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吾輩はロリである。(休止)  作者: 撓★シナ
第一章 「ロリコンの夏休み」
1/12

夏休み前日 ロリコンと黒猫。

 初めましてです。撓★シナです。

 この作品は2日に一回という投稿ペースとなっております。

 悪い評価もいい評価も参考になるのでどうぞ。

 最後までお付き合いお願い致します。

 

 「そうだ!俺がっ・・・!」

「「「「俺達が、ロリコンだ!」」」」

 夏休みへと突入し、いつもより早い帰り、俺は幼稚園の前で正座。そして手には湯飲み、俺はお茶をスズっとすすりながらも、目先には、きゃっきゃっと騒ぎ鬼ごっこをしてる幼女たちへと。


 「1.2.3……まて~」「わ~にげろ~」「わ~……イテッ」「大丈夫ぶ?」「ウン!ライジョウブ ……つかまえた!」「あ~ずるい~」「あはははは~」「うふふふふ~」

 

  

 

 「あぁ、今日も皆元気だなぁ……」

 

 俺は幼女たちの笑顔を見て今週のロリエネルギーをチャージする。

 

 そんな俺の名前は宗石(むねいし)夏之目(なつのめ)普通(ロリコン)の高校生、夢はロリと触れあうこと……だが俺はシャイなので近づけない、チキンとも言う。

 

 そんな俺をロリコンと知る人は親を除いて誰もいない。

 

 いや、多分あの人も知っている。その人が気持ち悪いほど特殊すぎるだけだと思う。


 まあ、一応自己紹介と日課を終え、ニッコリスマイル

 

 よし! と、一段落をつけ立ち上がる、今この場を誰かに見られたら通報されかねないので、はや歩きで帰ろうとする、だが

 

 「ん?」

 

 ――ミィ……ミィ

 

 弱々しく濁ったような音がその足を止める……。道の端に黒い塊。

 

 俺は黒い物体に近寄りよく凝らして見てみると。

 

 「猫か?」

 ――黒い物体は、ボロボロの黒猫だった。

 

 「怪我してるじゃないか! ……引っ掻き傷?」

 

 鳥に教われでもしたのだろうか、ひどい傷、俺は猫の抱き上げ体温を確かめながら、近くの動物病院へ急いで向かう。


 

 

 「いや、良かったですねぇ……。 傷が炎症し始めていたので、もう少し遅れていたら、後遺症が残り歩けなくなっていたかもしれませんでしたよ」

 

 そう獣医師の言葉に俺は安堵する。

 

 俺は横の椅子で丸まっている猫を撫でながら獣医師の言葉を続けて聞く。

 

 手に持った羽根をヒラヒラと見せつけ。

 

 「いや、ほんとよかったです、どうも体に(ワシ)に襲われたようです、鷲の羽根がついていたもので……」

 

 と獣医師はまた告げる。

 

 

 

 「お大事にしてくださいね」

 

 ナースのおねぇさんにそう言われて俺は頭をさげる。

 

 獣医師の説明では薬に包帯、大まかな説明をうけ、安静にしていればすぐによくなるという。

 

 「さてこの子をどうするか……」

 

 猫を抱き抱えながら病院を出て考える、薬も貰ってしまっているし、もとの場所に置いていくのはあまりにも酷いと思ったので、とりあえず家で飼うことにした。

 

 てか、俺が飼う前提で話が進められていた。



 

 家に着き猫を畳の上にそっと降ろす。

 

 ピクッと耳が動いたものも、体はまだ丸まったままだ。どうも疲れているのか、かなり衰退しきっていたので疲れて寝ているのだろう。そう解釈し、猫をよく観察する。

 

 猫は黒猫でまだ子猫、毛並みは獣医師が鎮痛剤の様なものをを打ち、治療したあと整えてくれたみたいでツヤツヤしている、ちなみにメスだと聞いている。

 

 俺は猫を部屋に寝かせたまま、ちょっと買い物にいこうと思っている。


 猫を世話するにはペット用品を粗方揃えなければならないし、帰ってきた頃には猫も起きれるだろうと思ったからである。




 という訳で私はショッピングモールに来ております!

 

 いやぁ、ここら一帯にはペットショップなんてないのですよ、なので隣町に来てペット用品を買おうと思っている所存なのでございまする!


 なんてキャラの安定しないナレーターの真似をして真顔でペットショップに向かう。

 

 ――ひだりをご覧ください、ロリです。可愛らしいですねぇ~、黒いリーフを着けたミニスカ。

 ……お! みぎをご覧ください、あちらにはバンザイしたら脇の見えるくまさんプリントのTシャツの幼女、それに……あらまぁ金髪ツインテロリちゃん、お母さんと手なんか繋いじゃって。

 

 お母さん代わってください!!

 

 そんなトチ狂った脳内実況をしている間にペットショップに着く。

 

 昔来たことあるのだが、あまり記憶にはない、中をグルグル周りながら必要なものだけをカゴにいれ買う。

 

 買ったものは――給水器と、ペットフードにトイレ、ブラシと座布団のような寝る物、短い付き合いになるかもしれないが首輪。合計あわせて一万三千円也、あらかた必要なものは揃ったと思う。

 

 さぁ帰ろう、また帰りも、脳内実況を繰り返しながら家に向かう。



 

 ――さてこれから暮らすには猫の名前を決めなければならない、だが実はもうきめてあるのだ。

 

 《地獄(ムービー)映像(メモリー)記憶(インフィルノ)する者》

 

 ふふっ!かっこ悪くて意味の解らない名前だろ。単語をとって付けただけ、当ってるのかも俺も知らない、どうせ短い間お世話するだけなんだ、情が移らなくて訳の解らない名前にした方がいいに決まってる。

 

