遺言
これを見つけたあなたへ。
この遺言を見つけて読んでいると言う事は私はもうこの世にはいないでしょう。
この世に産まれて何の不自由も無く両親からめい一杯の愛情を受け、姉達と共に過ごしてきました。
姉達はそれぞれ自分の夢を追いかけ実家を出て働き、結婚もしている事でしょう。
最後に会ったのはいつかはもう覚えていませんが。
それでも道を踏み外しかけた私を見捨てずに叱り、そして暖かい言葉をかけてくれました。
母、父もこんな私を見捨てずに叱咤激励を繰り返し私を見守ってきてくれました。
そして恋人のあなた。
幾多の困難を共に励まし合い時には喧嘩もしながら乗り越えてきたね。
でも私はもう一緒に隣を歩くことはできません。
本当ならばあなたより長生きしてあなたを看取って私も逝くつもりだったんだけど。
先に逝っちゃってごめんね。
きっとあなたは私がいない事に絶望し何もかもがどうでもよくなり自暴自棄になるかもしれません。
だけど心配しないで。
私は何時でもあなたの事を見守っているから。
姿かたちは見えなくてもずっと一緒にいるから。
あなたには幸せになる権利があります。
私は幸せに出来なかったけどあなたがこれからの人生の中で幸せに暮らしていく姿が私にとっての幸せだから。
俯かないで。前を向いて進みなさい。
あなたが私にかけ続けてくれたこの言葉はずっと忘れません。
あまり長くなるとまとまらないのでこれだけは言わせて下さい。
ありがとう。ずっと愛していますよ。
私に関わってくれた友人たち、先輩方へ。
私はあなた達と青い春の時代を駆け抜け、時にはぶつかり合いもしました。
それでも時折、集まっては昔話に花を咲かせたり人生についての相談も沢山してきました。
ことある事に真摯に向き合い、最善の意見を頂いたりしました。
それで救われてきた事も多くあります。
本当に感謝してもしきれません。
迷惑を掛けたこともたくさんあります。
その度向き合ってくれましたね。
本当にありがとうございました。
父、母へ。
私はあなた達の元に産まれたこと本当に幸せでした。
出来の悪い子でごめんなさい。
2人の厚意を沢山無駄にしてきました。
それでも諦めず見捨てずに育てて下さいました。
感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。
全ての人達へ。
先立つ不幸をお許しください。
来世は皆さんが困っている時に助けられる立派で誇れる人になるよう努力します。
ですから頼ってくださいね?
それでは皆さん、お元気で。
本当にありがとうございました。