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ここは日出ずる国  作者: 銀河乞食分隊
南海鳴動
7/60

南シナ海 迫る脅威

まだ前振り。長いですね。

 日本と英仏艦で開けれた戦端で有るが、英仏とも本国より遠く有効な戦力を送り込むのが難しかった。

 海軍を叩いてしまえば日本が終わりなのは分かっているのだが、残念ながら日本の海軍力はアメリカ、イギリスに次ぐ世界三位で有った。

 何しろ日本周辺で日本と敵対行動を取っているのが英仏だけ。通常配置のイギリス東洋艦隊とフランス仏印艦隊を合わせてもひねり潰されるだけだろう。

 そのため両国とも追加戦力を送り込んだのである。

 が、この時インド・セイロンにR級戦艦が全て居た。何故投入しなかったのか後年、様々な憶測が流れた。一番有力なのが、マラッカ海峡を突破されたときの防衛戦力というのと、速度的に足手まといになるから。と言うのが有力な説と捉えられている。

 空母と最低でも最大速度28ノットの戦艦達と歩調を合わせるのが出来ないためと解釈されている。

 ただ、シンガポールまでは前進させても良かったのではと言う声も聞こえるが、何故かは分からない。

 

 この時の東洋艦隊の編成は

空母

アークロイヤル イラストリアス ヴィクトリアス

戦艦

プリンス・オブ・ウェールズ レパルス レナウン

重巡洋艦

デヴォンシャー サセックス

軽巡洋艦

アキリーズ ネプチューン オライオン

駆逐艦

ダンカン デアリング ディフェンダー デライト

イレクトラ エンカウンター エスカペイド エスコート

ジプシー グローウォーム グラフトン グリフィン

他潜水艦六隻


 以上で有った。

 セレター軍港を空にしている。


 フランス仏印艦隊は

戦艦 

ダンケルク ストラスブール

重巡洋艦

デュケーヌ トルーヴィル

軽巡洋艦

グロワール マルセイエーズ

駆逐艦

ブレストーズ ル・フォルトネ ブーロネーズ フォルパン

シャカル シャグアール レオパール

他潜水艦二隻


 以上で有った。

 両国ともかなり力を入れている。 


 イギリス海軍は日本海軍をユトランドで戦艦六隻の内三隻を失った見た目だけの海軍だと、有色人種が頑張ってもその程度と侮っていた。

 フランス海軍はたかがアジア人、形だけだろうと馬鹿にしていた。


 迎撃する日本海軍は

空母

 第一航空戦隊 蒼龍 飛龍 雲龍 

  第三十駆逐隊 秋月 照月

  第五駆逐隊 朝霧 天霧 狭霧  四水戦所属

 第二航空戦隊 海竜 水竜

  第十八駆逐隊 若葉 初霜 有明 夕暮 三水戦所属 

戦艦

 第二戦隊 伊勢 日向

 第三戦隊 金剛 霧島 

重巡洋艦

 第四戦隊 妙高 足柄 那智 羽黒

 第六戦隊 青葉 衣笠 

軽巡洋艦

 第九戦隊 那珂 球磨  

 第十一戦隊 大井 北上 (重雷装艦)

 名取 第三水雷戦隊旗艦 

 五十鈴 第四水雷戦隊旗艦

駆逐艦

 第三水雷戦隊

  第十五駆逐隊 白露 時雨 村雨 夕立

  第十六駆逐隊 春雨 五月雨 海風 山風

  第十七駆逐隊 江風 涼風 初春 子日 

 第四水雷戦隊 

  第一駆逐隊 吹雪 初雪 白雪 村雲

  第二駆逐隊 東雲 薄雲 白雲 磯波

  第四駆逐隊 浦波 綾波 敷波 夕霧 

 

