、過去を口にする。
心の底から儂は同情した。
「……儂もな、母上にしょっちゅう女装させられていてな……発症したことを知った両親は、大事な仕事をほっぽりだして、面白そうだから、なんて理由で帰ってきてな? 儂を見て『『TSF症候群』を発症させて美少女になったとか言う面白い状況を見るためさ(よ)』とか言ってきおったんじゃ……。しかも、儂がこの姿になった日に、検査を受けるため、子供の頃の服を着ようと探したら……女装時に着ていた服しか……なかったんじゃ……。しかも、捨てられていたんじゃよ、男児用の服……」
「うわぁぁ……。ボクの方も酷いけど、まひろの方も酷いね……」
「……わかってくれるか」
「もちろんだよ。こう言うのは、当事者にしかわからない苦しみだもんね……」
「…………なんじゃろう。目から汗が出てきおった……」
「…………ボクも」
慰め合っていたら、二人して涙を流し始めた。
あれじゃな……。儂としても、女装と言うのは心に来るものだったのじゃな……。
それがここに来て、その気持ちを共有できる相手に会えた上に、互いを慰め合えるとなると……泣きたくもなる。
これはおそらく、同族ができたことによる、嬉し泣きじゃろう……。
「……ボク、散々女装は嫌だ、って言ったのに、女装させて来るんだよ」
「……それで、あれじゃろ? 周囲も『似合ってる』とか『可愛い』とか言いながら悪ノリしてくると」
「うん……」
あぁ、マジで心に来る……。
同族。なんとよい響きなのじゃ……。
今までは、儂と同じような境遇の者はおらんかったから、心の底から伊夜との出会いは嬉しく思う……。
だからじゃろうか。
感極まった結果、儂はこんなことを口にした。
「……まあ、なんじゃ。今日から儂らは友人と言うより……マブダチじゃな」
お互いの苦労がわかるからか、儂はなんとなしにマブダチと言った。
それを聞いた伊夜は、一瞬驚いたような表情を浮かべたものの、瞬時に理解し、ふっと笑みを浮かべた。
「うん。そうだね。ボクとしても、同じ苦しみを味わった人がいるのは……とても嬉しい」
「じゃろじゃろ? なのでまあ、今後はマブダチとしてよろしく、ということで」
「もちろん。やっぱり、元男同士で、尚且つ女装させられていたから、そう言う関係の方がしっくりくるかも」
「うむ、儂もそう思う。よーし! 伊夜。この後時間はあるか?」
「あるけど」
「どうじゃ? この後、一緒に遊びに行かぬか? 儂の予定では、軽く顔合わせをしたら解散のつもりじゃったが、おぬしのことを気に入ったし、何より遊びたくなった」
美穂たちには、昼までには帰ると言ったが……予定変更じゃ!
儂は遊びたい! こやつと!
もっとも、伊夜が了承しなければ、それまでじゃがな。
「それはいいね! ボクも最近はお仕事の方で忙しくて遊ぶ暇もなかったからね。他の人と遊ぼうにも、誰かと遊ぶと問題になっちゃうし……。特に、男友達と遊ぶと、ちょっと、ね」
ふむ。こやつがどのような仕事をしているのかはわからぬが、変装をするほどじゃ。
となれば、あまり下手に遊ぶことは出来なさそうじゃのう。
「では、なかなか遊べない分まで遊ぼうではないか」
「うん! それじゃあ、食べたら行こっか!」
「うむ!」
そう言うことになった。
どうも、九十九一です。
私が当初予定していたこの小説は、序盤を除き、一話区切りの話、所謂四コマ漫画のようなショートストーリーっぽくしたいなー、とか思ってたんですが……まあ、私でしたね。そもそも、ショートストーリー向かないし、私。行き当たりばったりで書いたらそりゃこうなるわ。
それから、昨日は出せなくてすみません……。頭痛が、ね。酷かったもので……。あ、もう治りましたんで、大丈夫です。
明日も10時だと思いますので、よろしくお願いします。
では。




