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大統領選へ

現代の普通のおっさんリーマンの加納太郎!


ヒトラーとなって世界と自らの家庭の運命を守る為、1932年のドイツに旅立つ事になるのでした。


さあ、これからどうなる?どうする?

加納太郎!

イオフィエルは、さっきまでの明るい表情から急に表情を曇らせ、太郎に話しかけた。


「タロちゃん、これから1932年のヒトラーの身体に入ってもらうんだけど、大切な事があるんだ。

それはね、自我を強く保ってほしいの」。

「自我を強く保つ⁉︎」

「そう!」


太郎には、イオフィエルの言う意味がわからない。

何故、ヒトラーの身体に入って、強く自我を保たないといけないのか?


イオフィエルは続ける。

「身体に入ってからだと、最悪直ぐにタロちゃんの魂が消されてしまうかもしれないんだ…」

「魂が消されてしまう?」

「うん。今回の場合ね、ヒトラーの身体と魂が揃っている時に、その内に入っていくの。だから…」

「なるほど!ヒトラーの身体と魂が免疫力になって、私の魂が攻撃されて消されてしまう…と言う事ですか⁈」

「そう。それにそれだけじゃなくて、ヒトラーの身体、魂が共に闇の属性を持つって事なの。だから…」

「その闇にも抵抗しなくてはならないって事ですか…」

「うん。だから、ガブリエル様もタロちゃんに対して、平身低頭だったんだと思うんだ」。

「そういえば、本当に申し訳なさそうでしたね…」。


太郎はガブリエルの悔しさを感じる表情を思い出した。

そして、自分が自分で無くなるという事に不安を感じた。

「でも、タロちゃん。タロちゃんが自我を強く保ってくれたら、メリットもあるんだよ」。

「メリット?」

「そう。そのメリットはヒトラーの身体と魂から、タロちゃんが自由に記憶を引き出せるの!」

「え?でも、ヒトラーの魂は檻の中に…」

「そう。でもねぇ〜あの檻には仕掛けがあってねぇ〜、身体の中からの命令には逆らおうとしても、

檻から身体に記憶が流れるようになっているのさ〜!」

「じゃあ、ヒトラーの魂と直接会話することは出来ますか?」

「もちろん、それも可能だよ。ただ、タロちゃんの霊力を著しく消費するから、長時間は無理!」

「分かりました」。


一通り、イオフィエルから説明を受けた太郎は、目を閉じて自我を強く保つ方法を考える。

やはり、家族の事を考えるようにするのが一番良さそうだ。

太郎は、イオフィエルに声をかける。


「準備が出来ました。よろしくお願いします」。

「分かったよ。じゃあ始めるね!」


太郎は目を瞑り静かに立ち尽くす。

すると、目を瞑っても分かる程の光が太郎を覆い次第に消えていった。



「………フ」

「……ルフ」

「…ドルフ」

「アドルフ」


若い女性の声で、気がついた。

(この女性は…?)


神の御前から、見知らぬ部屋に見知らぬ若い女性といる。

どうやら、無事に1932年のドイツに着いたようだ。

とにかく、太郎はこの若い女性について、意識を集中する。


ヒトラーの記憶から出た答えは、エヴァ・ブラウン。1932年時点で20歳。

ちなみに、この時ヒトラーは43歳。

年の差は、なんと23歳‼︎

親子程の年の差カップルだ。


「ありがとうございます」。

太郎は、思わず丁寧な礼を返した。


(しまった!今は、ヒトラーだった!)

…と気付いたが、もう遅かった。


エヴァは、こちらを真剣な眼差しで見つつ顔を近づける。

(まさか、もしやヒトラーじゃない事がバレた?)

太郎は、自分の顔から血の気が引くのが分かるくらいに青くなった。


すると、エヴァは太郎の両頬に手を当てて尋ねた。

「アドルフ、とても顔色が悪いわ。お客様がいらしたのだけど、お断りしましょうか?」

(良かった。バレた訳じゃない。ここは慎重になって普段通りを装うようにしなきゃ。)

「いや、大丈夫だ!少し顔を洗ってから、お客様にはお会いしよう」。

「分かったわ。お客様にはそう言って、客間でお待ちいただくわ」。

「頼む!」


そう話しを打ち切ると、太郎はバスルームに入って顔を洗った。

(助かったぁ〜。まあ、身体はヒトラーなんだから他人に間違われる事はないけど、あまりに変な行動にならないようにしないと…

“ヨフィに自我を強く保て!”って言われたけど、これはなかなか難しいかもしれないな!)


「アドルフ。大丈夫?」

バスルームの外からエヴァの呼ぶ声が聞こえる。


「今、出るよ。エヴァ!」


太郎は、屋敷の中を歩きながら、ヒトラーの記憶から、屋敷に関する情報を集めてた。

ヒトラーの記憶によると、ここはオーバーザルツブルグの別荘で、多くの使用人の他に

姉のアンゲラが管理人をしている。

アンゲラとエヴァは折り合いが悪いが、今日はエヴァも来ていた。


「エヴァ。お客様は一体誰なんだい?」


太郎は来客について、エヴァに尋ねた。

「ヴィルヘルム・フリッツさんよ」。


太郎の記憶が正しければ、ヴィルヘルム・フリッツは、ヒトラーがドイツ国籍を取得するため、

ナチスの友党から国会議員になって、ヒトラーがトップのナチスをお膳立てした人物だ。


太郎はヒトラーの記憶を頼りに、ヴィルヘルム・フリッツに会う。

多分、ヴィルヘルムのヒトラー国籍取得の報告があるはずだ。

「待たせてしまってすまないな。ヴィルヘルム君!」

「いえ、お気遣いは無用です」。

「では、早速本題に入ろう。掛けてくれたまえ」。

「失礼いたします」。

ヴィルヘルムは、椅子に腰掛けると黒の革鞄から書類封筒を出して開けた。

「党首。兼ねてからお話ししていました国籍取得の件、万事うまく纏まりました。これで、大統領選への御出馬が可能となりました。これで、国家社会主義の実現にまた一歩近づきましたな」。

ヴィルヘルムは嬉しそうに微笑んで、ヒトラーに祝いの言葉を掛ける。


しかし、太郎は静かにヴィルヘルムに告げた。

「ありがとうヴィルヘルム君!

だかこれからが本当の闘いだ。

関係各所に通達を出して選挙戦に入ってくれたまえ!」


これで、太郎がヒトラーとしての闘いの狼煙を上げたのである。


おはこんばんちは!

はっつあんです。


いよいよ太郎が、ヒトラーとしての第一歩を踏み出しました!

太郎はこの選挙をどう闘い、どう次に繋げるのでしょうか?

そして、まさかの大統領就任?なんて事はあるのでしょうか?


さてさて、これからどうする?どうなる?加納太郎!


またの機会をご贔屓に、みなさんそれではさようなら!


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