 以上で第一機動艦隊を構成した。


 空母は練習艦扱いの鳳翔と慣熟中の翔鳳以外全力出撃だった。

 戦艦も本土に長門を残すのみとなっている。山城は一部武装や装甲を降ろして練習戦艦になっており実戦には出せない。

 重巡はいずれも古いが戦闘力は十分にある。

 軽巡は更新が遅れており旧式化が目立つ五千五百トン級。

 駆逐艦は吹雪級、初春級、白露級とやや旧式だ。

 三水戦と四水戦所属艦である。

 秋月と照月は防空艦で空母と航空戦隊を構成している。

 朝潮級以降の新世代駆逐艦で編成される一水戦と二水戦が入っていないのは、艦隊内部での一番槍騒動で懲罰的に外されたせいだという噂がある。



 第一機動艦隊司令部では海南島航空隊からもたらされた偵察情報を基に首を捻り、頭を悩ませていた。

 仏印各地の飛行場に爆撃機多数、戦闘機多数が配備されていることが分かった。英仏艦隊出現以前にはいなかった。

 この偵察結果をもたらしてくれた百式司令部偵察機は、敵艦上戦闘機を速度的に寄せ付けなかったという。



 空母戦力以外はほぼ互角に見える。

 見えるだけだが。

 戦艦はフランスの二隻が33センチ砲8門の小型高速戦艦であり、金剛の相手とみなされていた。

 問題はイギリスの三隻だった。プリンス・オブ・ウェールズは最新艦だし、レパスルとレナウンは近代化改装を終えているという。36センチ砲10門と38センチ砲12門は脅威だった。速力も公称28ノットであり、頑張れば速いはずだ。

 伊勢・日向で対抗出来るかは難しいと言わざるを得ない。 

 伊勢・日向はユトランド海戦で扶桑・比叡・榛名の三隻沈没を受け、計画を変更して完成した。

 防御装甲は原型の扶桑に対して垂直水平共に厚みを増し、機関も重油専焼釜とした。重油専焼釜はイギリスからの技術協力で完成した。装甲を厚くしたことで増えた重量は36センチ砲連装二基三群と言う基本設計の位置を改め砲塔は一基減。艦橋前に連装二基、後楼前に一基、後楼後ろに連装二基を山型に装備しバイタルパート短縮と船体上部重量の軽量化を図った。水中防御も山城被雷を詳細に調査した結果、注排水ポンプを強力にし各部の強化と防水区画を増やすことで向上した。

 更に近代化改装で、装甲の積み増し、バルジ装着、対空兵装強化、機関出力増大と強化をした。

 それでも36センチ砲防御であり、最新のプリンス・オブ・ウェールズには勝てないと言う軍部内の評価だった。速力も27ノットが一杯で抜かれたら追いつけない。

 レパルス・レナウンの38センチ砲ともなると、どれだけ耐久出来るのかは未知数だった。

 重巡は質・量とも勝っているというのが現実だろう。おそらく。

 イギリス、フランスとも装甲は無きに等しいという情報が入っている。

 イギリス、フランスとも軽巡洋艦の方が装甲は厚かった。却って厄介であった。

 対抗上、青葉、衣笠を三水戦と四水戦に分派する。

 駆逐艦は隻数で圧倒しているが同程度とみなければ痛い目に遭うだろう。魚雷を装備しているのだ。小型艦が多いと侮ってはいけなかった。空母五隻へ付ける直衛で減るのもあり、海戦となれば同数程度になるだろうという考えだった。


 連合艦隊司令部や軍令部は航空戦力で圧倒するしか無いと考えるが、敵艦隊が陸から離れなければ援護機がやって来て圧倒できるかは不明だ。

 だいたい英仏の作戦目的がよく分からなかった。日本海軍を圧倒するつもりならヨーロッパを空にするくらいの覚悟で無いと無理だろうし、海南島制圧にしても上陸船団とかがシンガポールやその周辺に居るという情報も無かった。そんな大船団がいれば、必ずマラッカ海峡のどこかで発見される。そう考えていた。マラッカ海峡の反対側がオランダ植民地で日本人の出入りは自由だったから、監視員を常駐させている。監視員からも通常の運行と船舶通航量は変わりないと報告が来ていた。

 

 そのうち「目的は日本海軍の消耗と海南島施設の破壊では無いか」と言う声が上がった。 

 重要戦略目標である海南島を占領するものとばかり思い込んでいた多くの人間は、そういう考えもあるかと思った。


 連合艦隊と軍令部では敵艦隊の迎撃を第一とした。迎撃後余裕があれば仏印各地の飛行場を荒らして回る。そう言う姿勢を見せた。


 指示を受けた第一機動艦隊司令長官高須四郎中将は「迎撃は出来るが追撃は無理だろう」と苦笑いと共に語ったと言われる。



 1942年2月23日

 海南島各地に空襲警報が発令された。






海南島各地への空襲。

海南島航空隊。海南空の活躍は?


月曜日8日に空母諸元 大雑把です

次回本文は水曜日くらいかなと思います


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