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アンレイナーレ大革命~厄災から帝国を、そして世界を救うため~  作者: あーちゃん先生
第一章 幼少期のやり直し
8/8

07 図書館で勉強

お久しぶりです。

私は少し前に、フリアから貴族と平民の違いを教えてもらってから、信用できる貴族と信用できない貴族をマークしておこうと思い、ここ数日いろいろ調べていた。もちろん、私はニアとの関係を閉じるつもりは全く無い。だから、私のわがままで大切な友達を危険に晒さないように頑張っている。


そして、調べた貴族の中でも一際注意しておいた方が良さそうな人がいた。その人物の名は、片方をキルセン・ガウストロフ、もう片方をネイドラ・ガウストロフと呼ぶ。この二人は双子の兄弟で、私の家から少し離れたところに住んでいるらしい。なんでも、一族揃って何かの陰謀をたくらんでいるんだとか。些細な失敗をしてしまったときに、大袈裟になって他人に伝わるということがあったら、大抵はその公爵家の仕業らしい。フリアもいっていたけれど、貴族と平民が仲よくするというのはあまり人聞きの良いものではない。大袈裟になって帰ってこないように、ニアといるところは、少なくともこの人たちだけには見られないようにしようと思う。








「ふわぁ、疲れたあ....」


そう。私は、その辺に置いてあった何も書かれていないノートとペンを持って、最近起こったことや、やったことを書いていたのだ。アンレイナーレに来て、約一週間半。私は、ここでの生活にも慣れてきて余裕ができてきたから、大通りに並ぶ家の近くで人脈作りをしていた。

すると、大通りより少し離れた場所に、周囲の明るい雰囲気とは裏腹のどこか寒気を感じる館があったのだ。庭園の草は手入れされておらず蜘蛛の巣でも張り付いていそうな場所に、どんな人が住んでいるのだろう、廃墟なのかと思いフリアたちにさりげなく聞いてみると、キルセン&ネイドラということが分かった。


「それにしても、厄災について何も聞いてないなあ」


ソルベとは、アンレイナーレに来た初日以降一度も顔を合わせていない。まあ、まだ厄災の予兆が無いと言うことだろうから大丈夫だけど、心配なのだ。一応は暗黒払いとしての自覚もあるし、厄災の情報はいち早くゲットしておきたい。


「確か、ソルベさんはあのハワイアンレストランで働いてるって言ってたよね」


私は厄災の対策を聞くために、虹色の湖(レインボー・レイク)~R&L~に行くことにした。

大通りを抜けて商店街エリアにたどり着くと、見慣れた看板のお店があった。


「あ、あの、こんにちは。えっと、ソルベさんHa....」

「あ、エル!久しぶり。師匠、一旦抜けますね」

「ああ、この前連れてきてたエルちゃんだね。いいよ。喋っておいで」

「え、師匠....?」


目の前には、すっかり店員さんと化したソルベがいた。制服姿がお似合いだ。しかも、店長のクリスのことを"師匠"と呼んでいる。

私がお店の一角にある席にソルベと座ると同時に、ソルベが口を開いた。


「厄災についての情報は手に入った?」

「いえ、まだ分かりません。厄災について知るにはどこに行ったらいいんですか?」

「うーん。本当は、旧王国エリアに行くのが一番良さそうだけど。それはさすがに、中央聖地に許可もらって、予定を立てていかないといけないからなあ。今の私たちには、情報というものが不足してるんだよね。調べるとしたら、やっぱり図書館じゃないかな。城の城壁沿いに進んでいったら、帝国立図書館があるよ」


ソルベにそう言われて、私はさっそく図書館に行った。

実は帝国立図書館なだけあって、以外と広い。地下ありの2階建てで、地下は、この土地についての事や、色んな国の歴史専用部屋らしい。さすがだ。


「歴史について調べるんだったら、地下に行ってみようかな」


私はさっそく地下に向かい、アンレイナーレの歴史本を読んでみた。

おおまかな流れは、この帝国ができたのが1000年前で、昔その地に住んでいた人たちが対立していたところを、突如現れたミルディアたちの祖先が解決してくれ、そのときにミルディアたちの祖先が選んだ人が、初代帝国王らしい。その後600年くらいは平和だったそうだ。しかし、近いうちに隣国にて王家大量暗殺事件が起き、その時たまたま違うところにいた、生まれながら自分勝手だった時期国王だけが取り残された。王国をまとめ上げなければならなかった時期国王は、一時は嘆き悲しんだものの、あるときから権力を逆手に威張り散らしだしたそうだ。その事が発端となって、アンレイナーレにも被害を及ぼす大革命が起こったらしい。


「もしかして、この大革命が、ソルベさんが言ってた厄災なのかな....」


時代も近いし、多分これが約400年前に起こった最後の厄災ということだろう。


「というと、旧王国エリアっていうのが、そのときにあった王国なのかもね」


ためしにその王国についての資料を読んでみると、大革命によってボロボロになり、中央聖地により王国を無くすことが決まったと書いてあった。王家大量暗殺事件が起こる前までは、その王国は大国だったらしい。そして、王国が無くなったあとは、人々は中央聖地に移籍、土地は中央聖地が管理することとなったそうだ。


帝国の歴史や旧王国について知りたいことが分かったから、もう一度虹色の湖(レインボー・レイク)に向かった。


「ソルベさん。図書館に行ってきました」

「お、エル!どんな情報があった?」


私が調べてきたことを報告すると、ソルベは「うーん。その情報は天空界にも伝わってるからなあ。もっと色んな情報があればよかったんだけどね....」と、納得のいかない表情で呟いた。

確かに、厄災については、天空界の方が詳しい情報を持っていそうだ。実際、アンレイナーレはこの厄災が起きた土地ではないから、詳しい情報がない。それに、厄災が起こった国である王国は、もうすでに姿を消している。中央聖地に聞いてみるのもありかもしれないが、さすがに400年も生きている長寿はいないだろう。でも、アンレイナーレよりは有益な情報を持っていそうだと思い、私はソルベに聞いてみた。


「やっぱり、中央聖地に行った方がいいと思います」

「そうだね。じゃあ、中央聖地に行く手段を考えよう!」


こうして、私たちは中央聖地に行く準備を始めることになった。









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― 新着の感想 ―
[良い点] 災厄について調べ始めたエル。何やら悪者っぽい貴族の名前も出て来て、ここから物語が大きく動き始めるのでしょうか・・・楽しみです。 [一言] お帰りなさい、お久しぶりです!^^
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