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アンレイナーレ大革命~厄災から帝国を、そして世界を救うため~  作者: あーちゃん先生
第一章 幼少期のやり直し
5/8

04 ヘンテコ組の街探検 前編

....ふう、そろそろ終わったかな?長かったあ....


とりあえず、今私たちが住んでいるところの周辺をよく見ていきたい。

ソルベがフランス菓子の愛を語りきったところで、私は街探検に行ってみることにした。


....あ、でも、1人で行くよりは誰か案内役がいたほうがいいかも。


ちなみに私は、転生直後すぐにソルベが出てきて仕組みやら厄災やらについて聞いていたから、ろくに家の中の状態も分からない。今は自分の部屋だと思われるところで、ソルベと話している。

と、そこで、私はあることに気づいた。

{今の体は自身の意思で動かしているが、それ以前のエルの意思はどうしていたのか。}と。


実際このエルの体は、6、7歳くらいだ。ということは、私がこの体を自由に動かせるようになるまでは別の誰か(というよりは本当のエルナージュ自身)がいたのだ。

私がそのことについてソルベに聞いてみると、ソルベが口を開いた。


「君が考えていることはよく分かったけど、少し考え方がちがうよ。君は、{以前のエルはどこにいったか}と、言ったよね。でも実際は、今エルナージュとして意識を持っている君こそが、本当のエルなの」

「....はぇ?」

「分からないかあ。えっとね、まず結論からいくと、以前のエルというものは、存在しないの。もともと、厄災から救ってもらうために転生措置を取らせたのだから、転生後に本人の周りでつじつまがあうようにしないといけないでしょ。だから、新しくエルナージュという存在をつくったの。そして、それにあわせてエルと関わりを持つ人々の記憶を塗り替えた。そういうことよ」


....そういうことって、どういうこと!?


「だから、エルとしてすごしてね、ってこと」


....どういう意味か全然分かんないんだけど?!ってか、ソルベさん読心術使えるとか言ってたよね。私が分かってないっていうこと知っておいて説明スルーするのかっ!!


「....さて、気難しい話は止めるってさっきいったよね。だから、この話ももう終わり!そういえばさっき、街探検がしたいとか言ってたよね。私が案内してあげようか?」

「今までのエルについてあんまり分かってないけど、とりあえず、案内お願いします!....あれ?そういえば、ここでは「時間」についてはどうなってるんですか?あ、あと、私の家族にソルベさんが見えたら、あきらかに怪しまれるのでは?もういっそ、もう1回泥棒みたいに窓からでますか?」


家族に見えてしまったらどうなるか分からない。そもそも私が家族と会ってないから性格とかはまだ知らないけど。面倒事になるよりは、入ってきたときみたいに窓から出た方がいい気もする。私がそのことについて聞くと、ソルベは勝ち誇ったように言った。


「私が見えることについては大丈夫。普通の人には私は見えないから。でも変異術を使ったら、普通の人にも見えるようになるから、街探検の時は心配しなくていいよ。あと、これはツッコミたくなかったんだけど、さっき窓から入ってきたのは仕方なかったの!泥棒泥棒うるさあい!....話を戻して。そして時間は、1日が12時間になってるの。今は5時。あ、でもでも、ここの世界の1時間は君の世界(地球)の2時間だから、数え方は違うけど、1日の長さは同じってことになる....?」

「....ややこしいですね。ということは、今は現実世界で言うところの午前10時っていうことですか?」

「あー、多分正解。多分私に聞くよりもミルディア様に聞いた方がいい気がするけどね。私数字弱いから」


その後も色々質問した。とくに、私の家族について。

私の家族は、9歳の姉、フリア。6歳の妹、フリューナ。母のリーネ。父のライヌ。フクロウのルファー。そして私の、5人と1匹だそうだ。フリアは赤い髪のポニーテール、フリューナは薄紫の長い髪で、リーネは金髪の天然パーマ、ライヌは紺色の髪らしい。こう、なんというか....髪の色は遺伝しないのかっ!とツッコミたくなる。

ひととおり分かったところで、1階に降りることにした。


....さて、外はどんなのかなあ?はやく出よう!!


