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選挙戦出陣式①

日本の普通のリーマン、加納太郎


ヒトラーとつまらないケンカで、仕返しのつもりでエヴァに

「あ~んな事」や

「こ~んな事」を

しようとしている加納太郎。


はてさて、一体これから どうなる? どうする? 加納太郎!

太郎はエロエロなピンク!

エヴァはモヤモヤなグレー…

そんな雰囲気を❝ビーストモード❞の太郎が破った。


バスルームからベットルームにいきなり入ると…


「エ~ヴァ~‼」

「キャ~‼」


まるで、隣の国の大泥棒の3代目のように、太郎はエヴァに飛びついた。

しかし、身体が宙に浮いた瞬間に太郎は目の前が、真っ暗になっていた。

エヴァの方も、いきなり自分の名前を叫びながら飛びつく彼の姿を見て、反射的に彼をよけてしまう。

結果、アドルフ ヒトラーがバスローブ姿でベットを飛び越してしまい、そのまま床に激突してしまった。


「アドルフ! アドルフ!」


エヴァは、一生懸命にアドルフの身体を揺するが気を失っている。

この瞬間、エヴァの顔色が真っ青になって、部屋を飛び出して叫んだ!


「誰か来て!助けて!」


すると店の主人と女将さんが、飛び出して来た。


太郎が気がつくと、ベットの上で天井が見える。

まさに❝見知らぬ天井❞だ。

❝泊まれる食堂❞の部屋のベットなのだから当たり前だ。

そこに優しいエヴァの声。


「アドルフ、大丈夫…?」

「ああ。大丈夫だよ。

それよりヘスか誰かが来ていないか?」


すると、エヴァの機嫌が悪くなって

「ええ、ヘスさんとヒムラーさんが待っているわ‼」

と言って部屋を出て行ってしまった。


太郎も霊力充電満タンのスマホをイジリながら、身支度を整え始めた。


身支度を整え太郎が食堂に行くと、ヘスとエヴァの他に数人の親衛隊に囲まれた❝泊まれる食堂❞夫妻に、親衛隊制服でメガネの男。


メガネの男、それは会議を欠席していた人物…


ハインリヒ ヒムラー


ヒトラーの側近の中で、いつ"闇堕ち"したか?それが分からない人物だ。

何しろ、彼の生まれは父方も母方も敬虔なカトリックな上、両親共に教師をしていた。

富裕層でも貧困層でもない中流階級だった。

おまけに父親がドイツ帝国のハインリヒ王子の家庭教師をしていたので、ヒムラーは

ハインリヒ王子から名前を貰っている。

言わば、貴族ではないものの"生まれながらのエリート"なのだ。

ただ、病弱過ぎて小学校は家庭教師の指導のおかげで卒業。

大学入学までは一流進学校の"体育の苦手な生徒”で、周りの生徒からは

「虫も殺せない優しい子」と言う印象を持たれていた。


そんな人物が、何故ナチスの犯罪行為のほぼ全てに関わるようになるのかは、追々説明するとして、

今は食堂の夫婦を助ける方が先だ。


「どうした、ヒムラー君!私の迎えだけに来た訳ではないだろう?」

太郎はヒムラーに声を掛ける。


「はい、党首。私は党首の護衛のためだけにこの店に来たのではありません」。


太郎は思わず左手を後ろに回して握り拳を作った。

何故なら、ヨフィからの報告は無いもののナチスの中で一番闇に近いと思われる男が、

自分に「護衛のためだけに来たのではない」と宣言したのだ。


「ならば、何故君がここに?」

太郎は平静を装うようにしながら、ヒムラーに質問した。


「はい。実はこの店のヨーゼフ、クララ夫婦には、ペーターと言う一人息子がいるのですが、

その息子が共産党に参加しているのです。

今のところ、我が党の情報が共産党に流れている訳ではありませんが、店夫婦に話しを聞こうと

思いまして…」

ヒムラーの、この言葉を店の主人のヨーゼフが聞いて答えた。


「確かに勘当した息子がいる。だか、今どこで何をしているか?など知らん!」


太郎はヨーゼフの答えを聞くと、クララに目を合わせた。

クララも観念したのか重い口を開いた。


「確かに夫の言う通り、私供にはペーターと言う一人息子がいました。

しかし、5年位前にテーデと言う女と付き合い出した頃から家業に身が入らなくなって、

