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吾輩はロリである。(休止)  作者: 撓★シナ
第一章 「ロリコンの夏休み」
9/12

一日目(8) ロリコンは紳士であるべきですか?

短めです。今回は(?)狂ってます。

 ――嘘だ‥‥‥夢だろ‥‥これ‥‥夢に決まってる‥‥‥‥‥!

 ところがどっこい・・・夢じゃありません・・・!現実です・・・!これが現実・・・!

 

 そんな台詞が聞こえそうな、グレゴリオ暦の年始から202日目のこの夏の夜。

 

 裸の幼女が男の頭を揺さぶる中。

 溜まりに溜まった浴槽の中に水滴が落ち波紋を作る。

 ――水の音が小さく空間に響き渡った。




 「なぁ……? 夏之目……一緒に入れと言っただろうが……!」


 ここは脱衣場。

 扉越しに幼女の影と声。

 自分は引き戸タイプの扉に背を付けて座ってる状態。

 タオル一枚なので寒い。

  

 「……。」


 俺はずっと無言で押し通している。あの褐色少女みたいに無表情で……いや、鼻の下に赤い滴がたらりたらりと垂れている。扉の向こうに裸の幼女がいる……鼻血を垂らさずにはいられないよな!


 でもさ? 一緒に入るって言われたって無理ですやん! さすがにアウトですやん! 麻衣ねぇに怒られますやんなぁ!?


 「吾輩は一人で体すら洗えないぞ! 前も夏之目が洗っただろうが! さぁ入ってこい!」

 

 なんだそりゃ、そんなことで俺が入ってくるとでも? わ、か、め! ……でもそのままにして、幼女が風邪引いちゃったらまずいよな? 風邪を引いたら引いたで麻衣ねぇに怒られてしまう……。うん……風邪は引いたらダメ、ダメなんだよ。

 

 なので俺は……一緒に入りまぁ~す!!


 勢いを付けて右手で扉を横にスライド! そして左手は鼻血を拭く! 


 ――さぁ行こうではないか……魅惑の桃源郷へ……!!



 

 風呂椅子に腰かけた幼女……。背中からお尻にかけての曲線美に添うように伸びた長い黒髪。その流れを変えるように生えた二本の尻尾。片方には赤いリボン。


 俺の目にはそれしか写っていない。


 ――綺麗だ……。


 今日、三度目の裸。見慣れたかと聞かれても、否としか答えられない。でも毎回思う ――綺麗だ……と。

 

 性的な感情では無く、素直な気持ち。愛でる、守る、といった父性のような感情。

 本性より理性が大きく上回り手が出せない、これもまたチキンと呼べる……。


 俺は今、仏。 俺は今、神。 俺は今――


 「ほら! なに呆けておる。洗うのだ夏之目! 吾輩はキレイ好きだ! ……だが――痛くするなよ?」


 顔だけこちらへと向き傾げる幼女。


 あ、無理そう……可愛すぎる。


 む……無理に決まっておるだろぉおがぁあ~!!

 は? 本性が理性を大きく上回る? たわけっ! そんなの昔のことだ! 


 手に持ったスポンジをわしゃわしゃと泡立てる。ふへへへぇへぇ!!


 「んにゃッ!? 夏之目! やっ、やめろぉぉぉお!!」


 俺は幼女の腹、胸、足、尻尾、耳、体という体を洗う。洗うのだ! 洗え! 洗う! 洗ええぇぇぇぇ!!


 「うぉぉぉぉおおおおお「やめろ! 夏之目! 正気にッ……」


 最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!!

 

 「おおぉぉぉ!! ……ッ!」

 

 ――ブチッという音が頭の中で聞こえたその瞬間、目の前がだんだん暗くなっていく。


 ……。しょうがないじゃない……。今日、何度も欲望を抑さえてきたんだもの……。でもなんかおかしいんだよなぁ……この幼女と出会って……。


 「な!? 夏之目! 大丈夫か!? 夏之目!! 夏之ッ――


 幼女の声も聞こえなくなってきた……。駄目だよ幼女ちゃん頭を揺すっちゃ……。

 体の感覚が無くなり目の前が真っ暗になった……。


 ハジケすぎたよ、そして恥だよ……夢であって欲しいなー……。


 こうして俺の夏休み最初の一日が終わった。




 暗闇の中、光が見えた。懐かしい感じ、嬉しい感じ。

 ……思い出したくない感じ。

 でも追ってしまう、手を伸ばしてしまう。

 《戻りたいがために……。》

次回!夏之目の過去?

 (一週間位失踪します。)

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