27体目 2日間での稼ぎ
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『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『桃華のレベルが2アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
『レベルが1アップしました』
『桃華のレベルが1アップしました』
本気で稼ぎに行った結果がこれだ。
現在は限界の分身64体使っているわけではないが、その一歩手前まで出している。
具体的には、≪ふくろ≫を使えるぐらいには集中力を残した30体で戦っている。
それでも限界近くまで増やしていているから消える消える。
そのせいか、1日目はどうも効率が悪かった。
2日目は限界近くまで出し続けた前日とは違い、十分な余力が残る数に絞った。
「あ、あの……。昨日は気にするなって言われましたけど、こんなに経験値だけ貰っていいのでしょうか。それに、わたしは1日しか働いてないのに、2日間も練習だけで……」
「経験値はその内実戦で返して貰えるさ」
効率が落ちるだけだから、まだ連れては行けない。
だがその分、モモカは手持ち無沙汰になっていた。
魔法の練習はさせていたが、本人は納得していないようだ。
「それに練習を舐めちゃいかんぞ? 実戦のほうがって言うけど、あれは同格や格上と戦ってこその経験であって、それだと命が幾つあっても足りやしない」
「そうなんですか。確かに分身とはいえ格上と戦ってるお陰で、レベルが早く上がってますね」
モモカは先程のレベルアップで丁度160。
俺はやっと350。
地下20階で戦っているが、敵のレベルが140と言われているから差が大きい。
「今はレベルじゃなくて金目当てなんだけどな……。どれぐらい稼げていることやら」
「昨日のと比較するんでしたよね」
ちなみに地下100階の魔物は、レベル300と言われている。
ここまでくると安全と呼べるレベルはない。
辿り着いた人の全てが、何かしら特別な能力を有しているからだ。
俺は160階での戦闘まで解放されているから、魔物は420といったところか。
しかし俺はレベル350と言っても、同じレベルの人と比較するとかなり弱い部類と言える。
今は分身でごり押している所が多く、技術的面がまったく追いついていないのだ。
「稼ぎの集計は夜の楽しみにしておくとして、そろそろ再開するか。次は水魔法な」
「はい!」
現在は、俺が魔法を使いこなすための練習にモモカを付き合わせている。
だが風魔法はともかく、水魔法はいまいち感覚が掴めない。
「やっぱ空気中から集める方法じゃ水は出ないな……。手が しっとり してきた」
「じゃあ次は別の方法で……。どこかの水場から持ってくるようなイメージではどうでしょう」
「…………くっ!」
『桃華のレベルが1アップしました』
「……分からん。そもそも必要SP5って酷くないか。風魔法は5分で覚えられたのに……。水魔法は捨てるか」
他にも氷はすぐ扱え、火や雷は1ポイント。
苦手気味っぽい土でも2だった。
どうやら俺は、水魔法がかなり苦手らしい。
ちなみに光や闇は少々特殊で、そもそもカードに出ていない。
教えてくれる人がいれば覚えることは可能だと思う。
「最低限、飲み水を出せるようになれば便利なんですが……」
「近くに得意な子がいるわけだし、他の属性を上げてればその内覚えるさ。一通りやったけど遠距離攻撃が欲しいから、風の刃を飛ばせるようにするか」
風魔法を選んだ理由は、刀や短剣とも相性がいいからだ。
斬ることに特化したり、攻撃や移動速度を増すことも可能となる。
「風の刃ですか……。それなら、狭い穴から高圧力で噴出したり、刃を擦り合わせて研ぎ澄ませるイメージだと読んだことがあります」
「成程……。噴出と擦り合わせね」
魔力を窃盗丸に纏わせ、その表面を擦り合わせるように滑らせチェンソーのように回す。
刀は遠心力で外側に引っ張られるが、飛んでゆかぬよう窃盗丸の吸収力で限界まで繋ぎ止める。
そして俺は、振りに合わせて解き放った。
「――おりゃっ!」
飛んだ斬撃は、5メートル先の地面を削り四散した。
「いきなり飛ばせるなんて凄いです!」
「…………全然ダメだ。時間が掛かって狙いも的外れ。消費魔力に集中力もかなり使ってる。いいや、欲張り過ぎか」
「充分ですよ! 魔力を扱えるようになってから魔法の刃を飛ばすだけでも、1週間は掛かると言われていますから!」
そして夜になり、冒険者ギルドへと足を運んだ。
午前中に前日分の素材を渡し、夜にもくるとは言ってある。
そして事前に段取りができていた分、受付も割と早く計算が終わった。
「お待たせしました。こちらが朝に受け取った分の明細で、こちらが夜に持ち込まれた分となります」
「ざっと138万と152万。今日のほうが多いのか……。なんか単価が上がってませんか」
「はい。地下への転移が可能となりまして、魔石は勿論のこと、様々な素材の値が向上しております」
冒険者的には値段が上がるのは嬉しいことだ。
しかし国のお金は大丈夫なのか。
「需要に供給が追い付いてないと……。平気なんですか?」
「はい。そういった調整もギルドの仕事ですので……。今が稼ぎ時なので、トウヤさんもこのペースを維持して頂ければ助かります」
「さらに伸ばしたいぐらいですけど、地下は怖いですからね」
一気に160階まで解放されたものだから、レベル上げはしばしお預けだ。
しばらくは金策に勤しむとする。
「慎重なのが成功の秘訣ですね。ところでトウヤさんは、今晩お時間はありますか?」
「ありますけど、何かありましたか」
「よろしければ今後のことも含め、お食事ついでに、ご相談でもと思いまして……」
「あ~、すいません。食事はもう予定されてるので、ムリですね」
「そうですか……。ではまた今度ということで」
2日間で290万も稼げたわけだが、いちいち職員に迷惑は掛けれない。
もっと取引をスムーズに進められるよう、素材の種類を減らすなど調整したほうがよさそうだ。
なお受け付けのお誘いは、食事が無ければ通用していた模様。
塔也は単純に、食事の予定が決まっていたから断っただけである。