夫が問い詰めたんです。

そうしたら『今のドイツは本当に平等じゃない!新しいドイツにするんだ!』と言って、

家を出てしまいました。

それ以来、息子は帰って来ていません」。


その話しを聞いて、ヒムラーは親衛隊員達に目配せた。

おそらく、どこかに連行するつもりなのだろう。

だか、そのタイミングで店夫婦に近づく人物がいた。


太郎だ。

「事情は分かりました。ヨーゼフさん、クララさん。

息子さんについてですが、テーデと言う女ついて何か知りませんか?」


ヨーゼフは首を横に振り、

クララは

「すいません。息子からは''テーデ”と言う女性と付き合っているとだけしか聞いていません」。


この答えに連行する気満々のヒムラーに、太郎はため息を吐きながら、夫婦に話しをする。

「すいませんが、息子さんについて後ほどまた話しを聞かせて下さい。

特に"テーデ”と言う女ついて分かりましたら、党本部の方までご連絡下さい」。


そう言うと太郎は一人で店を出た。

すると、慌てたヒムラー、ヘス、親衛隊員、訳が分からずに頭の上に?が出たままのエヴァの順に

ナチス関係者が店から出て来た。


すかさず太郎は

「ヘス。エヴァを褐色館の執務室まで案内してくれ」。

「親衛隊員は自分の持ち場に戻ってくれたまえ」。

「ヒムラー君。君には話しがあるから、このまま褐色館まで歩くぞ」。

そう言うと一人で褐色館へ歩き出した。


太郎が少し先に行くと、ヘスの車が太郎を追い抜き、後からヒムラーがついて来た。


「ヒムラー君、今日からしばらくは共産主義者狩りを遠慮して欲しい。

君には、早急にやってもらいたい仕事がある」。


ヒムラーは<付かず離れず>の距離を保ちながら、太郎に質問を返す。

「私に<早速にやってもらいたい仕事>とは、一体どのような仕事でしょうか?」


太郎は振り返らずに話しを続ける。

「君にやってもらいたいのは…」



太郎がヒムラーに指示を出し終えた頃、二人は褐色館の前に着いた。

扉の前にゲッペルスとその部下達が待っている。


太郎とヒムラーが、ゲッペルス達に近づくとゲッペルスが話し掛けて来た。


「党首。親衛隊長。これから大統領選挙の出陣式を行います。

党首は私と共に、親衛隊長は部下達と共にホールまでお越し下さい」。



今度は、ヒムラーからゲッペルスに案内役が代わり、太郎は執務室に案内された。


…が先に来ているはずのエヴァとヘスは部屋にはいない。


「エヴァとヘスはどうした?」

「お二人とも、出陣式会場の広間にてお待ちです」。

「では、私も広間に行こう!」

「お待ち下さい党首!」

「?」

「実はまだ、会場に来ていない方がいまして…」

「何だ⁈シュトラッサーか?

それなら心配は無い。どうせ出陣式が終われば、すぐベルリンへ向かうのだから」。

「いいえ!来られて無いのはゲーリング氏でして…」

「大丈夫だ。

どうせゲーリングの事だから、奇抜な制服に身を包んで来るつもりだろう。

だから問題はない」。

「しかし…」

「大丈夫だ!

奴も元軍人。それも空軍の元エースだ。

こういう事も心得ている」。


太郎も流石に痺れを切らし、広間へ移動する。

そして、案内役のはずのゲッペルスが、汗をハンカチで拭いながら、太郎について行く。


執務室から広間へ向かう途中、肥った通常通りの制服を着た人物がいた。


ゲーリングだ。


「党首、遅れまして申し訳ありません」。

「ゲーリング珍しいな。ゲッペルスが冷や汗を流して焦っていたぞ」。

太郎は笑みを浮かべて答える。


そこにゲッペルスから声が掛かる。

「党首‼」


太郎は合図をするように声を上げた。

「では、出陣式に行くとしよう!」





おはこんばんちは!

春の体調不良による入院以来、ペースがだだ下がりのはっつあんです。

さて、ようやく大統領選挙の方に話が帰って来ました。

大統領選は一体どうなるでしょう。

ご期待ください。


またの機会をご贔屓にそれではみなさんさようなら。

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