2話 活動開始
初めての方は初めまして、TTです。
2話です。
「ここがネットの中……」
自称神を名乗る美少女から突然ネットの中で生活しろと言われたが……
「いや、まんま俺の部屋じゃん!正直どんな世界かちょっと期待してたのに!」
蓋を開けてみるとそこは自分の部屋と全く同じ空間であった。もっと電脳世界!みたいな感じだと思ったのによ。
「はぁ、ネットの世界ってワクワクしてたのに。俺!トランスミッションとかやってみたかったな……」
「何をさっきから独りで叫んでおるのだ。」
といきなり後ろから声が聞こえ咄嗟に振り返るとそこにはこの世界へ連れてきた張本人が立っていた。
「いきなり出て来ないでくれよ。中身がおっさんでも美少女が立っていたらびっくりして告白しちゃうかもしれないだろ。」
「本当に不愉快だから辞めてくれないかい?間違って消してしまいそうだ」
青筋立てながらキレる美少女のその威圧的なオーラに俺は多少自重する事にした。……正直ちょっとだけ興奮してしまった自分がヤバいと思った。
「それとここは君の部屋にそっくりだけど外を見てごらん?」
と神に促され俺は部屋にあるカーテンを思いっきり開けるとそこには
「すげぇ……」
そこには果ての見えない広大な海の様なものが広がっていた。そしてその中には無数のタブの様なものがありそれがとてつもないスピードで流れていく。
「どう?感想は?」
「初めてネットの世界にいるって実感できたよ。めちゃくちゃすごいな!」
「ふふ、そうだろ?」
「けどこれ外に出れんのか?」
「無理、データの海に呑まれて一生彷徨ってしまう。例えると宇宙空間に放り出される感じかな」
「めちゃくちゃ危ないじゃん……」
唯一ネットの世界を自由に動け回れそうな要素がただの自殺要素でしかないのに絶望してきた。
「ただこれは使い道があってね、えーっとこれをこうして……送信っと」
と神はスマホの様なものを取り出し何か入力しているようだ。そしてその瞬間
「うおっ!?」
突如窓が開き変なフィギュアが部屋に入り込んできた。
「このようにこの機器に欲しい物を入力し送信するとこのように物が届くできている。これから君はVRTuberとして生きていくんだから撮影に必要な物は有効に活用してくれ」
「へぇ、かなり便利なシステムじゃないか。試しに使ってみるか!」
俺は機器に必要な物を入力する
「あ、これで届いた物は君の自腹だからね?」
「それを先に言え!!!」
俺の怒鳴り声と共に窓から「水素水」とラベルの貼ってあるペットボトルが入ってきた。いや、正直買う事は絶対無いけどちょっとどんな味なのか気になるじゃん?
「だから必要最低限のにしておくのが君の為だと思うよ?いや、試練達成出来なければ一生働く事になってるからそれの前借りと考えてもいいかもしれないな!」
と満面の笑みで神が言ってくる。こいつ本当いい性格してんな。
「まあ他に聞きたい事や詳しい事は私の方から使いを出すからそいつに聞いてくれ。」
「ん?何処かに行くのか?」
「私は神だぞ?君と違ってかなーり忙しいんだぞ?」
こいつちょいちょい俺の事をディスってくんな?神は神でも邪神じゃね?世界で色んな問題起きてんのこいつのせいじゃね?
「どうやら早急に罰を与えた方がいいようだな。」
「大変申し訳ありませんでした!!!」
そうだ、こいつ心の声も読めやがった。心を無にしろ。明鏡止水の境地に至れ
「まぁいい、そのくらいの事で怒る私ではない。神だからな」
ならこの前の事も水に流してくれよ……
「ではそろそろ行かなければならないとこがあるからこれで失礼する。使いの方が来るまで今後の方針など考えておけ」
そう言って人差し指と中指を額に付け シュンッっと音を鳴らしながら消えていった。あいつ絶対ドラゴンボール好きだろ
「今後の方針か……確かにVRTuberとしてどういったキャラやどんな動画を出そうかと考えて行かないとな」
そう考えながら先ほど届いた水素水を口にする。
「……やっぱ水は水だな…」