 後に都合よく頭文字をとって名前にするわけではない、絶対に…… 絶対に……。


 まぁ言い訳してる内に、ハイ家に着きました。玄関から奥の俺の部屋のドアを開いて寝ている猫に俺は叫ぶ。

 

 「さぁ!お前は今日から《地獄(ムービー)映像(メモリー)記憶(インフィルノ)する者》うわ!」

 

 頬に毛深くて黒い手がおもいっきり飛び込んできた。猫パンチである。

 

 お気に召されなかったようだ。

 

 「わかった、わかった《ムービー・メモリー・インフィルノ》はやめるよ」

 

 まぁ、安心した、これで気にいられたら俺が困る、猫はツーンと不貞腐れている、偉そうに……。

 

 それにしても、この猫が顔に飛び掛かってきたはビビった、体の傷は塞がっている、薬には詳しくないがあの鎮痛剤と薬のおかげだろう。

 

 だが安静にしておてほしいものだ。

 

 名前を無闇に決めるものではないと俺は学習しておく。まぁ名前はまだ保留というわけで……、またいつか、ちゃんと考えて決めよう。

 

 そう考えながら俺は買ってきたものを畳の上に置く。

 

 畳の上に置くのは、あまりにも不恰好なものだ、猫を飼うときの環境ではないと分かっているのだが仕方がないだろう。

 

 猫は背伸びしながらこちらを見て、ニャッっと鳴く、別にいいゼッ!っと言ってるようだ。あら、心が広いのねっと俺はニコッと笑い返す。


 まぁ今日はもう夕方、猫はご飯をモリモリと食べているわけだし、俺も負けずと、帰りに買ってきた肉弁当に食らいつく、うまい。


 

 飯も食ったところで、この猫に首輪を着けてあげなければならない、一応飼い猫となるのだ。

 俺は猫の首に買った赤い色のした、首輪を着けようとする。だが、


  ――ベシッ!

 

 俺の手を、猫パンチして首輪を払う、まぁ爪は切ってもらったばかりなので、痛くは無いのだが、力が……力が強いのだ。

 

 イヤ! おかしいだろ俺は首輪を持った手をグイグイ押し付けておるのに、もぅっこの子ったら不思議! 柔らかい両手であちらもグイグイとこちらの力より強く、押し付けてくる。

 

 そんなに、そんなに首輪が嫌なのか!

 でも、何も着けなかったら野良猫に間違われるかもしれない。

 

 まぁそれで誰かが拾ってくれるのなら、俺も楽で嬉しいのだが、もう一緒に暮らす準備もできている。それなら首輪ぐらい付けてほしいものだ。

 俺だって首輪なんか付けられたら嫌だ、圧迫感が気持ち悪い。


 付けられることには嫌でも無いことも無いことも無い、かも知れないが。

 

 仕方がないので俺はタンスの中から赤いリボンを取り出す、これは小学校、卒業時、証書を丸めて止める、あれだ。

 少し硬いのだがしょうがない、そのうち柔らかくなるだろう。

 

 リボンを猫の尻尾に付けてやる、猫は嫌がらない。うん、俺もわかるぞ。

 〈首はイヤ! でも尻尾ならいいよ///〉って奴だろう、中はダメ!みたいな。

 

 下ネタはやめよう……寂しくなってくる。

 折角付けても嫌がらないんだ、それでよしとしよう。



 よし、やることは終わった! 風呂に入ってもう寝てやる!

 

 猫を抱き上げ風呂場へと向かう。

 

 無理やり風呂場に連れ込んでなんだけど、この猫、水を一切嫌がらない。

 それに痛いだろうと思って傷を避けて洗おうとするのだが、この猫お構い無しに、溜めた風呂の中に飛び込む。あーあ風呂に毛が……。

 

 まぁ、俺はそんなこと気にするほど玉小さい男でもないので、一緒に風呂に入る。

 

 猫はスイスイと風呂の中で犬かきをするように、泳いでやがる。

 こいつ本当に猫か? 猫ってそんな風に泳ぐのな。

 

 合ってるのか違うのか? そんなことは俺は知らん、実際そう泳いでいるのだからそうなのであろう。可愛い

 

 

 俺は猫の体を拭いてやり風呂場を出て、一目散にベッドへと向かう。

 

 おかしなもんだろ、和風チックな部屋に重そうなベッド、畳が傷つくと思うだろ? 

 残念、この畳は先祖代々伝わる、傷付かない! 汚れない! 何故かいい匂いのする、謎の畳。

 

 不思議だが、でも馴れてしまっているので、驚いたもんじゃない。

 

 家の先祖は、今は無き宗教団体の教祖様で、押し入れには、所々破れていたり、汚れて読めない、書物がいっぱいある。

 呪われそうなので読んだことはない。俺の家の家族構成はちょっと(?) 特殊な家庭なのだ。

 

 もう眠いので俺は猫を抱えて寝ようとするが、暴れ逃げられ、自分の寝る所へと帰る。賢いものだ、もう場所を把握してる。

 

 さぁ、今日はもう寝よう、明日はもう夏休みで学校もない、じっくりと眠れそうだ……。


 俺は、この猫と暮らすことに嬉しさを感じている。

 

 コレからもずっと……。


 


 朝、

 唐突なことに俺は言葉が出ない。

 寝ていたはずの猫が消え、

 外からはガヤガヤとうるさい声。

 ドアが開いており、外に出る、

 そこには、

 

 柱にぶつかって、煙がでているトラック、

 地面には血、そして……

 

 黒い塊。


 人混みをかき分け、黒い塊に近寄ってそれを抱き上げる。


 

 あぁ、俺のせいだ――


 

 うるさいサイレン音のなか、俺は自分の過ちに後悔する。

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