そうして、私とソルベが2階の寝室から1階に降りると、私の家族だと思われる人たちがいた。


「あ、エル。おはよう!今日はやけに降りてくるの遅かったね」

「えっ、まあ。色々やってたから」


....えーーっと、この子が赤い髪だから、フリアだね。


赤い髪のポニーテールにオレンジの目という明るい見た目と比例して、性格も明るく活発だと聞いていた私は、とても納得した。お願いをしたら何でも聞いてくれそうな優しい人だった。

優しそうなフリアに安心していると、母親のような人が声をかけてきた。


「おはよう。エル。朝食あるからはやく食べてね」

「はーい」


....で、この人が....母さんのリーネだね。


私の母さんは、少し暗めの金髪に姉のフリアと同じオレンジの目をしていた。

““フリアが大人になったらこうなる““

というものを見せられている気がした。髪の色こそ違うが、雰囲気やオーラが似ている。親子でお揃いだ。


「おはよう。エルお姉ちゃんっ!」

「おはよう、フリューナ」


....そんでもって、この子が妹のフリューナか。エル()()()()()だって。ついにお姉ちゃんデビューだよ!かわいいー!


前の家族構成は末っ子の私と兄2人だったから、お姉ちゃんと呼ばれることが純粋に嬉しかった。お姉ちゃん効果で、フリューナがとても可愛く見える。

フリューナは、薄紫のロングヘアに水色の目をしていた。先ほどの2人は"明るい"オーラだったけど、今回は"賢い"オーラがする。今は大丈夫だが、いつか学力面で追い越されそうだ。

そうやって、私はソルベから貰った情報と照らし合わせながらすごいスピードで朝食を食べ終わった。ちなみに父のライヌは仕事があり、今は家にいないらしい。


....そういえば、家族構成の中にフクロウがいたような....。


そう思ってフクロウがいる場所を探そうとしたら、視界の横を大きな物体が飛んできた。


「うひゃっ!」

「あ、ルファー!なんでだろう?今日、すっごく興奮してるね」


前を通りすぎたフクロウは、私の隣にいる本来見えていないはずのソルベの目の前でクルクル回っていた。

ソルベの方を見ると、「えっえ?今、私見えてるの!?大丈夫だよね??」と、結構困惑していた。でもまあ、この場にいる私の家族は見えていないみたいだから大丈夫だろう。

ふわふわして可愛いフクロウのルファーを見て満足した私は、外に出ることにした。


「じゃあ、外に遊びに行ってくるね!」

「はーい。お昼はどうするの?外で食べてくる?」

「う、うん。そうするよ」


この家庭では(この世界かもしれないが)、まだ小さい子供でも外で一人で昼食を食べていいらしい。本当に一人だったら心配だけど、ソルベもいるから大丈夫だろう。

やたら広い玄関で街探検に行くための準備をすると、家のドアを開いた。


「うわあ。ここがアンレイナーレかあ!」


家の外は、豪華な家々や、たくさんの人が歩く大通りだった。日本とは全然違う光景に目を見開いていると、横からソルベがやってきた。


「ここ、帝国の中央なんだよ。しかも、その中の結構お金持ちさんが住まうところだし。にしても、賑やかだな」

「お、お金持ちだったんですね。たしかに家の中前の家よりも豪華だったし、朝食のときもすっごく豪華だったなあ。ソルベさん、ありがとうございます!こんなところに転生させてくれて。....今はとりあえず、はやく行きましょ!」

「お礼はミルディア様に言ってね。....って、はしゃぎすぎ!君本当に今まで高校生だったの?5歳に見えるよ」

「高校生ははしゃぎたがるものなんですよっ!なんてったって、異世界の街ですよ!!」


私はソルベから5歳児と言われるほどに、とてもはしゃいでいた。立ち止まって見ているだけではもったいないので、さっそく色んなところを見て回る。

街を歩いていたら分かることなのだが、この辺りは結構治安がいい。街の人は穏やかだし、観光客もいて、過ごしやすそうだ。ソルベから聞いた話だが、実際に事件等は少ないらしい。

賑やかなところから少し離れていくと、だんだん行き交う人々の服装がシンプルになってきた。


「この辺から、だんだん貧相になっていきますね」

「ここからは、一般民衆が住まうエリアだからね。この辺が貧相というよりは、さっきの場所が豪華っていった方が正しいと思うけど」


....言葉を間違えてしまったんです!決してリアルに貧相だなぁ、とは思ってません!


