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13体目 変質吸収

 魔物たちの多くは魔石すら落とさず消え、体力は思いのほか回復しない。

 直接触れて奪うのでなければ、空中で四散して回収がままならないようだ。

 立っているのも限界なので地面へ横になると、冒険者カードを取り出し緊急呼び出しをする。

 そしてムギへと差し出した。


「今のはいったい………」

「ムギ。あとは任せる。練斗の傷を塞いでるけど、集中力が切れればまた開くから救護班もな」

「…………わ、分かりました」







 そのまま意識は沈み、目覚めた頃には病院らしき天井が目に入った。

 保険に入っていたのが功を奏したのか、怪我は既に治っている。

 錬斗(れんと)もなんとか無事で、3日で退院だと聞いた。


 証言と証拠から狙撃した連中は逮捕された。

 ああいう連中にレベルを高くされるのは困るが、魔塔に出る魔物を放置するのも不味いというのが世界の共通認識だ。


 実際に魔塔が出現してからしばらくした頃。

 魔物退治を(ないがし)ろにした国には巨大なゲートが開き、10年近くもの被害が継続したと歴史にも載っている。


 そんなことがなければ、日本が学生の内から危険な戦闘や武器の所持を許すはずもない。

 大昔に比べて魔物による一般市民への被害はほぼなくなり、冒険者も自分のレベルにあった狩場を選べて安全度が大きく上昇しているのも大きい要因か。



 安全地帯は最初は存在せず、魔石を使うことで結界を広げ継続させている。

 だから需要もあって、魔石はそこそこの値段で売れる。

 生活に必須の道具は徐々に魔石を必要とはしなくなり家電に以降しているらしいが、それでも利用用途はまだまだ多い。


 今回ドロップした魔石や素材も、分配しても結構な金額になった。

 これまでの貯金と合わせて、そろそろ500万を超えるだろうか。


 家にある素材もいい加減邪魔だから、そろそろ収納能力が欲しい

 分身の数も増えて効率も増しているから、時間を掛けてでも覚えようと思う。




________________________


 トウヤ 19歳 男 レベル:160

 S P:4

 体 力:351(+50)

 魔 力:547(+50)

 筋 力:229(+50)

 敏 捷:354(+70)


 知 力:160

 器用さ:400


 能力

:生体具現:レベル1【増加必要SP45】

:加速する世界:レベル9【増加必要SP5】

:ふくろ:‐‐【必要SP3】

:変質吸収:レベル1【増加必要SP5】

________________________


 袋を具現化させようと修行していたら、アイテムボックスがSP5で覚えれるようになった。

 しかし名称が気に入らないので、申請して変えさせて貰った。

 アイテムボックスじゃなく、俺は≪ふくろ≫がいい。

 平仮名にしたのも(こだわ)りあってのことである。


 ドレイン系スキルは消滅し、変質吸収になっていた。

 これは単純にドレインが統合、強化されているだけだ。

 対象のエネルギーの質に自分も合わせることで、より一層吸い出しやすくなる。

 前々から質を変化させると効率が変わるのは感じていて、試していた結果実現した能力だ。

 あとはおまけ程度に、食事の消化吸収も早くできた。


 窮地に陥って精神が高ぶったから異常な威力を見せたが、同じことをやれと言われてもできない。

 やろうと思っても、遠隔でやろうとしたら余程格下でもないと抵抗(レジスト)される。

 それにこれは、吸収というより即死魔法に近い。

 エネルギーが四散するため回収もままならない。

 お陰で助かったのだから、散々即死系統の攻撃を受けてきた甲斐があるというものだ。


「ふくろの必要SP3になってるし覚えちゃうか?」

「いいんじゃね。ふくろを具現化するためのイメージ修行で精神を酷使するし、正直続けるのが辛い」

「だよな。じゃあ覚えておくわ」


 ≪ふくろ≫の容量は魔法とされるアイテムボックスより多い。

 精神力と生命力の両方を使う難易度の高いものだからだ。

 個人が作った四次元的な空間に収納する能力であり、収納した物が奪われる心配もない。

 収納した物の重量も心身に影響を及ぼす事はなく、持ち運びも楽になった。


「さて、回収された素材の金受け取りに行ってくる」

「ムギもくるんだっけ」

「ああうん。んじゃ修行はよろしくな」



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