16体目 度重なるレベルアップ
『レベルが3アップしました』
『レベルが5アップしました』
『レベルが4アップしました』
戦い始めて何時間が経っただろうか……。
最初の窮地は敵を誘導することで耐え抜いた。
しかしいつまで経っても終わりが見えない。
「いつまで続くんだこれ……!」
「そろそろ体力も集中力も限界だぞ」
「しゃーない。手遅れになる前にSP使って、加速する世界と変質吸収上げるぞ」
レベル10になった加速する世界は、ついに自分の意思で発動することが可能になった。
「……あ。やっちゃった」
『レベルが3アップしました』
ただし制御しやすいわけではない。
攻撃タイミングがズレたり、途中で加速が解除されたり。
そのたびに分身が大ダメージを受けて消えてしまう。
「ったく体力だって無限じゃないんだぞ……!」
「一時的に数増やして吸収量増やすか」
「りょーかい。その分しばらくは集中する」
俺は戦闘中に成長し、用意された試練を余裕をもって突破できるぐらいになった。
『レベルが5アップしました』
『レベルが7アップしました』
なかなか終わらない。
迫ってくる数が減った気がするのは、俺の処理速度が上がったからか。
もしかしたら、一定時間耐えるだとか倒しきるのが達成条件ではないのかもしれない。
「一度全員消すぞ」
『レベルが13アップしました』
空も暗くなり、安全を確保した状態で分身を解除。
すると13も上がり、1日でレベル40も上がるという快挙を果たした。
「それで、どう思う?」
「サバイバーなんて言うんだから生存すればいいと思ってた」
「遠くに走らせた分身もヒントらしきものは何も見てないしな」
そして休憩は取れるが、寝ずに一晩を明かし……。
『レベルが10アップしました』
『レベルが5アップしました』
『レベルが2アップしました』
『レベルが3アップしました』
________________________
トウヤ 19歳 男 レベル:220
S P:50
体 力:433(+50)
魔 力:579(+50)
筋 力:256(+50)
敏 捷:383(+70)
知 力:160
器用さ:410
能力
:生体具現:レベル1【増加必要SP40】
:加速する世界:レベル10【増加必要SP5】
:ふくろ:レベル2【必要SP3】
:変質吸収:レベル3【増加必要SP5】
________________________
「レベルが上がらなくなってきたな……」
「というかもう24時間経つぞ。どうなってんだ」
「確か15:30過ぎに着たはずだから、あとちょっとだよな」
「もし24時間経過しても何も発生しなかったら、また何か考えるしかないか」
分身が言うように、まもなく草原に来てから丁度24時間が経過する。
サバイバルなら数日間閉じ込められかねないが、杞憂だったようで塔からの声が聞こえた。
激しい戦闘だった分、1日耐えるだけでよかったようだ。
『1段階目の達成を確認しました。転移します』
「24時間耐久だったか……」
今度は、まるでボス部屋手前の部屋に出た。
ただし降りる階段はなく、扉の数は9個ある……。
「電波はやっぱ通じないか……。通じたところで意味ないけど」
部屋の内部は分身たちにチェックさせる。
その内部は、見覚えのあるボス部屋だった。
「全部見覚えのあるボス部屋だな。本体が入らないと起動しないっぽいけど、どうする?」
「これまで倒したボスか……。当然レベルが高いんだろうな」
「SP50あるし何か上げた方がいいよな」
「分身上げたところで体力問題の方がきつい」
「加速する世界が制御難しいから1か2上げてほしい」
「敵数が少ないなら吸収は3あれば十分だよな。これ以上は上げても効果が薄い」
分身たちが案を出してくる。
全部自分で思いつく範囲のことだが、声に出し他の分身も聞くことで考え漏れがなくなる。
「今後のことを考えるとさ……精神より体力問題がきついと思うんだよ。いっそ体力強化をレベル10にしないか」
「今5だったよな。10ならSPも合計10で済むしいいんじゃね」
「それ以上は要相談だな」
体力は50上がり483となって、残りSPは40となった。
そして最終的に残りのSPで上げたのは、生体具現。
________________________
能力:生体具現レベル2【増加必要SP50】
限界実体数:64体
限界模写体数:1体
限界小型体数:32体
________________________
虚像分身は限界まで出さないので、文を編集で消して外した。
限界オート操作数も意味が薄いから整理。
実体の数はおおよそ予想通りだ。
そして体力の燃費を気にして練習していた、小型の分身を生み出せるようになった。
ただし限界数はサイズによって大きく変わる。
運用を想定している手のひらサイズだと限界は12体ほどだ。
さらには分身を生み出せる数が増えると言うことは、1体を出すのに必要な集中力も減るということ。
これによって燃費の問題はある程度改善されるのであった……。