ーー心の中で言い訳しているが、エルは実際に貧相だなぁ、と思っていた。偽りでも何でもない。


一般民衆エリアを一通り見て回ったあとは、お店がたくさん並んでいる商店街エリアに来た。


「そろそろ、お腹空いてきましたね....」

「あ!私、おすすめのレストラン知ってるよ!!「虹色の湖(レインボー・レイク)~R&L~」っていうレストランでね。すっごくおいしいの。昼はそこで食べよっ!」

「いいですよ。そうしましょう!異世界料理、楽しみだなあ」


少し歩いてたどり着いた店は、南国風の洒落たところだった。

お店の中も、ハワイの観光客向けのレストランのようにきれいな内装になっている。

席につくと、お店の人が嬉しそうに話しかけてきた。


「おっ、ソルベさん。ひさしぶり!今日のおすすめHa....あれ、そこの女の子は?初めて、だよね。こんにちは。僕はこの店の店主のクリス」

「こんにちは、クリスさん。私はエルナージュって言います。長いのでエルでいいですよ」

「はい、分かりました。よろしくね、エルちゃん」

「で、クリスさん。今日はおすすめ2人分お願いね」

「了解です。少しお待ちくださいね」


そういって、店主のクリスは準備をしに奥へ下がっていった。


「ここの店主さん、優しい方ですね」

「うん。気さくで話しやすいよ。....それにしても、自分で料理を振る舞うって楽しそう。私も料理店開いてみたいなあっ!」

「天空界の住民なのに、アンレイナーレにお店開くこと出来るんですか?」

「しっ。クリスさんは私をただの人だと思ってるから。....いろいろやれば一応開けるよ、多分。地球の洋菓子専門店とかいいかも!名前は、「お菓子の湖(スイーツ・レイク)」にしよう!!」

「へーそうなんですねー....」


ーーていうかそれって、名前パクってるって言うんじゃあないのか!とは、頭の中で思っていても口に出さないエル。その本心は、「口に出すのもめんどくさいし、しょうもない」であった。


料理が出てくるまで2人で話していると、不意にソルベがこんなことを言った。


「そういえば、虹色の湖(レインボー・レイク)っていう場所は存在するっていう噂を聞いたことあるんだけど、本当なのかなあ?」

「えっ、虹色に光る湖が存在してるんですか!?」

「うん。なんでも、アンレイナーレの北にある洞窟を抜けたら、とっても神秘的で綺麗な湖があるらしいよ。噂だから本当か分からないけど。でも、その噂を真に受けて洞窟に入っていった人は誰一人帰ってこないんだって。アンレイナーレ四不思議の中の1つだよ」

「四不思議?七不思議ではないんですね」

「アンレイナーレ四不思議なんかないよ。私が勝手につくったの」


なんていう話をしながらハワイアンな店内でハワイアンな料理を食べることができ、有意義に街探検をした午前だった。






今のエルはまだ知らない。ソルベのスイーツ店開業宣言が、決して冗談ではなく、本気でそう思って開業に向けて何やら企んでいることを....

まあ、これについては余談である。



虹色に光る湖。現実にあったらきれいでしょうね。

そして、ハワイアンレストランの裏話を。実は、ソルベおすすめのレストランはパブ的なところにしようとしていたんですけど、ちょうど私の作業エリアにハワイ旅行行ったときのアルバムがありまして。それを見ながら執筆していたら、いつの間にかハワイアンレストランになってました。

長い文章読んでいただきありがとうございました。次回はヘンテコ組の街探検 後編の予定です。

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